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増えるヘッドアップディスプレイ情報と日本精機の対応

人とくるまのテクノロジー展2021の取材記事。
今回は日本精機株式会社で開発が進められている「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」について紹介する。
※本記事中の情報、画像の商用利用、無断転載を禁じます。

ヘッドアップディスプレイ(HUD)とは、フロントウィンドウに車速やナビゲーション情報等を投影するシステム。
ドライバーが前方視線を外さないまま様々な情報を確認できるため、安全運転に寄与すると欧米を中心に急速に普及が進んでいる。

日本精機では、1999年のシボレー・コルベットへの量産「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」搭載を皮切りに、今日まで20数年「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」開発に取り組んでおり、現在までにマツダ、BMW、GM、アウディ、メルセデス・ベンツ等で採用されるまでになっている。
※こちらからHUDの動画をご覧頂ける。

その強みとして主にあげられるのが、光学設計技術と精密加工技術。
まず車の運転に欠かせない情報を表示するだけに、どんな状況下でも歪みなく鮮明に表示させる事が大前提。
さらに、ヘッドアップディスプレイ(HUD)のキーとなる凹面鏡の精密さも重要となってくる。

そこで日本精機では、過去のノウハウを蓄積したシミュレーションソフトを用いて設計の効率化を図りつつ、太陽光の影響除去や車両の振動影響による像ブレの抑制といった独自技術を開発。
凹面鏡に至っては、設計から製造まで一貫加工体制により内製化する事で、高精度で高品質な製品作りを実現させている。

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2018年開催時の日本精機ブース

ところで最近の開発傾向を伺ったところ、表示情報の増加対応と小型化、軽量、省電力性能をあげてくれた。
軽量、省電力性能はハイブリッドカーや電気自動車の増加で特に求められている要素だが、表示情報の増加と小型化については、一見すると相反するように思える。
そこにはこんな背景があった。

近年発売される新型車を見ると、ドライバーに対して表示される情報量がかなり増えたように思える。
実際、車両の進化と共に必要な表示情報が増えつつあるようで、さらに日本精機では、先進運転支援システム(ADAS: Advanced Driver-Assistance Systems)等からの情報(ナビ情報や自動運転の設定情報、車両周辺情報等といった要素)表示に対応した製品開発まで進めている。

そうなると表示スペースの拡大も検討する事になるが、搭載スペースには制約も多いため限度がある。
そこで、限られたスペースを有効に活用する表示レイアウトや表示パターンを設計していく事になる。
もちろん、ただ表示要素を詰め込みだけではドライバーが見づらくなるので意味がない。
ドライバーに見やすく負担なく、大事な情報を瞬間認知できるものでなければならない。

これらは技術的にかなり難しいように思えるが、そこは長年自動車メーター開発をしてきた日本精機。
既に様々な解を見出しており、それによる提案を各自メーカーに提示して高評価を頂いているという。

もし何かの機会に「ヘッドアップディスプレイ(HUD)」搭載車を運転する事があれば、表示情報の増加に対して、どのような解が採用されたかを思い浮かべてみるのも一興だ。

【文 – 写真】
編者(REVOLT-IS

【オンライン取材協力 – お問合せ】
日本精機株式会社
人とくるまのテクノロジー展事務局

編者

REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。 サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。