EVの時代がいよいよ来ているように感じさせられた人と車のテクノロジー展2018会場。
様々な部品メーカーが新世代EVに向けた部品を展示している中、自動車用バネ開発の老舗である日本発条では、興味深い製品を展示していた。
これらは板バネなのだが、それぞれ素材が違う。
上からスチール製、ガラス繊維製、カーボン製となっており、面白いことにバネ定数はそれぞれ全く同じだという。
実際会場で持たせてもらったのだが、スチールとガラス繊維はズシリとくる重さを感じたのに対し、カーボンはほとんど重さを感じさせず、軽々と持ち上げられる事が出来た。
本当にあの重い車体を支えられるのかと不安になるくらいの軽さで、これはかなり驚いた。
バネ下重量の軽減は、車体の運動性能や燃費に好影響を与える。
例えば、普段自分が履いている靴を軽いものに変えた時の事を想像してみてほしい。
恐らくスチールバネからカーボンバネに変えただけで、まるで別の車体に乗っているように感じるはずだ。
これなら余計に電気を使うこともなく、効率の良く駆動力に変換してくれるだろう。
ちなみに板バネは現在もトラックや一部商用車で使われているし、あのシボレー・コルベットにも採用されている。
現行車両にカーボンの板バネを採用するとどれだけの効果が出るか、一度体感してみたい気がする。
一般的によく知られているこの巻きバネ。
写真左からカーボン製、中空バネ、スチール製となっていて、上述の板バネと似たような展示内容となっていた。
もちろんどれもバネ定数は同じだ。
そしてこれも持ってみたのだが、やはりカーボン製は本当に軽い。
えっ?と思わず声が出てしまう程で、スチール製、中空性との差は歴然。
これらもEV車だけでなく、ぜひ現行車に取り付けて比較体験してみたいものだ。
他にも中空スタビライザなど、性能を維持しつつも従来より軽量なバネ開発に積極的に取り組んでいる日本発条。
まだ開発コストの問題もありカーボンバネの普及には時間がかかりそうだが、こうした製品が、今後登場するどの車に採用されるか非常に楽しみだ。
願わくば、アフターパーツとしてカーボンバネも制作して頂けるとチューニングカーファンも楽しめるのだが。
例えばRS-Rから販売するとか。。。
【取材 –文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力 – 問い合わせ先】
日本発条