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フォークリフトを除雪車として使えるアタッチメント「パワーブレード」

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北陸を中心に雪の多い冬となった2022年。 どこも自宅や道路の雪かき、除雪で大変な苦労を強いられている。 そんな時、もし近所にフォークリフトを持っている会社があるなら、このフォークリフトアタッチメント「パワーブレード」を試して欲しい。

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フォークリフトを除雪車へ変身させる(株)キャストのパワーブレード本体

これは、福島県に工場を持つ老舗鋳造部品メーカーである株式会社キャストが独自に開発、製造した製品で、これをフォーク爪本体に装着するだけで、フォークリフトを除雪車にとして使えるようになる。

福島県では年に数回大雪に見舞われる事があり、キャストではこれまで、フォークリフトに簡単なパレットを装着して除雪を行っていたという。
そうしていくうちにもっと効率の良い除雪が出来ないか?それなら自社の製造技術を使って作ってみようとなり、今回の「パワーブレード」第一号モデルが誕生した。

「パワーブレード」は鋳造一体構造。
強度と耐久性はかなり高い。
下部の刃は交換式となっており、刃が摩耗して接地面減ってしまっても、新品の替刃を装着するだけで再び使えるようになる。
本体に施される塗装も、雪が付着しにくいエナメル質のものが使われている。

興味深いのが、本体の重さとそれによる効果。
重量は替刃込で320kg。
これは結果こうなったという重さではなく、しっかりした除雪が出来てかつ、フォークリフトへ装着後の適度な重量バランスとタイヤ荷重が得られるよう計算された値となっている。
これにより新雪の上ではタイヤチェーン無しで走行でき、なおかつ路面を痛めるリスクも軽減させている。

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フォークリフトを除雪車へ変身させる(株)キャストのパワーブレード本体

一見すると形だけは真似出来そうだが、計算された重量と強度、耐久性、塗装技術を真似するのは容易ではないだろう。
仮に形だけ真似して商品化しても、それは強度も耐久性もなく、雪が付きまくって滑りやすいと、とても危険な代物になるはずだ。

実際の取付だが、キャストが規定するサイズの爪幅で、かつパワーブレード重量がフォークリフトの許容荷重を超えてなければ、どのメーカー、機種でも装着が可能。
アタッチメント本体奥までしっかり差し込み、付属のラッシングベルトや保護金具を使ってマニュアル通りに固定するだけ。
だいたい5分くらいで完了するという。
これなら、緊急時でも容易に対応出来そうだ。

他にも除雪だけでなく、土砂やスクラップかきなど、アイディア次第でオールシーズン活躍可能とある。

今回の「パワーブレード」は、キャスト初となる一般消費者向け製品。
これまで経験のなかった見えないユーザーを想定した開発は、安全性や使い勝手、形状に至るまで多くの試行錯誤が続いたという。
しかしこれだけ完成度の高い製品を作り出せたのは、技術以上に、雪国生活の中で経験してきた知見が生かされた結果のように思える。
それだけに、発売開始直後から注文が殺到。
地元だけでなく、同じ大雪に悩まされていた地域でも大変喜ばれているという。
久しぶりに”これぞ日本の物作り”と言える製品を見れた気がした。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
株式会社キャスト