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東京オートサロン2023イベントレポート

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今年もチューニング・カスタムカーの祭典「東京オートサロン」から1年が始まった。
金曜日の一般特別入場が復活、前売りチケット購入が三栄書房ECサイトのみ、状況によって当日入場券の販売も行うとなった本イベント。
来場者数がどう変化するか注視していたが、結果的に3日間で179,434人(前年比52,565人増)が幕張メッセに訪れた。

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併催のTOKYO OUTDOOR SHOWの様子
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併催のTOKYO OUTDOOR SHOWの様子

今年も幕張メッセ全館を使って開催されたが、例年と違うのが北館エリアの3分の1が「TOKYO OUTDOOR SHOW 2023」の展示スペースになっていた事。
車を使った様々なアウトドアの提案、テントや野外調理器具、ランタンなど多種多様なアウトドア用品を展示。
昨今のアウトドア人気も相まってか、多くの方が足を運んでいた。
ご時勢にもあった展示企画でなるほどと感じたが、反面東京オートサロン側をよく見ると、例年出展していたいくつかのメーカー、ショップの姿がなかったのが気がかり。
また出展はあれど、ブース規模や人数を最小限としているところもあった。
コロナ過による一時的な対応、判断かもしれないが、隆盛期を知る身としては少し寂しさを感じてしまった。

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カーショップ「クルウチ」では、早くも新型RZ34フェアレディZのドラッグレーサーを作りあげてきた。

出展デモカーだが、スポーツ系車両が目立った。
これは新型RZ34日産フェアレディZを始め、FL5シビックType R、GR86/BRZ、GRカローラ、GRスープラ、GRヤリスといった話題の車が立て続けに登場した事が背景にある。
特にRZ34に対しては、先代Z34で得た知見、技術が生かせると期待値が大きい様子。
近年の車では珍しく、チューニングによる伸び代が多いと見られている。

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シルビア/180SX用の一部オリジナル部品の独自製造を開始したガレージマリン。

GRヘリテージパーツ、NISMOヘリテージパーツ、マツダが手掛けるレストアサービス。
今や国内自動車メーカーが人気の旧車、ネオクラシックカー向けのパーツ製造やレストアサービスを手掛けるまでになったが、それ以外にもレストアパーツドットコムやエクセディのような、所謂サードパーティが独自に部品を開発、製造しているところもある。

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TEINの新作EDFC5の紹介コーナー

車高調界隈にも新しい風
1995年サファリラリーウィナーのフルレストアST185セリカターボ4WDで話題のTEINからは、芝浦工業大学 渡邉 大教授との産学連携から生まれた減衰力コントローラ「EDFC5」を強力アピール。
減衰力を走行条件に合わせて自動制御する従来の「EDFC」の概念をさらに進化。
ジャーク制御と呼ばれるそれは、これから先の走行状態をGの変化量から事前に検出し、例えば加速やブレーキの開始直後、曲がり始める直前、その後の走行状態に最適な減衰力に調整してくれる。
これによりシャープなハンドリングと高い操縦安定性はそのままに、より乗り心地を高める効果が期待できる。
しかもこれにはAI機能まで付いており、乗れば乗るほど学習し、その都度ジャーク制御が最適化されるという。
もはや自動車メーカーレベルの開発をアフターパーツに盛り込んできたTEINだが、注目すべきはこれがTEIN製車高調の全てに装着できる点にある。
果たしてどれだけのユーザーを獲得できるか?

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斬新な新車PRで話題のBYD Japan.

テスラに続いて中国のEVメーカーBYDが日本に上陸。
その日本法人であるBYD Auto Japanが東京オートサロンに初出展。
「X(クロス) TOKYO」をテーマに、映画「ブレードランナー」をイメージさせるサイバーパンクな展示ブースが刺激的。
モデルさんも、ファッションブランド「HAZAMA」が衣装協力したアンドロイドを思わせるスタイルでポージング。
出展車両も背景の”TOKYO”、”SHIBUYA”、”HARAJYUKU”に合わせたカラーにしたり、スタッフも無個性な衣装でまとめるなど、世界観にかなりの拘りが感じられた。
これまでの輸入車メーカーは販売ディーラーをそのまま持ってきたような展示ブースだったが、BYDの展開はまるで映画やファッションショーのプロモーション的発想。
その攻めたPRは、新参者である自分達の国内認知度を高めたいという願いがあるようだ。
BYDのEVは多くのメディアで高い評価を得ているだけに、PR効果の結果でどう転ぶか気になるところ。

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モーテックが魅せる配線レイアウト

自社製品の新たな見せ方を始めたメーカーブースも。
こちらはECU/電装系メーカーのモーテック。
むき出しのシャシーに、自社製品のECUやメーターなどを設置した配線レイアウトを見てもらう工夫をこらしてきた。
多くのシェアを誇りDIYユーザーも好んで使うモーテックだけに、この展示にはプロからアマチュアまで好評のようだった。

