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警察公認の浅間ヒルクライムで公道全開

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浅間ヒルクライム
ヒルクライムとは丘を登るという意味で、国内外の名車、旧車、スポーツカー、そしてレーシングカーが公道を走れる日本で唯一のイベントとして、今、車好きの間で注目を集めているヒルクライムイベントだ。

海外では一般的な車文化として定着しているヒルクライムだが、こと日本では数年前まで馴染みが薄かった。
特に警察や行政側は、公道でのモータースポーツイベントにはまず良い顔をしない。
特に前例がない事にOKを出さないことは、よくある話だ。

だが、主催である星野 雅弘氏を発起人とした多くの方々の尽力もあり、様々なやり方で少しずつ実績を積み重ねていき、ようやく公道封鎖の許可を得る事に成功。
そのおかげでナンバーなしの車も走れるようになり、より盛り上がりを見せるようになってきた。

もちろん、公道封鎖とはいえ一定のマナーやルールは存在するが、それでも、公道で自分の愛車を思いっきり走らせる機会はそうないだろう。
昨今SNSの普及で、公道で愛車を思いっきり走らせようにも、誰かが通報、ネット拡散をして警察の目に留まり逮捕。。。なんて話も良く聞く。
もちろん違法は良くないが、せっかく仕上げた愛車を思う存分走らせる事ができず、ストレスが溜まっている方も多いはず。

そんな方々に、新たな車の楽しみ方としてぜひ浅間ヒルクライムを提案したい。
イベントの模様を紹介していきながら、その魅力を伝えていきたいと思う。

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メイン会場は、今年から群馬県嬬恋村パルコールつま恋リゾートホテルへ移動。
ラリーファンならば、全日本ラリー選手権モントレー in 嬬恋のメイン会場としてもお馴染みの場所だ。
走行コースも長年のチェリーパークラインから、浅間山を中心とした大パノラマを堪能できる絶景ドライブコースであるつまごいパノラマラインへ変更されての開催だ。

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このような公道を、普段見ることがない車やレーシングカーが駆け抜けていく様がどのような感じか、期待に胸が膨らんでしまう。

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こちらは走行車両が鎮座するサービスパーク。

噂通り2輪、4輪、旧車、新車、フォーミュラカーまで本当に様々なカテゴリーが集結している。
どちからと言えば外車の割合が多い印象を受けたが、国産でも、オリジナルのボディを被せたマシンや、往年のモータースポーツ車両を模したレプリカ、若い頃に乗っていたであろう懐かしい車、ジムカーナ車両までエントリーしている。
取材当日はイベント2日目だったため事故をした車両がないか心配したが、その心配も杞憂に終わり、どの車も健在。
最終日も思いっきり楽しもうと、どの参加者も笑顔で準備を行っていた。

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走行前のドライバーズミーティング風景。
メディアも参加必須と言われたので、撮影がてらこちらもお邪魔させて頂いた。

浅間ヒルクライムは注目が高くなるにつれ、参加台数も増加。
そのせいか、参加者のモラルやマナー違反、そして走行中の事故も増えてきたという。
こういったことやナンバー無し車両の公道走行についてなど、様々な点で細かい注意や説明を受けた。

初日はギャラリーの前で禁止事項のドーナツターンを決めた車がいたり、二日目早朝には、ブラックマークを付けつつの練習走行らしき車もいたそうだ。

身勝手なふるまいは、せっかく根付いてきたヒルクライムイベントを中止に追い込みかねない。
公道を走れる貴重なイベントだし、参加者自身も、率先して協力していってほしいところだ。

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ドライバーズミーティング後、道路封鎖時間の直前だと車が混む可能性もあったので、急いでパノラマラインのギャラリーステージへ。
今回、パノラマラインの愛妻の丘が唯一のギャラリーステージとなっており、取材で訪れたメディアも、ここだけ撮影OKと専用のメディア向けスペースを指定された。
正直、コース内の色々な場所を回れるものと思っていたが、近年の事故を考えると致し方ないところか。

