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新たな軽量ブレーキーローターへ – 人とくるまのテクノロジー展 2019

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昨今のEV、ハイブリッド化の流れは、同時に軽量化技術の追求という新たな流れを生み出している。
それらに共通して言えるのが、少ないエネルギーを効率良く使っていこうという事。

例えば、重たい荷車を押すのには大きな力が必要だし、そのまま押していると直ぐに疲れて動けなくなってしまう。
だが軽い荷車だと小さな力でも押していけるし、かなり長い時間押していけるはず。

ただでさえ昨今の新車は重くなる一方だし、それに加え電力を使う自動快適装備も次々と追加されてきている。
単純に考えても、モーターやバッテリーにかかる負荷はかなりのものになっているはず。

ならば、少しでも車体を軽量化してその負荷を減らすほかない。
軽ければ出足も良くなるし航続距離も伸びる。
なにより、負荷が減らすことでモーターやバッテリー寿命が延びる効果も期待できる。

そんな色々とメリットの多い軽量化だが、ここ人とくるまのテクノロジー展を見てまわると、各部品メーカーでは新素材の研究、既存技術をさらに発展させるなど、様々なアプローチで軽量化に取り組んでいる事がわかる。
今回はその中から、ステンレス製ブレーキローターの製品化に取り組む静岡のフジコーポレーションを紹介したい。

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株式会社フジコーポレーション
二輪、四輪のブレーキシステムを中心とした部品の開発、設計、製造までを手掛ける企業。
本社のある静岡県を基点に上海やベトナムへ拠点を築いたり、あの有名ブレーキブランドのブレンボ社とも技術提携を結ぶなど、国内問わずグローバルに活躍されている。
今や国内外の各大手メーカーに自社製品、OEM製品を多く供給するまでになっており、その技術、品質は高く評価されている。

そんなフジコーポレーション
昨今の時代に対する自動車メーカーからの要求に応えるべく、新世代ブレーキシステムの開発に着手した。
それがこのステンレス製ブレーキローターだ。

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これまで軽量ブレーキローターと言えば、チューニングカーやモータースポーツファンからはカーボン製を思い起こす方も多いはず。
実際、編者も最初はそうだった。
だが、カーボン素材は独特の技術や製法を必要とするし何より高価だ。
ローターの温度管理といった要素も加わってくるため、一般ドライバーにそこまでを求めるのは酷だ。
これでは量産車には向かない。

ステンレスならカーボンよりも低価格だし、なによりフジコーポレーションが培ってきた金属加工技術、インフラを使えるといった利点もある。
これだけでもかなり初期コストが抑えられるし、生産性も上がるだろう。
それでいてカーボン素材に匹敵する軽量化が得られるなら、自動車メーカーにとってかなり魅力的に違いない。
実際多くのメーカー関係者が高い関心を寄せており、具体的な話もチラホラ出ている様子だ。

現時点の開発状況としては、具体的な数値は教えてもらえなかったが、従来のスチール製に比べて大幅に軽量化が出来ているという。
またこれまでと同じような扱い方で、違和感なくブレーキ操作を行えるレベルまで到達しているとか。
ただ、品質や耐久性の面で製品化に向けた課題がいくつか残っているため、現在もトライ&エラーを重ねながら開発を進めている。

会場には1ピースタイプや2ピースタイプ、穴開きタイプといったブレーキローターが展示されていたが、これらは市場の反応を見たいがために展示用として作成したもの。
実際にはどれか一種類に落ち着くだろうが、作ろうと思えばどのタイプでも可能なんだとか。
もしどこかの自動車メーカーが純正採用してきたら、意外とチューニング系アフターパーツとしてもステンレス製ブレーキローターが出てくるかもしれない。
それはそれで新たな流れが出来て面白い事になりそうだが。

さて、最後にブレーキローターの軽量化、ステンレス素材のその他のメリットをまとめておく。
・ダンパーのバネ下重量軽減からくる乗り心地やハンドリングの向上
・錆ない。
・100%リサイクルが可能

自動車のさらなる性能向上、そして今の社会事情にもマッチするこのブレーキローター。
自動車メーカーが本採用となれば、開発はさらに加速するに違いない。
フジコーポレーション技術陣のさらなる奮闘に期待したい。

【取材 –文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)

【取材協力 – 問い合わせ先】
人とくるまのテクノロジー展事務局
株式会社フジコーポレーション

編者
REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。 サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。
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