RX-7基準で開発する冷却効率の高いラジエター、インタークーラー
東京オートサロン2019取材記事
まるでレーシングカーのようなマツダ・RX-7を展示していたダイワレーシングラボ。
こちらではこのRX-7を開発車両として、主にモータースポーツやチューニングカーの様々車種に対して最適な冷却性能を与えるため、専用に開発したラジエター、オイルクーラー、インタークーラーといった冷却系パーツを開発、リリースしている。
ダイワレーシングラボとは、広島県広島市に本拠を置く(株)大和ラヂエター製作所のブランド。
このRX-7は、冷却系パーツ開発を行うためのベンチマーク(基準)として選ばれた車なんだとか。
ただでさえロータリーエンジンは熱に厳しい。
それもレースやチューニングともなると、さらにシビアな状況に陥ることもしばしばだ。
そんなRX-7でパーツ開発を行い、厳しい環境下でも安定したクーリング性能を発揮させる事ができれば、他車の冷却系に対する要求水準もクリアする事ができる。
そう考えての事だという。
冷却系の配管に至るまで綺麗にまとめられたエンジンルーム。
エンジン自体はブーストアップで450馬力仕様とのこと。
問題の冷却系Assy。
一見するとラジエターとインタークーラーをV字に配置したVマウント方式に見えるが。。。。
バンパーダクトに仕切り板状のものが配されている。
ここだけ見ても、一般的にイメージするVマウント方式と明らかに違うのがわかるだろう。
このブーストアップRX-7に備わっていたのがこれ。
ラジエターとインタークーラーをパラレル(平行)マウントとしたキットで、前方のダクトから吸い込まれた気流が前述の仕切りにより二分割され、インタークーラー側、ラジエター側とで綺麗に別れるような構造となっている。
ダクト構造や配置、角度も細かい工夫が施されており、気流の流速を速め密度を高めるとともに、熱い空気は下から上へ上る特性を生かしてインタークーラーとエンジン側の排熱を早め、ラジエターには冷たい空気が安定して供給されるという。
開発期間は約2年。
そのかいあってか、真夏の岡山国際サーキットを10周全開アタックしても水温は90度をキープ。
常に安定してアタックが続けられたそうだ。
ご承知のように、最近の日本の夏は灼熱と言っていい。
そんな中をRX-7で全開タイムアタックなんて、ノーマルカーではせいぜい1~2周がいいところか。
ペースダウンしないと水温の急上昇、熱ダレ、パワーダウンであっというまに調子を崩し、エンジンを壊してしまうことも。
街乗りでさえ水温が110度近くいったなんて話もあり、長くRX-7オーナーをされている方の中には、夏場は乗らないと割り切る方もいるくらいだ。
そういった背景からも、ダイワレーシングラボの開発した冷却キットがどれほど優れているかがおわかり頂けると思う。
前述の通り、真夏の街乗りだけでもシビアな環境下に晒されるマツダ・RX-7。
いつでもどこでもRX-7に乗りたいオーナーさんなら、冗談抜きでこちらやVマウントキットのように、ラジエターとインタークーラーを分ける方式を強く勧めたいそうだ。
ブーストアップRX-7で開発されたノウハウは他車種向けにも存分に生かされており、今現在、30車種ほどのラジエター、インタークーラー、オイルクーラーをラインナップしている。
自分の車種の製品がない、拘り派には、汎用オイルクーラーの用意やカスタムオーダーも受け付けている。
車の仕様、普段の乗り方や楽しみ方を伝えることで、最適な冷却パッケージを提案してくれるそうだ。
【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)
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ダイワレーシングラボ