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KWサスペンションの車高調評価

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今回から2回に渡り、タイヤショップ、自動車部品の卸売り、海外部品の正規代理店など多岐に渡り活躍されている橋本コーポレーションと、その主力取り扱いブランドであるKWサスペンションについてお伝え
していく。
まず今回は、実際にKWサスペンションの車高調を体感してみてのインプレッション。
どこにでもいる普通の一般人目線、実際の使用用途を見据えたうえで、編者が実際に感じた事をまとめてみたいと思う。

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(c) KW Japan / 橋本コーポレーション

まず簡単にKWサスペンションの紹介をしておく。
これはドイツのサスペンションメーカー「KW」のブランドで、街乗りからモータースポーツまで、世界中の様々なニーズに合わせたダンパー、サスペンションシステムをリリースしている。
その主な特徴として車高調整にネジ式構造、素材には耐腐食性の高いステンレス、伸縮独立のリバウンドダンピング調整機能がそれぞれ採用されており、その開発も、ドイツのニュルブルクリンクサーキット旧コースを使っての実走やサスペンションシミュレータの7ポストリグを使い、日常使いから通常ではありえない条件や負荷を与えてテストを行い製品を鍛え上げている。

そういえば老舗自動車メディア「CARTOP」とそのWEB版「WEB CARTOP」では、あのドリキン土屋圭市氏の手によるチューニング86のテスト、プロデュース企画が展開されているが、そのトヨタ86の足回りにもKWサスペンションが採用されており、土屋圭市氏からも高い評価が得られている。
そんなKWサスペンションの実力の一端でも垣間見る事ができれば。。。そう思っていたところ、今回の取材先である橋本コーポレーションのご厚意でその性能を試す機会を得る事ができた。

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場所は、橋本コーポレーション本社のある京都市街地のストリートと近くのワインディングロード。
車は社員さんのスイフトスポーツ(ZC32S)をお借りした。
この車にはKWサスペンションの車高調CLUBSPORT 2wayが装着されており、伸び側16段、縮み側12段のそれぞれ独立した減衰力調整が可能なようになっている。
普段の通勤の足と時々サーキットでも走れるようにと調整がなされていたが、多くの方がそのようなセッティングを好んでる事もあり、何も弄らずにそのまま走らせる事にした。

まずワインディングに向かう道中に感じた第一印象は、とても乗り心地が良い事。
例えば車の仕様を知らない人が助手席に乗っても、KWサスペンションの車高調が装着されている事に恐らく気付かないだろう。
このスイフトスポーツ(ZC32S)は、それくらい快適に感じられる乗り心地だった。
ギャップを通過する際のダンパーの動きも、ぎゅっと踏ん張り路面からの衝撃を徐々におだやかにいなしていく感じ。
室内に嫌な振動やノイズが発生する事もなく、乗員同士での会話やカーオーディオもストレスなく楽しむ事が出来た。

いよいよワインディング。
割と勾配のある道でアスファルトの痛みはそれ程でもなかったが、要所要所にうねりや1~2cmくらいの深い窪みといったギャップが点在しており、性能を試すには持ってこいの場所と言える。
発進。
オーナーさん曰く乗り心地重視のセッティングとの事だが、カーブではロールは発生するもののじんわりと荷重がかかり不快な感じがしない。
4輪はしっかり路面に接地しており、ペースをあげてもオンザレール感覚でクリアしていく。
曲がるための極端なブレーキ荷重も必要なかった。
突っ込み重視のほうが合っているかもしれない。

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驚いたのがギャップ通過時の挙動。
写真のような道をイメージして読み進めて欲しい。
一輪だけあえて深い窪み上を通過させてみたのだが、車体は安定方向のまま、窪みの上でもしっかりタイヤを接地させていた。
多くのスタンダードな車高調だと、この条件では車体全体が跳ねるかタイヤが浮き気味になりがち。
そのため走行中も無意識に衝撃に構えていたのだが、何事もなかったかのようにクリアしてしまい拍子抜けしてしまった。
カーブを曲がっている最中も同様で、タイヤが浮くことによるトラクションの逃げは感じられず接地感はしっかり伝わってきた。
まるで、虎や豹といった獣がその4つ足を自由自在に動かし、荒れた大地をしっかり踏みしめ駆け回っているかのよう。
これならサーキットはもちろんの事、群馬サイクルスポーツセンターのような道の悪いストリートコースでも跳ねを抑えられ、そのぶんしっかり踏んでいけるだろう。

ちょっと気になったのが、ステアリングの重さがやや軽すぎな点。
それをオーナーに伝えたところ、減衰力を少し変えてみましょうとアッパーマウント部に備わっているダイヤル値を変更してくれた。
そうして乗り始めたところ、ステアリングにしっかりとした重さ、手ごたえが伝わるようになってきた。
ここでも驚いたのが、重さは加わったもののダンパー自体の特性に変化がなかったこと。
ギャップ進入直後では固さが感じられたものの、ギャップ上を通過終了するまでタイヤがしっかり接地されている事が伝わってきた。

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本来ダンパーに求められる性能は、4つのタイヤをしっかり接地させる事と乗り心地、操縦安定性の向上にある。
現在、市場に出回っている車高調整式ダンパーの中には、コストや使用用途の違いもあるがいずれかの要素を犠牲にしているものもある。
KWサスペンションの車高調ならばどの要素も犠牲せず、それこそ純正ダンパーよりワンランク高い次元へ性能を底上げしてしまうだろう。
なにより伸縮独立の減衰力調整やヘルパースプリングとも絡めたバネレート、ラバーブッシュに至るまで、その調整範囲はとても幅広い。
とことん愛車のセッティングに拘りたい方なら、かなり楽しめるに違いない。

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【橋本コーポレーションでの取材風景】

さて今回はここまで。
次回記事ではKWサスペンションの国内代理店であるKW Japan / 橋本コーポレーションを紹介する。
こちらでは車好きな方に本当に良い商品を提供したいと、KWサスペンションを始め国内外選りすぐりの自動車用品を取り扱っており、通な方ならきっと唸らされてしまうだろう。
REVOLT-ISとしても新たな記事展開でお届けする予定なので、公開までしばしお待ち頂きたい。

※写真の著作権、モデルの肖像権はランナバウトヒーローズ、aiさんに帰属します。無断の転載、商用利用を固く禁じます。

【文】
編者(REVOLT-IS

【写真提供】
KW Japan / 橋本コーポレーション
ランナバウトヒーローズ

【モデル】
ai

【取材協力・問い合わせ先】
KW Japan / 橋本コーポレーション