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ドリフトが世界選手権へ – FIAインターコンチネンタルドリフティングカップ

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日本発祥の自動車文化であるドリフト
それがついに、国際自動車連盟、通称FIAより認可された。
F1WRCといった名だたる国際モータースポーツ競技のある中で、ドリフトもそれらと肩を並べる存在になったわけだ。

思えば、日本のチューニングカー文化の牽引役である”稲田大二郎”氏と、ドリフトキング”土屋圭市”氏の二人がオプション誌の企画として始めた“いかす走り屋チーム天国”に始まり、そしてD1GPへと発展。
その盛り上がりに感化されたか、他でも多くのドリフト競技イベントが誕生してきた。

そしてその勢いは海外にも飛び火し、アメリカ中心のフォーミュラドリフトや、ヨーロッパ中心のキング・オブ・ヨーロッパ中国東南アジアなど、各国でドリフト・モータースポーツが誕生、例年熱い戦いが繰り広げられている。

そんなドリフトの隆盛を、ついにFIAは見過ごせなくなったか。

”ドリフト発祥の地であるここ日本で、ドリフト世界一を決めようじゃないか”

ドリフト関係者の長年の夢、まさにアメリカンドリームが形となったFIA公認イベントが、この”FIAインターコンチネンタルドリフティングカップ”なのである。

そんな記念すべき日、第1回イベントをぜひともこの目で確かめたいと、初日の模様に迫ってみる事にした。

今回から数回に分けて、編者なりに感じた事をお伝えしていきたいと思う。

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日本代表として選ばれた4名のパドック。
比較的穏やかな印象を受けた。

向かって左から、トラストの”川畑真人”選手の日産・GT-RD-MAXの”横井昌志”選手の日産・シルビアWISTERIAの”藤野秀之”選手の日産・180SX、そして今回のみHKS日産・GT-Rを駆る斉藤太吾選手となる。
近年のD1GPでは、シリーズチャンピオンや優勝争いを繰り広げる常連の4名だ。
相手にとっても不足はない。
むしろ十分すぎる相手であろう。

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こちらは海外組。
BMWヒュンダイなど、国内ではほとんど見ない車が多くエントリーしており、物珍しさから来場者の注目を集めていた。

BMWヒュンダイも、海外では手頃なFR車として認知度が高い。
REVOLT-IS Twitterに寄せられたコメントの中に、”現地ではシルビアと同じようなもの”というツイートが寄せられたが、それも納得ものだ。

FRスポーツとしての完成度の高さは多くのファンが認識しているBMW、国内でほとんど見ないため戦闘力未知数のヒュンダイ、使われているパーツは何か?仕様やセッティングはどうなっているか?
興味は尽きない。

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実績豊富な日本車を投入する海外勢も多い。
やはり珍しいトヨタ・アルテッツアシルエイティを始め、スカイラインフェアレディZシルビア180SXマーク2といった面々だ。

海外のドリフトイベントでは、日本車でエントリーする方も多い。
当然海外の独自レギュレーションに合わせた車作りがされているはずで、現地で制作、入手した独自のパーツを組み込み、やはり独自のセッティングが施されているはず。

D1GP仕様と比べてどう違うか?使われているパーツは愛車にも付くのだろうか?どのようなセッティングで応用できそうなところはあるか?
そうやって考えを巡らせながらチェックしてみると、また違った観点で楽しめるのでぜひお勧めしたい。

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タイヤも国際色豊かだ。

日本でもお馴染みのTOYOFALKENWANLIKENDAHankookに、GOODRIDENITTOWESTLAKEAchillesと数多くのタイヤメーカーが入り乱れている。

海外ではサーキット路面での大会が多いため、日本で実績あるメーカーはともかく、独特のお台場の路面やタイヤレギュレーションにどう対応してきたか、気になるところである。

