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第2世代GT-R部品再販、ヘリテージプログラムの現状

20181219_日産ヘリテージパーツ_GTR_部品再生

ニスモフェスティバル2018開催直前、第2世代GT-Rの純正部品再販を行うNISMOヘリテージパーツプログラムに、これまでのR32に加え、R33とR34へも拡充するというニュースが飛び込んできた。

当面予定がないと言われていたR33とR34だったのに。。。きっと、大きな反響と売り上げがあったに違いない。
そう思っていたのだが、今回お話しを伺ってみると、我々側に大きな誤解がある事がわかった。
そのあたりを訂正しつつ、あらためてこのプログラムの本質を探ってみる。

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NISMOヘリテージパーツプログラム
ざっくり解釈すると、NISMO(それをサポートする日産や他の協力会社も)が現在も使えるインフラ、生産設備を使い、制作できるパーツから販売していこうというものだ。
あくまでやれる範囲内でパーツ製造、販売を行うだけであり、例えばパーツ新造のため、新規に金型や工作機械など作ることまではしない。

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名車GT-Rとは言え、R34でさえ生産終了してから16年が経過している。
当時の生産設備がどこまで残っているか怪しいもの。
そこへ、パーツ新造のため失われた金型や工作機械と同じものを用意するとなると、結構な金額が動く。
それは、新たに車を生産するのと同じ規模感だ。
自動車メーカーならともかく、NISMOのような子会社ではとうてい賄えないだろう。

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本プログラムがR32、R33、R34と段階的に拡充されたのも納得がいく。
そもそも今回の拡充計画は、当初から予定されていた事らしい。
まずはR32だけで進め、準備が出来次第R33、R34とサービス展開を開始する予定だった。

いきなり第2世代GT-R全てのパーツ製造、販売ともなると、NISMOの多くの力を注ぐ必要がある。
当然他の業務、サービスに支障をしかねない。
そこでR32だけで始めながらちょっとずつ基盤を固め、プログラムを軌道に載せていきながら段階的に広げていこうという事なのだろう。

一部のGT-Rオーナーからはパーツ単価が高いとの批判的な声も頂いているが、自動車メーカーでやっていた事をNISMOのような子会社がやろうというのだ。
少人数小規模体制で、かなりの手間暇をかけていることは想像に難くない。
なにより原材料費、流通コストといった面を考えても、当時と価格がまるで違う。
現在提示されている価格は、時代を考えると案外適正なのかもしれない。

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このプログラムが経過して1年が経過したが、残念ながら大きな売り上げには繋がっていない。
ただ興味深い動きもあったという。

GT-Rを長く維持しようというオーナーが増えつつあるというのだ。

これまでパーツ不足もあり、修理が困難で乗り換える方が結構いたらしいが、パーツ供給に不安が無くなった効果が出ているのもかもしれない。

近年、GT-Rなど中古車市場で人気の名車オーナーを見ていると、パフォーマンスをあげようというチューニングよりも、その車本来の状態を維持していこうという流れが目立つ。
愛車を長く乗っていこうにも、パーツがなければどうしようもない。
特に愛車を長く大事にしていきたいオーナーにとって、中古パーツでは信頼がおけないだろう。

今回のNISMOヘリテージパーツプログラムは、そういった方々への保険的な役割を帯びる事になりそうだ。

【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS