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東京オートサロン2019

20190118東京オートサロン

東京オートサロン2019取材記事

車好きにとってもはや好例イベント。
チューニングカー、カスタムカー、そしてモータースポーツの祭典である東京オートサロン2019が、今年も盛大に開催された。
3連休を挟んだこと、そして天候の大きな崩れがなかった事もあってか、三日間を通し過去最多である33万666人もの来場客が訪れた。
今年はどんな内容でどのような傾向があったかなど、REVOLT-IS視点でイベント風景をご紹介していきたい。

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やはり一番の注目は、17年ぶりに復活を遂げたトヨタ・スープラ(A90)だろう。
トヨタブースにはテスト車両と、2020年スーパーGT参戦発表に合わせて制作されたコンセプト車両が展示されていた。
デザイン面、BMWとの共同開発に否定的な意見も多く、このA90型スープラがどこまで市場に受け入れられるか心配だったが、いざ発表されてみると若い方を中心に好意的な意見が多く、良い意味で驚いた。
他メーカーのフラグシップモデルに比べ価格面も驚くほど高くない事からも、日本市場でも比較的受け入れやすいかもしれない。

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スープラ以外で気になったのが、新型クラウンやジムニーのデモカーの多さ。
例年、昨年の新車をベースとした展示車両を作成し、反響を探っていこうという流れはあったのだが、そこへセダンとRVを持ち込んできた。
もちろん全てが速く走るためのものではないだろうが、それぞれのメーカーがどのような方向性でセダンやRVを弄るのか、ちょっと興味深いところではある。

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スポーツと言えば、ホンダ・シビックTypeR(FK8)は外せない。
登場から1年以上経過したが、各チューニング系メーカーでもパーツ開発、リリースが順調に進んでいる様子。
そもそも車自体がほぼ完成系と言えるだけに、そこから弄るのは至難の業。
話を聞く感じだと、重箱の隅をつつくようなパーツ、ドレスアップパーツ、そして街乗り含めた汎用性を捨て、方向性を絞ったパーツ開発が中心となっている。
オーナーさん自身、車を弄る方向性をしっかり固めておく必要がありそうだ。

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外車では、やはりランボルギーニやフェラーリといった誰もが憧れるスーパーカーに注目が集まった。
特に、こちらのリバティーウォーク前。
車の展示場と言うより、まるでファッションブランドのようなカジュアルさを醸し出していた展示ブース。
DJプレイも楽しめたりと、とてもよく考えられていた。
リバティーウォークが送り出すコンプリートカー、エアロキットは世界からも熱い注目を浴びており、車好きな若い子の間でも多くのファンを持っている。
それもあってか会期中、本当に多くのファンがブース前へ殺到していた。
今年も、この勢いは留まることはなさそうだ。

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日本発チューニングカーを求め、今や海外からも多くの来場客が訪れる東京オートサロン
ここ、トップシークレットブースに大量に配置されたGT-Rは全て販売車両。
1000馬力級のモンスターマシンから、スタンダード280馬力級で綺麗にレストアされた車両まであり、購入希望者の予算やニーズにあったGT-Rが選べられるようになっていた。
この試みは昨年も行われており、東南アジア圏の富豪がBCNR33とBNR34の2台をキャッシュで購入したなんて話も。

今やGT-Rは日本が誇る世界ブランド。
そんなブランドの、それも完成度の高いチューニングカーが手に入る機会とあっては、ここへ世界中の車愛好家が食指を伸ばすのも頷ける。

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MFゴースト
大ヒット走り屋漫画”頭文字D”の数年後の未来を描く作品とあって、連載開始直後から話題をさらっている。
そのMFゴーストも、今回、東京オートサロンへ出展。
劇中の名シーンの数々や、主人公”カナタ・リヴィントン”が駆るトヨタ・86をイメージした実車が展示されていた。

現在、劇中で開催されているモータースポーツイベント”MFG”のルールに沿って実際にチューニングされたトヨタ・86のプレゼント企画が開催されているという。
気になる方は、MFゴースト公式サイトへアクセスしてみてほしい。

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もはや、第二の東京モーターショーとしても認知度を上げている東京オートサロン
各自動車メーカーが自慢の新車も持ち込む中、マツダは発表されたばかりの新型マツダ・アクセラ(海外名称:マツダ3)を満を持して登場させた。
新発想のスカイアクティブエンジンに注目が集まるところだが、マツダデザイナー陣が新たなデザイン基準構築を狙って作りあげたボディデザインにも視野を広げたいところ。
特にサイドのデザインラインは、光の当たり方で様々な色あいを見せてくれた。
訪れた多くの来場客にも好意的な反応だった事もあり、販売開始からのセールスも好発進が期待できそうだ。

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毎年、様々なビジュアルと演出で来場者を楽しませてくれる日野自動車
今回は、テレビアニメ”Zガンダム”や”ヤマト2022”などでメカデザインを手掛けてきたイラストレーター”小林誠”氏とのコラボレーションが実現。
展示されたトラック”プロファイア”と”レンジャー”の至るところに、氏が監修したグラフィカルデザインのデカールが施されていた。
その外観は商用車感を感じさせず、どちらかと言えば明るくカジュアルな雰囲気。
運転席に座れるとあって、主に家族連れで長い行列を作っていた。

このように業界外から専門家を招き入れて車を仕上げた例は過去にもあったが、トラック業界では珍しいところ。
近年の日野自動車の取り組みはとても面白い。

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テレビアニメ”ゆるキャン”の効果も相まってか、近年はキャンプ熱も熱いという。
東京オートサロン会場でも、ワンボックスカーや軽トラックをキャンピングカー風にカスタムした車が何台か展示されていた。
そんな中、こちらのオートバックスブースでは、写真のようなカスタムワンボックスカーや、プライベートブランド”ゴードンミラー”からリリースされているオシャレな洗車、DIY用品が数多く展示されていた。

近年のオートバックスはチューニングやドレスアップだけでなく、多種多様なカーライフを提案していく取り組みを行っている。
今までこんな楽しみ方をしてきたが、たまにはあんな楽しみ方もしてみたい。
オートバックスなら、ワンストップでそんな要望も実現してくれそうだ。

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市販車だけでなく、スーパーGTスーパー耐久、そしてこちらのスーパーフォーミュラといったモータースポーツ車両の展示も楽しめる東京オートサロン
特にスーパーフォーミュラは、今年新たな車両が導入される。
この車両には、昨年F1で導入された安全デバイス”HALO”も採用されている。

そんな初物尽くしで迎える2019年。
オフシーズンテストで得られるデータは、例年以上に重要となってきそうだ。
各チーム、限られた時間で最善を尽くそうと、開幕ギリギリまで調整を進めていくそうだ。
果たして開幕ダッシュを決めるのはどこのチームだろうか?

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東京オートサロン名物と言えば、トヨタ東京自動車大学校NATSといった、自動車系学校の学生達の手によるカスタムカーをあげる人も多いだろう。
それらは既成概念にとらわれない自由な発想で作りあげられており、見る者をとても楽しませてくれる。
制作秘話、年末年始返上、時には学校へ泊りこむといった苦労など、興味深いお話も盛りだくさん。
最近の東京オートサロンをマンネリに感じている方には、ぜひ訪れてほしいブースだ。
今年の学生達の作品は、SNSなどで随時アップしているのでそちらをチェックしてほしい。

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2019年開催が叶わなかったWRCラリージャパン
東京オートサロンでは2020年こそ招致を実現させようと、開催地候補である愛知県の各地方自治体がぞれぞれブース出展を行い、盛んなPR活動を展開していた。
また別途記事にするが、どこの自治体も、2019年開催がほぼ確定だと聞かされていただけに落胆したそうだが、準備不足などの問題もあがっていたそうで、実際は不安要素も大きかったという。
そのため今では、より時間をかけて準備を行う事ができると前向きに捉えているそうだ。
成功を心から願っている。

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チューニングパーツに目を向けている。

今やエンジンパーツも、海外メーカー製のものが国内に多く入ってきている。
一昔前と比べエンジンチューニングをオーダーする層はとても少なくなったが、それでもタイムアタックやドリフトのほうでニーズがある様子。
低価格で高性能なパーツを求めるとなると、やはり海外メーカー製となるようだ。

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面白いのが、海外の日本車チューニングを好む層は日本製パーツを求める方が多いそうだ。
品質の良さで日本製が海外に認められてきたのもあるだろうが、どちらかと言えば、我々日本人が海外ブランドを求めるのと同じ感覚に近いと思う。

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愛車カスタムの第1歩であるアルミホイール。
今年も各ホイールメーカーが、様々なデザインのホイールを展示していた。
会場では、気になったアルミホイール前で雑談が盛り上がる光景も多々見られた。
きっと、このホイールを愛車に履かせたらどんな感じになるか?そんな妄想が膨らんでいたに違いない。

そういえば話題の90スープラだが、ホイールのPCDが112mmの5穴という。
日本車では当然初。
果たして履けるホイールがあるのかと懸念が頭をよぎったが、よくよく考えたらBMWなどのドイツ車もPCD112mm-5穴を採用しているという。
であれば、選択肢はユーロ系ホイールか?
意外と面白いホイールカスタムが見れるかもしれない。

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ホイールだけでなくタイヤメーカー、アジアンタイヤ代理店も積極的な商品展開をしていた。
そういえば、アジアンタイヤと言えばドリフトのイメージが強いが、もちろんそれだけでなく街乗りタイヤもラインナップしている。
ただ、ネットのレビュー記事はスポーツ性能やドリフトの感想ばかりで、街乗りの感想はなかなか見つけられない。
アジアンタイヤの拡販をしたい想いはあるようだが、それなら猶更、街乗りでの多くの感想が欲しいところだ。

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ハイテク化の一途を辿る近年の新車達。
あまりの縛りの多さにサジを投げる話も聞くが、それでも時代に合わせたチューニングパーツ開発は懸命に続けられている。
こちらRS-Rでは、純正採用の電子制御ダンパーに対応させたパーツを数多くラインナップしており、車高を落としたい、もっと好みの乗り味に近づけたい方にPRを行っていた。

こういった電子制御系パーツは、解析もでき、ハードもしっかりしたものが出来れば、ボタン一つで走行中のセッティング変更も自由自在で大きなメリットと言えるだろう。

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やはり社外シートは座って確認したいところ。

老舗シートメーカーであるレカロスパルコ、そしてこちらのBRIDEでは、自社製品を実際に座って感触を確かめてもらうコーナーを設けていた。
純正シートは誰でもある程度座れるような設計なため、座り心地やホールド性に拘る方だとどうしても不満が出る。
そのため社外シートは、それぞれの体格に合わせて様々な形状のものをラインナップしており、幅広い要求に応えられるよう努めている。
好みに100%あったシートのホールド性と乗り心地は、とても病みつきになるそうだ。
この機会にぜひ拘ってみてほしい。

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前述のように、日本市場へは海外メーカーも多く参入しているが、今回のように中国側単体でブース出展する例は珍しい。
そういえば、日本の各チューニングショップが管理しているfacebookページには、中国や台湾といったアジア圏のチューニングパーツメーカーからの売り込みがあるという。
それだけ日本市場を重視しているという事か?

ヤフオクなどで販売されている車高調の多くはアジア圏のメーカー製だが、車種ラインナップが幅広く、実際に購入された方も多い事だろう。
だが、その他の商品はどうだろう。
品質も懸念しがちなとこだが、今や多くの日本製品は中国で製造されているものが数多く存在する。
そういったところから日本基準の品質を学んでいたとしたら、、、
意外と問題ないかもしれない。

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今や様々な自動車グッズを目にするようになった近年。
こちらのランボルギーニ・ウラカンやシボレー・カマロをデフォルメした子供用リュックやカートを始め、パソコン用マウスやモバイルバッテリー、USBデバイスまで車をモチーフとしている。
家族で車を楽しみたい、仕事でも車を感じていたい方が多いのだろう。
ここのブースだけでもかなりの来場者が殺到しており、自分へのご褒美、贈答用、子供たちへのプレゼントを買い求めていた。

これで自分の愛車のグッズがあれば、オーナーさんは狂喜乱舞間違いないだろう。
オリジナルで作ってもらう術はないのだろうか?

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さて、今年の東京オートサロンは、来場された方々にどのように映っただろうか?
個別に取材させて頂いたブースについては、別記事で詳しく紹介していくので楽しみにして頂きたい。

大きな変革期を迎えようとしている昨今の自動車業界だが、チューニングカーやカスタムカーで生業を持つ企業、ショップの多くは、これまでのビジネスターゲットだけでなく、他地域や他分野、そして海外へと需要を求めて展開しようとしている。
この動きが、2020年開催の東京オートサロンでどのような変化を生み出しているか?
取材活動を通して、今年も注視して行きたいと思う。

【取材 –文 – 写真】
編者(REVOLT-IS

【取材協力 – 問い合わせ先】
東京オートサロン事務局