ここ数年、日本市場への参入を果たすタイヤメーカーが増えつつある傾向だが、ここでの成功が更なるタイヤメーカー参入の呼び水になるかもしれない。
低価格で品質の良いタイヤは、日本市場では特に受け入れられやすい。
こちらにあげたタイヤメーカーの動向も、チェックしておくべきだろう。

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今回のお台場コース。

さすがFIA基準、一面に金網が敷かれていた。
まさに金網デスマッチ状態。

2016年の日光サーキットでの死亡事故に端を発し、国内の主要サーキットでは、急速にこのような施策が施されつつある。
そこへ、F1などに見るFIAの過剰なまでの安全性への拘りもミックスされたわけだ。
金網対策は致し方ないかもしれない。

もちろん安全性強化は編者も賛成ではあるが、近年はスマートフォンカメラ性能向上や低価格ミラーレス一眼カメラの普及もあり、観客スタンドからカッコいい走りを撮りたいという層が増えてきている。
そういった方々に、金網は邪魔に思われている。
仕方のない事とはいえ、その盛り上がりに水を差さなければよいが。。。なんとかならないものか?

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開会セレモニー前、和太鼓尺八三味線を使った演奏の予行演習が行われていた。
日本を代表するこれらの和楽器から奏でるメロディーには、海外から参加のチーム、ドライバー、メディアの皆さんに、日本に来た事を強く実感してもらえた事だろう。
また数少ない来日期間、日本文化に触れるとても良い機会になったに違いない。

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練習走行セッション直前で待機する各車両。

本大会が世界選手権という事もあり、パドックやコースサイド、プレスセンターでは様々な言語が飛び交っている。

言葉の壁やその言葉の持つ解釈の違いに、当初は戸惑っていたという声もあったと聞く。

また運営側も、初のFIA選手権の運営という事もあり、JAF国内モータースポーツの関係者まで集まり、まさに手探りで対応に追われていた。
ドリフト競技という、過去の国内モータースポーツではほとんど例がなかったケースだけに、運営側の苦労は並々ならぬものがあったに違いない。

ゼロから1を立ち上げる事がどれだけ大変な事か。
今回得られた反省材料、貴重な経験を、ぜひ第2回以降に生かしてほしい。

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始まった練習走行。

写真の海外勢も精力的に周回を重ねていた。
一見、おとなしい印象を受けた各車の走りであったが、路面のデータ収集、セッティングや走りの煮詰めを行うぶんには、抑えめなのがちょうどいいのかもしれない。

セッティングを煮詰め、本番に向けて車を最高の状態にしてやるアプローチは、どのモータースポーツでも同様。
また手の内をあえて控えて走るのも同様だ。

静かなる戦いが既に始まっているようだった。

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そんな中でも、優勝候補の二人であるトラストGT-R川畑選手HKS GT-R斉藤選手は揃って綺麗なツインドリフトを決めてくれたりと、メディアやファンサービスは欠かさない。
両選手の心意気を、訪れたファンは強く感じとったに違いない。
否が応でも応援に熱が入る。

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練習走行終了。

各ピットでは、練習走行で得られたデータやドライバーからのインプレッションを元に、単走セッションに向けた最終調整に入っていた。

元々車体に負担の大きいドリフト走行なので、些細な不具合も大きなトラブルに発展する。
選手に気持ちよく走ってもらおうと、各メカニックは慎重に作業を進めていた。

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綺麗に摩耗されたタイヤ。

ドリ車アライメントが独特なように思われがちだが、タイムアタック車両と同様、いかにタイヤを上手く使い切るかに掛かっている。
D1GPや本大会のようなトップレベルの走りでは、特にその傾向が強い。

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以上のような感じで、開幕セレモニーに向けて進んできたFIAインターコンチネンタルドリフティングカップ
様々な思惑、アプローチが見られた各選手の動向が結果へどう結びついたか?

今回はここまで。
次回は開幕セレモニーの様子をお伝えする。

【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)

【取材協力 – 問い合わせ】
FIAインターコンチネンタルドリフティングカップ(FIA Intercontinental Drifting Cup)事務局

編者

REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。
サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。

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