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燃費とトルク向上を感じる点火コイル – イグニッションプロジェクツ

20170723_イグニッションプロジェクツ

以前、点火系の効率化というタイトルで、イグニッションプロジェクツの製品である点火系システムをご紹介した。

今や、D1GPフォーミュラドリフトで上位を争うマシンの多くに装着されるようになってきたが、一般の間でも徐々にではあるがユーザーを増やしつつある。

その実力はいかがなものか?

とても気になってしまい、思い切って代理店でもある横浜のRevolfe S.A.へ相談を持ち掛けたところ、数日後、編者のマイカー“三菱・FTO”に合わせた点火システムが装着可能であるという、まさかの返事を頂いた。
【追記】
MIVEC仕様かつ、純正で点火コイルがイグナイター内蔵タイプだったので流用可能となった。同じ車、型式でも、前期、後期、エンジン仕様の違い、リコール対策品が組まれたケースもあったりするので、自分のマイカーで本当にランエボ用が流用できるかは、やはり問い合わせをしてもらうのが確実だ。

ちょうどタイミング良く、エンジンのオイル漏れ修理でRevolfe S.A.へ入庫を予定していたので、良い機会だからと、その点火システムを導入してみる事にした。もちろん自腹である。。。

20170723_イグニッションプロジェクツ_01

点火システムとは書いたが、内容はご覧の通りで、3つの点火コイルをただ交換するだけの単純な物。

編者の三菱・FTOV6エンジンなのだが、元々このエンジンには同時点火方式が採用されており、2気筒毎に1つの点火コイルがシリンダー内の混合気への着火を受け持っている。
写真のエンジンヘッド部、青いプラグコードが装着されている黒いパーツが純正の点火コイルで、3か所ある事がおわかりいただけると思う。それらを全て取り外し、手前側、Ipのステッカーが貼られた専用の強化点火コイルへ交換する。これで終了だ。

ちなみに、イグニッションプロジェクツでは三菱・FTO専用の強化点火コイルはリリースされていない。今回はランエボ用の強化点火コイルが使える事がわかったため、それを用いる事となった。

イグニッションプロジェクツ日本法人のWEBサイトにあるランエボ用点火システムだが、そちらは1気筒につき1つの点火コイルとした同時点火システムキット。今回紹介するパーツはコイル単品なので予め誤解の無きよう。

ランエボ用の強化点火コイル取り付けに際して一点だけ注意がある。コイル下のブーツだけは純正から流用する必要があったのだが、編者の場合、ブーツの劣化からか僅かながら亀裂が走っていた。これでは漏電するかもしれず、せっかくの強化点火コイルも正常に機能しなくなる恐れがある。

そのため、ブーツだけ純正品を新品で取り寄せようとしたのだが、三菱自動車ではブーツのみの販売はなく、あくまで純正点火コイルとのセットでしか販売していないらしい。他メーカーではブーツのみの販売しているというのに。やむなくセットのものを購入した。スペアパーツだと思うしかないか。。。

20170723_イグニッションプロジェクツ_02

まず、編者の三菱・FTOの状態を、箇条書きで列挙しておく。

上記の状態から取り付けを行い、数週間の走行で検証を行ってみた。得られた結果は以下の通り。

  • 燃費が最大で4上がった。
  • 3速でないと登れなかった登り坂が、4速で登れるようになった。
  • 鈍っていた高速域がさらに伸びるようになり、レッドゾーンまで綺麗に吹けあがるようになった。

今回交換してみた強化点火コイルだが、最大の特徴は、純正よりも1回あたりの火花を大きくした点にある。これで混合気の燃焼効率を向上させ、完全燃焼を促進させようというコンセプトらしい。

火花を大きくした事で点火プラグの寿命が短くなる懸念もあったが、適合するイリジウムプラグを使えば問題はないそうだ。

通常、多気筒を1コイルでまかなう同時点火方式では1回当たりの火花がそれほど大きくないらしく、燃焼効率の面で疑問が残る。実際、強化点火コイル交換後にこれだけの性能向上を果たせた事から、燃焼効率アップによる性能向上の伸び代はかなりありそうだ。

まず燃費に関して。
交通量の多い街乗り中心で3速や4速を多用しての走行では、以前は平均で1リッター約8kmだったのだが、そこから1リッター約10kmにアップ。高速道路7割下道2割くらいでは、以前は1リッター約10kmだったのが、こちらは1リッター約12kmへアップした。
これは、後述するトルクの向上により、低回転でそれほどアクセルを踏まなくてもスムーズに走れるようになったからだろう。

そのトルク向上についてだが、これまでは気持ち高回転をキープしないとスムーズに走れなかったり、上り坂でも低いギアを多用しないと失速するような状況が多く、ちょっとしたストレスを感じていた。

それがどうだろう。強化点火コイル交換後の激変ぶりにはとてもびっくりした。少しのアクセル開度でも”グッ”と力強く加速してくれる。特に2000回転-3000回転付近からのトルク感が増したようで、高いギアでの街乗りが楽に感じるくらい。その激変ぶりに、アクセルの反応に慣れるまではちょっとビビッてしまった。

トルクの向上がわかりやすく感じられたのが上り坂だ。箱根ターンパイクの小田原側からの上り坂で検証してみた。
これまでは4速低回転では失速してしまうため、今までは3速高回転よりで上っていた。そして今回だが、なんと4速低回転のままでも失速する事なく、頂点までそのまま上りきる事が出来た。さすがに若干のモタつき感はあったが、それでも十分な結果だ。

高回転域、特にMIVEC作動後の高回転カムに移行した場合ではどうだろ?
さすがに公道で試すわけにはいかないので、先日、某テストコースへ極秘に愛車を持ち込み、10分間だけ高回転域と高速域の感触を試してみた。

3速5000回転以降、高回転カムへ移行後からずっとアクセルを踏み続けてみた。以前はレブリミット付近までもっさりと加速していく感じだったが、レブリミットへの到達時間が1/3速くなっている。それでいてスムーズに回転が上昇し、高回転域でもとても気持ちよく加速してくれる。スピードメーターを意識していないと、あっというまにスピードリミッターを効かせてしまいそうだ。

クルージングギアを使っている間も安定しており、シフトダウンをせずともアクセルだけで十分加速してくれる。一般車に混じっての高速道路クルージング追い越し速度をのせての合流といった場面でこれは強味になりそうだ。

以上のような感じで、燃費も上がりトルクも向上と良い事尽くめなイグニッションプロジェクツ強化点火コイル。交換するだけでこれだけのパフォーマンスが手に入るのだから、コストパフォーマンスの高いチューニングと言えるだろう。

今回は三菱・FTOだったが、特に1気筒1コイルの点火方式となるランエボや、シルビアインプレッサスープラフェアレディZマーク2系車両等では専用に最適化したキットが販売されているので、三菱・FTO以上に高いパフォーマンスが得られるに違いない。
販売される点火キットの多くはボルトオン装着なので、DIY経験豊富な方なら取り付けも容易だろう。

また編者の三菱・FTOのように、車種によっては流用やカスタマイズで取り付けが可能なものもあるはず。

興味を持たれた方は、ぜひ代理店であるRevolfe S.A. か、イグニッションプロジェクツへ問い合わせてみてほしい。
【追記】
同じ車、型式でも、エンジン仕様やチューニングの違い、前期、後期の差、リコール対策品が組まれていたりと、微妙に違うケースがあり、点火コイルが適合しないケースもある。安い買い物ではないので、まずは適合品があるかの問い合わせを確実に行ってほしい。

そして三菱・FTOへの取り付けに際しては、パーツマッチングの事前調査、検討からアドバイス、作業まで、Revolfe S.A.の皆さまに多大なるご協力を頂いた。この場を借りてお礼を申し上げる。

【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)

【協力 – お問い合わせ】
Revolfe S.A.

【販売元 – お問い合わせ】
イグニッションプロジェクツ

編者
REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。 サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。
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