20191116_ニッシン_ブレーキ_ドレスアップ_東京モーターショー_10

ニッシンが挑む高性能アルミブレーキとカラーキャリパー開発


東京モーターショー2019の取材記事。
創業から66年の国内老舗ブレーキメーカーであり、二輪、四輪問わず、国内外へ高性能、高品質のブレーキシステムを供給し続けている日信工業株式会社(以下、ニッシンと略す)だが、現在は新世代車両向けに軽量で高性能なアルミ製ブレーキの開発や、新たなシェア開拓として、カラーリングされたブレーキキャリパーの製品開発も行っている。
そのいくつかを見ていこう。

20191116_ニッシン_ブレーキ_ドレスアップ_東京モーターショー_01

20191116_ニッシン_ブレーキ_ドレスアップ_東京モーターショー_12

こちらがカラーリングが施されたブレーキキャリパー。

一般的にブレーキキャリパーと言えば、ホイールの影に隠れて見えにくい存在だが、カスタムカー乗りにとってはここも重要なドレスアップポイント。
スポーク系ホイールに変えてブレーキ自体を露出させ、ブレーキローターやキャリパーを大型にしたりこのようなカラーリングを施すことで、愛車の足元を際立たせるカスタマイズを行っている。
実際、カー用品店には、キャリパーを塗装する専用塗料まで販売されている。
だが下手なDIYや自家塗装だとすぐ剥げたりする事もあり、また汚れやキズも付きやすいため、色を維持させるのは結構難しかったりする。

だがそれをブレーキメーカーが、それも生産段階から着色するとあっては話が別。
このニッシンのカラーブレーキキャリパー。
素材はスチール製なのだが、そのスチール製キャリパーに塗装し、しかも3年以上持たせる技術を開発したという。
その3年という数字がポイントで、その先には自動車メーカーへの採用を視野にいれている。

現在はまだコンセプトの段階。
市場の反応が良ければ、量産化に向けて本格始動していく事になる。

このお話を伺った直後では愛車カスタマイズの方向は考慮されていないとの事だが、スチール製キャリパーへの塗装技術はその分野にとてもマッチングがあるように思える。
アフターパーツマーケットへの参入、もしくはブレーキキャリパーの持ち込み塗装サービスもぜひ検討して頂きたいと強く提案させてもらった。

20191116_ニッシン_ブレーキ_ドレスアップ_東京モーターショー_03

こちらはオールアルミ製のブレーキキャリパー。
用途はハイブリッドカーや電気自動車向け。
主な目的はバネ下重量の軽減にあるが、これに変えると、素人でもわかるくらい激変するとか。
だが従来のスチール製と違いアルミは柔らかく、開発初期段階では、スチールと同様の剛性を持たせるのにかなり苦労したという。
例えば、スチール製キャリパーとアルミ製キャリパーに対して同じ踏力を加えた場合、スチール製ではコの字が若干歪む程度でも、アルミ製キャリパーでは見てわかるくらいハノ字になってしまったという。
そこから製法、形状などを変えつつ何度も試行錯誤を重ねながら、ようやくスチール製キャリパーと同等レベルの剛性を確保するまでに至った。

20191116_ニッシン_ブレーキ_ドレスアップ_東京モーターショー_04 20191116_ニッシン_ブレーキ_ドレスアップ_東京モーターショー_05 20191116_ニッシン_ブレーキ_ドレスアップ_東京モーターショー_06

先のアルミ製キャリパー開発で培った技術は、他の製品開発にも生かされている。
例えばサスペンションアームやナックルなど、軽くしたいが強度も必要とされる箇所にもその技術は積極的に応用されている。

近年の車は昔に比べ相対的に重くなっているが、だからと言って車の性能が損なわれているわけではない。
それは、ニッシンのような部品メーカーが開発する軽量化技術のおかげで極端な重量増にはなっておらず、反対にトータルバランスを向上させているからなのだろう。

【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS

【取材協力 – 問い合わせ先】
日信工業株式会社
東京モーターショー事務局

編者

REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。 サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。