カメラチェックをしていると、封鎖前だった事もあり、多くのドライバーがドライブを楽しみながら駆け抜けていく。
ここをどんな感じで参加車両が走り抜けていくのか?
いつでも逃げれる準備もしつつ、お客さん数名と談笑しながら、今か今かと開始時間を待った。

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いよいよ道路封鎖。
そして競技開始だ。

まずはパレードランという事で、群馬県警のパトカー先導のもと、パノラマラインを全ての参加車両がゆっくり走りぬけていく。

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ギャラリーも登場を待ちわびたとばかりに手を振り、参加ドライバーやライダー達も手を振りながらそれに応えていく。
中にはハイタッチをする者も。
まるで、マラソンや駅伝競技を見ているような光景だ。
”あれはあの車でこういう歴史を持つ”とか、”あのバイクはいい音するな”、”あの車はなんて名前だろ?”といった会話もギャラリーの間で交わされており、パレードランだけでもかなり盛り上がってきた感がある。

だが本番はこの後。
果たしてどのような走りを見せてくれるか。。。

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いよいよ本番開始。
時にタイヤを慣らしながらスライド気味に走る車両もあれば、あくまでマイペースで走る車両もあり。
基本はジムカーナ競技のように1台ずつの走行なのだが、時にペースを落として2台編成でギャラリー前を走りぬける車両もあり、我々をなかなか飽きさせてくれない。
皆、思い思いでその場を楽しんでいる印象だ。
ギャラリーも笑顔でその走行を見守っている。

ちなみに、このアタックはスピード無制限というわけではなく、一応は競技。
決められた基準タイムにいかに近づけられるかで、勝負が決まるシステムとなっている。
どこでも速いだけでは、優勝を狙えないのがポイントだ。

しかし間近で見る走りは、かなりど迫力。
思わず仰け反りそうな車両もあった。
そのスピード感は、言葉で語るよりもこちらの動画を見て頂いたほうがいいだろう。

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走行を終え、メイン会場へ戻ってきた参加車両達。
その後は、ナンバー付き車両のみによる嬬恋村パレードが待っているため、少しの休憩のあと、対象のナンバー付き車両は再び会場を発っていった。
パレードランの様子も貼りつけておく。

ちなみにナンバー付きながら、騒音の関係で嬬恋村の人たちに迷惑を掛けられないと、キャンセルを申し出た車両もあったという。

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その間、会場では、ゲストアーティストのライブや、嬬恋村が地元の食材を使った料理や名産品の販売などを行っていた。
現地の方の温かいおもてなしにも触れ、身も心もすっかり温まった感がある。
モータースポーツイベントは、車だけでなく、こうした地方ならではのものを体感するのも楽しみの一つだ。
嵩張らなければ、嬬恋村名物のキャベツをお土産に買って帰りたかったところだ。


浅間ヒルクライムではこのあとパーティーなど催されていたが、編者は次の予定も控えていたので、ここで取材終了とさせて頂いた。

少しの合間で参加者数名から話を聞いたが、”とても楽しめた!!”、”手を振ってもらえてうれしかった””という声もあれば、”直線ばかりで、昨年よりはつまらなかった”という声もちらほら。
こればかりは、それぞれの車、ドライバーの楽しむスタイルやスキルが違うため、一概にこれが正しい、これが間違いとは言い切れない。
実際、昨年よりは安全性が高まったように感じられるが、安全性を追求しすぎると、モータースポーツのスペクタクル性という魅力を大きく損ないかねない。
それなら競技ではなく、パレードランオンリーにすべきだろう。
こういった様々な声を生かし、上手くバランスを取りながら次回以降の開催に繋げていって欲しいと願っている。

【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS

【取材協力 – 問い合わせ先】
浅間ヒルクライム