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シビックTYPE R-GTコンセプト

ホンダブースでは、FLシビックのスーパーGTコンセプト車両が初登場。
当時お話を聞いた担当者はどのクラスか聞いていないとお茶を濁していたが、事前のプレス発表ではGT500クラス参戦に向けたコンセプトモデルとの事で、現在のNSX-GTの後継となるようだ。
日産フェアレディZやトヨタGRスープラといい、GT500クラスはもはや新型スポーツカーのイメージ戦略の場となりつつあるようだ。

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エンドレスブース入場ゲートに設けられた除菌エリア
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人体に安全かつ非常に高い除菌、消臭効果が期待できるブロッケンウォーターの展示ブース

コロナ過のイベント開催だが、規制緩和されているためか多くのブースでは対応はバラバラ。
全くやらない展示ブースもあれば、一般的な検温、アルコール消毒、導線のコントロールに加え、空気中や衣服に付着したウイルス除去といった施策を行った所もあった。
海外のコロナへの認識も変わり、国内でも5類への見直しが検討されているが、それでも感染しないに越したことはない。
来場者が安心して観覧できるよう、大なり小なりこうした施策は続けてもらいたい。

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アウトドアカテゴリに初出展のレクサスブース

最近のトヨタグループは新車開発だけでなく、様々な視点からのビジネスを推し進めている。
これまでGRヘリテージパーツにレースカーの開発、販売、モータースポーツ参戦車両のサポート、実験都市開発、遊園地などで楽しめるモビリティの研究、富士モータースポーツフォレストの開発と見てきたが、今回はアウトドアを楽しめる車と、トヨタ86のリフレッシュプランという2つを新たに目撃。

まずアウトドアのほうはレクサスブランドやトヨタカスタマイジング&ディベロップメントから提案されるもので、トヨタ/レクサスの車にアウトドアで実用性の高いカスタマイズを施すというもの。
特にレクサスとしては初の試みのようで、今回の提案を元に様々な意見を集め、新たなビジネスの足がかりにしたいと考えているようだ。
そしてトヨタカスタマイジング&ディベロップメントだが、特装車開発を事業としているだけにこうしたカスタマイズはお手の物。
これまでも自分達の考えるアウトドア向け特装車を試作、展示してきたが、今までと違うのは利用者の意見を設計に盛り込んでいる点。
実用性を高めてきた事が、果たして来場者の目にどう映っただろう。

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先代ZN6トヨタ86のリフレッシュサービスがスタート

トヨタ86のリフレッシュプラン「86 Re:PROJECT」。
ZN6モデルの誕生から10年が経過しており、市場には様々なコンディションのトヨタ86中古車が溢れている。
そうした車を全国のGR Garageでリフレッシュ。
最期にトヨタ自動車のサービス工場内に持ち込まれ、最新のテスターにかけ、実際にテストコースを走らせて最終チェックするという豪華なメニューが用意されている。
リフレッシュ自体も様々なコースが選択できるようになっており、事前に行われる車両診断の結果のもと、お客様の希望、予算に合わせて決められるようになっている。
この「86 Re:PROJECT」。
トヨタ86を長く乗る事や、車自体に価値を感じる方なら魅力的に思えるだろう。
ただ残念ながら、兄弟車のZC6型スバルBRZは対象外。
そして現在はまだトライアル段階であり、GR Garge袋井でのみ行われているという。

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1991年にHKSが開発したF1エンジン。
当時のレギュレーションに合わせた3.5リッターV12NAという構成。
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これまでHKSが製品化したチューニングパーツの歴史

HKSブースでは、創業50周年を祝うミュージアムを特別開催。
これまでのHKSの歩みを見てもらうべく、過去のデモカーや開発されてきたエンジン、チューニングパーツが一堂に会する事となった。
谷田部最高速やゼロヨンなど、バブル期前から様々なステージで活躍してきたHKS。
そうして培ってきた技術、経験から送り出された製品の数々には、お世話になった方も多かったはず。

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BRIDブース
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スパルコジャパンブース

シートメーカーBRIDとSPARCOのブース。
昨年はコロナ過で試座が控えられたが今年は復活。
多くの方が気になるシートを試していた。
強豪メーカーのRECAROは残念ながら出展せず。
ただ後日にA-Pit東雲で開催されたフェアでは、RECAROの試座サービスが普通に行われていたので、気になる方はぜひ訪れてみてほしい。

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ホンダが提唱するバッテリー交換式の小型モビリティ
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レーシングチームTOM’SからはEVカートの楽しみ方を提案

こちらは久しぶりに開催されたオートサロンテックエリア。
EV、水素といった次世代モビリティが展示されていた。
オートサロン自体、チューニング・カスタムカーやモータースポーツ好きが多く訪れるため関心は薄いのでは?と思ったが、意外にも多くの来場者が来訪。
熱心に仕組みを尋ねる方から、電動カートの体験をしようと家族連れが詰め掛けていたりと様々だった。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
東京オートサロン(事務局)