布製タイヤーチェーン「イッセ・スノーソックス」の実力
布製タイヤチェーンと言えばオートソック製を思い浮かべる方も多いだろうが、昨年くらいから新たにイッセ・スノーソックスという製品が選択肢に加わってきた。
最先端の布製タイヤチェーンの性能はいかなるものか?
オンライン開催となった国際オートアフターマーケットEXPO2021にてお話を伺ってみた。
イッセ・スノーソックスは、スペイン、バルセロナのイッセ(ISSE)社が開発・製造する布製タイヤチェーンで、世界の数多くの厳しい規格をクリアしている。
もちろん日本のチェーン規制にも適合しており、BMW Japanでは純正アクセサリとしても採用されるほど高い信頼を得ている。
とは言え、布製と聞くとグリップしないんじゃないか?すぐ破れてしまうんじゃないか?とネガティブな先入観を持たれる方も多いかもしれない。
編者もその一人。
昔から金属製チェーンによる安心感を身を持って経験しているだけに、布と聞いて真っ先に怖さを感じたほどだ。
しかし説明を受けつつ様々なテストの模様を動画で見ているうち、意外と日本の今の車社会、生活環境にマッチしているかも?と思えるようになってきた。
その理由を説明していこう。
まずチェーンの本体重量。
一番大きなサイズでも1500g以下となっており、力に自信のない女性や子供でも楽に持てる重さに収まっている。
そしてコンパクト。
車載してもそれほど邪魔にならない大きさだ。
取り付け時はジャッキアップ不要で、本体をタイヤの上から被せていく感じではめ込み、その後、タイヤを半周程度ゆっくり動かしてから、残りの部分も同じように被せていけば装着完了となる。
この時点で装着位置が多少ずれていても問題なし。
そのまま走りだすと独自のオートセンター機能が働き、自動的に正しい位置に収まるようになっている。
もちろん走行中も、適切な位置のまましっかり維持してくれるので心配はないようだ。
※こちらのリンクから装着動画がご覧頂ける。
装着に要する時間だが、慣れない方でも約3分程度となかなかの早さ。
コツを掴めばもっと早く装着できるだろう。
こちらのリンクから装着
ちなみにフェンダーとタイヤとの間に一定のクリアランスが保持されているなら、スポーツカーやカスタムカーでも装着は問題ないとの事。
※こちらのリンクからクリアランスが狭い車向けの装着動画がご覧頂ける。
では肝心のグリップと耐久性はどうか?
簡単に装着できても、滑りやすかったり破れやすかったりでは意味がない。
布製タイヤチェーンは、スリップの要因となる雪や氷の上の水膜をチェーン本体に吸収させ、路面との摩擦係数を高める特徴がある。
イッセ・スノーソックスではその効果をより高めるため、表面は強靭な繊維を束ねた撚り糸を立体的に編み込み事で、従来の布製チェーンに比べてかなり厚みのある作りにしている。
これにより多くの水膜が吸収できるので、長時間のドライブでも問題なく走らせる事が出来るという。
水分の多い日本の雪道や、シャーベット状になりやすい都心の路面でもこれなら安心だろう。
またこの特徴にプラスして、アイスバーンなど水分が少ない雪道では路面に瞬時に貼り付くような効果もある。
これは独自の布繊維によるもので、その効果は、例えば冷凍庫から出した直後の氷に指で触れるとくっついてしまう現象があるが、それと同じ事が布製タイヤチェーンに起こると思ってもらえるとイメージが付きやすいだろう。
これにより金属製チェーンと同等か、それ以上の高いグリップ力が期待できる。
耐久性については、イッセ・スノーソックスの作りと構成、そして使われる布繊維(ポリエステル100%)が非常に耐性の高いものとなっており、競合他社と比較しての耐摩耗性テストでも3.5倍の耐久性が証明されている。
さらに真夏のアスファルト路面を80kmほど走らせても、大きな損傷もなく普通に使える状態だったという。
※こちらのリンクからドライ路面でのテスト動画がご覧頂ける。
これなら、曖昧な路面状況でチェーンを外すか悩む場面でも、そのまま走り続ける選択も取りやすくなる。
保証される走行速度も乗用車が時速40km、トラック時速30kmと十分な速度。
乗り心地よくロードノイズも抑えられているため、一般的なタイヤチェーンに比べて快適性も高いものとなっている。
さて、ここまで書くと万能選手のように思えるイッセ・スノーソックスだが、全てにおいて万能というわけではないようだ。
まず小石や砂利道には弱く、舗装されていない道路や駐車場で無理にハンドルを抉るなどすると、そこから穴が開いて破れるケースもあるという。
また、チェーン自体に多量に水分を含むため、停車したまま長時間放置しておくと凍り付いてしまい、その状態で再びハンドルを強引に切ってしまうとやはり破れの原因になってくる。
使用後はそのまま放置せず、一旦外すことを推奨したいとか。
まぁ取り付けも取り外しも容易なので、一時的な取り外しもそんなに面倒はないだろう。
使用後のお手入れは、中性洗剤で手洗いを行いそのまま乾かせばOK。
洗濯機でも洗えなくないようだが、繊維へのいらぬダメージが発生するかもしれないので、ここはやはり手洗いでじっくりやりたいところ。
しっかり手入れをすれば、年数回の利用で数年は使えるという。
日本の冬でもその性能をいかんなく発揮してくれるイッセ・スノーソックス。
現在、一般車用で2色、トラック向けで1色のモデルが販売されており、対応サイズも豊富に揃えている。
購入はこちらと、全国の主要なオートバックス店舗でも取り扱っているとの事なので、気になった方はぜひチェックしてみてほしい。
編者も次の冬シーズンには、当メディアのデモカー「トヨタ・セリカGT-FOUR(ST-205)」への導入を真剣に検討したいと思う。
【取材 – 文】
編者(REVOLT-IS)
【商品問い合わせ先】
イッセ・スノーソックス輸入代理店
株式会社フォーサイト
〒134-0086
東京都江戸川区臨海町3-6-4
ヒューリック葛西臨海ビル405
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【取材、写真協力】
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