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岐阜大学の挑戦 – 学生フォーミュラ2022チームプレイバック

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3年ぶりなリアル開催が叶った”学生フォーミュラ”。
物作りを学ぶ学生達の”甲子園”とも言うべき本大会へ各チームどのように臨み、どのような結果が得られたか?
今回は岐阜大学からエントリーの岐阜大学フォーミュラレーシング”GFR”をピックアップしてみた。

チームの結成は2005年と古く、今年で活動は18年目となる。
今回はさらなる高見を目指すべく、過去最高となる総合順位10位内を目標に設定。
そのためチームの底力をあげるべく、コミュニケーションと信頼をコンセプトにメンバー間の結束力を高めてきた。

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こちらが制作されたマシン。
全体的に軽量コンパクトなマシンに仕上げている。

エンジンはスズキのバイクGSX-R600用L9を縦置きに搭載。
シャフトドライブと、FCC製LSDであるFCCTRACを介して駆動輪に伝達される。
タイヤは外径16インチ、ホイールは10インチサイズを採用。
合わせてブレーキもアウトボードながら小型化されているため、バネ下重量も軽減されている。

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ステアリング裏にはパドルシフト用スイッチが見える

特筆すべきなのがローンチコントロールと電気式パドルシフトの搭載。
さらにフロントウイングとリアウイングを搭載して空力にも磨きをかけるなど、新たな技術開発にも積極的に取り組んでいる。

では大会結果を見てみよう。
事前に行われた書類提出、シェイクダウン証明提出、オンラインによる静的審査、動的審査では以下の結果となった。

ESA/ESO, SES, IAD, ESF, and FMEA:SES ペナルティ無し
デザイン審査:15位
プレゼンテーション審査:2位
コスト&製造審査:18位
シェイクダウン証明:承認
アクセラレーション:16位
スキッドパッド:6位
オートクロス:3位
エンデュランス:31位
燃費:未計測
総合:15位

静的審査の中では、特にプレゼン審査の2位が目をひく。
さぞ満足いく話が聞けるかと思いきや、担当者曰く心残りな気持ちのほうが大きかった様子。
なんでも、車両製作に追われてプレゼン準備に十分な時間を裂けられず、今回はプレゼン審査1位を取った先輩のフォローでなんとかまとめられたものの、”もっとこうしたら良かった”、”あそこがもうちょっと詰められた”と思い返す事が多かったという。

次に動的審査。
ドライバー2名体制で臨んだアクセラレーションとスキッドパッドでは、ファーストドライバーにマシンを合わせて思いっきり攻めてもらい、バックアップドライバーがきっちり結果を出す役割分担。
車両完成の遅れで練習不足だった面は否めず、さらに競技中に発生したマシントラブルで両ドライバーの完走も果たせず。
それでも役割分担が功を奏した事で、十分な結果を持ち帰る事ができた。

オートクロスでは、マシンコンディションの良さから優勝圏内な1分切りを狙ったものの、4つのセッションの中でベストタイムが60.018と惜しくも叶わず。
それでもベスト3入りを果たしている。
またチーム史上初進出となったエンデュランスでは、マシンを壊さないのはもちろんの事、タイムを狙って積極的にアタックしていくと強い意気込みでアタックを開始。
こちらも、マシンの調子が良かっただけにチームでは優勝圏内も期待されていたが、5Lap目に発生したマシントラブルで無念のリタイヤに。
マシンもチームもイケイケムードだっただけに、非常に悔しい結果に終わった。

車両製作の遅れはあったものの、全体的に攻めの姿勢が感じられたGFRチーム。
チーム全員、悔しさを隠し切れない様子で、今回発生したトラブル、問題点の解消や反省点を次に生かしていこうと、来年のリベンジを誓ってくれた。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
岐阜大学フォーミュラレーシング”GFR”
自動車技術会