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AE86-EVに見る電気自動車の可能性

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名古屋オートトレンド2017の「トヨタ名古屋自動車大学校」のブース。
そこに展示されていたのはパンダカラーのAE86スプリンタートレノだが、なんと電気自動車へ改造されている。
ボンネットを開けると見慣れた4AGエンジンはどこにもなく、代わりに銀色のボックスが占拠していた。
果たしてどのような仕様か?

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一般のハイブリッドカーや電気自動車では走行用バッテリーに「リチウムイオン」が使われているが、このAE86にはガソリンスタンドやカー用品量販店等で手に入る鉛蓄電池タイプを複数個使っている。
それを先ほどのボックス配下に設置されている。
これはコストと作りやすさを考えての事だが、鉛蓄電池タイプだと「リチウムイオン」と同等の性能を稼ぐには大量に設置する必要がある。
そのわりに、バッテリーをたくさん積んだように見えないがそれもそのはずで、このAE86の航続距離はせいぜい40kmほど。
研究車両という事で割り切った仕様にしたそうだ。

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トランクの中を覗いてみる。
モーターをはじめとした各種ユニットを配置するためリア周りは犠牲になっているが、なるべくAE86の雰囲気を壊さないよう内装はかなり残されている。
タワーバーも装着されているあたり、車に対する製作チームの拘りが感じられた。

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モーターユニットのアップ。
発熱による冷却ファンの数やサイズの小ささがちょっと気になった。
駆動系との連動や走行抵抗を考えると負荷が大きいように思えたが、担当者曰くこれで普通に走れるらしい。

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お約束のBRIDのフルバケットシートが目立つ運転席。

シフトレバーの注目頂きたいが、なんとこのAE86はMT車。
電気自動車というとATが一般的だが、あえてMTをチョイスするあたり、どのようなフィーリングになるのか興味が沸いてきた。
現状大きな問題は発生していないようだが、さらに高い高速域ではどうだろう?
他にもモーターの出力特性、駆動系との連携、走行抵抗など、検討しなければいけないパラメータはたくさんある。
今後の研究の展開に期待したいところである。

トヨタ本社も関心を持っているというこのAE86-EV。
この車をステップに、運転も楽しめる電気自動車が市場に出てくれる事を願うばかりだ。

【取材–文―写真】
編者(REVOLT-IS

【取材協力】
トヨタ名古屋自動車大学校