カラフルなスバル・WRXのカスタマイズ集団
スビフェス2020の会場ではとてもカラフルな一団を目にした。
スバル、それもインプレッサWRXと言えばWRCラリーマシンの青系統を思い起こさせるだけに、なかなか新鮮で面白い。
なにより競技マシン特有の武骨なイメージが払拭され、まるで若者がお洒落に着こなすような、カジュアルでポップなストリートスタイルを感じさせる。
そして、これから紹介する2台のWRXもそんなイメージを持つ2台。
その完成度の高さもあってか、多くの方の注目を集めていた。
神戸の自動車内装張替え専門ショップ「Vi Tech」のデモカーとして置かれていたこの2台はオーナーカー。
赤いGRBはさっさん。
黄緑のGRBはせりぱん駄さん。
仲良しコンビのお二人が駆るこれら2台は、魅せるストリートカーとして多くの拘りが散りばめられている。
鮮烈な印象を与える赤黒なGRB。
ボディ全体はVARISのエアロキットで固め、ラアンスポーツのリアウイングにチャージスピードのボルテックス ジェネレータ、ウエストスポイラーがバランス良く装着されている。
内装は、専門店であるVi Techの技術がふんだんに盛り込まれている。
全てワンオフのインテリア。
ボディカラーとの統一感を意識した作りとなっている。
シート、ルーフ ダッシュボードの張り替えに、ワンオフ制作のカーボンパネルの取り付けにドアパネル加工。
そのワンオフ加工範囲はラゲッジルームにまで及んでおり、さらにFOCAL製K2オーディオが綺麗にインストールされており、アクリル加工で魅せる作りがなされている。
ここまで書くと見せるためだけのカスタムカーに思われるかもしれないが、どっこい走りの面もしっかり手が入れられている。
エンジン自体はノーマルながら、排気系にシムスのメタルキャタライザーと、カスタムショップピアレスでワンオフ制作した可変バルブ付きマフラーを装着。
サスペンションにはブリッツの車高調ZZ-R spec DSCと、オートプロデュースA3のボディ補強パーツを各所に装着している。
そしてダンロップ DZ102タイヤとADVAN Racing GTホイール(18×8.5j+45)が、このGRBの走りを支えている。
こちらは垢抜けた印象の黄緑GRB。
なんと奥様の愛車を、旦那様がコーディネートしているんだとか。
そのコンセプトは”見ていてワクワクするような車”、”とにかく目立つ仕様!!”とのこと。
車を見ただけでオーナーさん、作り手が一目でわかるような車を目指してカスタムに励まれている。
まず外装のカスタムは、カスタムショップピアレスの手によるもの。
ポルシェ911GT3 RS限定色のリザードグリーンで全塗装されたそのボディには、VARISのエアロキットとヘッドライト、GOLD PART加工されたSpyder Autoのテールライト、カーボン製リアウイングがそれぞれ装着されている。
こちらの内装は、専門店であるVi Techの技術でワンオフ制作されている。
ボディカラーと統一感が出るよう、パネル類は同じリザードグリーンで塗装。
純正RECAROシートやリアシートも本革総張替えを行い、さらに同系色をまとったオリジナルデザインになっているのが面白い。
写真ではわかりくいが、シートベルトも同系色で巻き替え、HANSのようなヘッドサポートが欲しいとこちらもワンオフで作られている。
さらに運転席側と助手席側のステッチ部には、奥様のご要望で某人気キャラクター「ガチャ〇ン」の配色を意識しつつ、色を黄色とピンクで区分けしている。
そしてドアパネルにはアクリル加工と各所にLED電装を施し、KickerとVenomのオーディオシステムにツイーターの埋め込み。
リアハッチ内にもウーファーが埋め込まれており、それらがアクリル加工で見せる作りが施されている。
もちろん走り面も抜かりはなし。
エンジンはノーマルながら、ブーストコントローラーにはオージーシステムのBCメッセンジャー、吸排気にTOMEI EXPREME Ti チタニウムマフラー、HKSレーシングサクションを装着。
パワーは300psくらいでセッティングされている。
増大したパワーを受けとめるべく強化クラッチの装着も忘れていない。
その車体を支える足回りにはHKS車高調のHIPERMAX Ⅳ、ブレーキディスクとブレーキパッドはディクセル製を選択。
ホイールはSSRのGTX02でフロント9.5J × 18+22、リア9.5J × 18+45のサイズ。
タイヤにMOMOのOUTRUN M-3をそれぞれ履きこなしている。
今回の取材車両ではないが、先の2台と似たようなコンセプトであろうWRXがもう一台いたのでご紹介。
こちらはイエロー系統でまとまっている。
黄緑、赤と並べると信号機トリオになりそうだ。
3台に共通する点で注目すべきなのが、フロントグリルから見えるホーン。
一般的に黒などの地味なカラーが多い後付けホーンだが、それぞれボディカラーとマッチさせた色のホーンを装着しており、他にはないオンリーワンな個性を演出している。
この2台は色は違えど、似通ったコンセプトでカスタマイズされている点が興味深い。
それはお気に入りの車で、お気に入りの車内で、お気に入りのオーディオで、お気に入りの走りで、いつでも気軽に気の向くままのドライブが楽しめるといったところだろうか。
サーキット専用車やイベント専用車としてではなく、ナンバー付きストリートカスタムカーとしての在り方を示しているように感じた。
生活環境の影響でシャコタンカスタムが困難、シャコタンにしなくてもカッコいい車を作りたい、そんな想いを持つ方々には良い指標になる事だろう。
機会があれば、隅々までじっくり見る事をお薦めする。
【文・写真】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力 – 問い合わせ】
せりぱん駄
Subie Fes Japan