国内のポルシェチューニングで高い実績を誇るクレフモータースポーツ。
そのクレフモータースポーツが、これまでのポルシェチューニングやモータースポーツ活動で培った技術の粋を集めて作成したデモカーがある。
それがこのポルシェ・ケイマンGT4だ。
昨年2017年に自動車雑誌ゲンロクの長期連載企画で登場した車なので、ご記憶の方は多いと思う。
このデモカー、公式ブログによれば、富士スピードウェイでのタイムアタックでは、ラジアルタイヤで1分51秒18を記録。
Sタイヤでも50秒台にも入れているという。
そのタイムはGT3と肩を並べるほどで、驚異的なスペックと言えるだろう。
スーパー耐久やプランパンGTでも、クラスによってはそのままレースができそうだ。
どんな凄いチューニングが施されているのかと好奇心が膨らむところではあるが、実際の仕様を見てみると、これが結構意外に感じられるものだった。
【エンジン、排気系】
IPD プレナム ビッグスロットル
COBB アクセスポートチューニング + クレフモータースポーツ オリジナルマップ
BMC エアクリーナー
Armytrix スポーツ触媒+バルブ付スポーツマフラー
【サスペンション】
QUANTUM T5-RS 1way アジャスタブルサスペンションキット(ハイパコスプリング)
TARETT GT4クラブスポーツ ピロボールサスペンションアーム
【ホイール、タイヤ】
ADVAN T3-C18インチホイール
ADVAN 052タイヤ
【ブレーキ】
GT4クラブスポーツ用 PFC ブレーキキット
GT4クラブスポーツ用ステンレスメッシュブレーキホース
エンドレス RF650ブレーキフルード
【空力】
クレフモータースポーツ オリジナルフロントカナード
クレフモータースポーツ オリジナルリヤウイング
クレフモータースポーツ オリジナルハイマウントアップライト
【インテリア/エクステリア】
GT4クラブスポーツ用カーボンドアパネル
EDIRB 左右フルバケットシート
OMP CUP タイプステアリング
サベルト シートベルト
アイコード アルミペダルキット
PPF フロントフル、ロッカーパネル
クリアプレックス フロントガラス保護フィルム
チューニングスペックは以上の通り。
全体的に、GT4本来が持つパフォーマンスレベルを底上げしたような印象を受ける。
エンジンは吸排気とECU系チューニングで徹底的な最適化を行い、軽量化された車体と合わせて足回りを煮詰め、空力でバランスを取っている感じか。
かなり乗りやすく、気持ちの良いドライビングが楽しめそう。
車から奏でられるエキゾーストサウンドも甲高く、ドライバーへ良い刺激も与えられそうだ。
ストリートカーらしさを感じられる室内。
先のカーボンドアパネルやバケットシート、CUPタイプステアリング等に交換されてはいるが、知らない人から見れば、これがサーキットを驚速で走りぬけてしまう車だと思わないだろう。
実際、この車はナンバー付き。
コンビニへ普通に買い物だって行けるのだから。
こういった仕様で、富士スピードウェイを1分50秒台で駆け抜けてしまうのだから恐れいる。
ちなみに国産チューニングカーでこのレベルだと、その多くがエンジン内部まで手が入れられており、コストと時間をかけて仕上げられている。
中には日常での使い勝手を捨て、ナンバーを切ってサーキット専用車とした割り切ったチューニングを施しているものもある。
この事から考えても、車体自体に大きな改造をせずとも高いパフォーマンスを示してくれるポルシェという車の奥深さを感じる。
実際、車両代+チューニング費用で考えると、GT3と比べて数百万以下で仕上げられるという。
そのコストパフォーマンスの高さも注目すべきポイントだ。
だがそれが出来たのも、ポルシェを知り尽くしており、オーナーの嗜好や車に合わせたパーツ選び、しっかりした組み付け、状況に合わせた最適なセッティングが施せるクレフモータースポーツだからこそ。
車の状態も個体差があるし、ドライバーの好みだって千差万別。
それでも各パーツがちゃんと機能し、トータルバランスを良くする方向へまとめあげるには、高いエンジニアリング能力が求められる。
ただパーツを組むだけでは、こうはいかないだろう。
お金も時間もかけたわりには満足いくポルシェになっていないオーナーさんには、クレフモータースポーツが手掛けたこのデモカーは非常に参考になるのではないだろうか?
【取材協力 – 問い合わせ先】
クレフモータースポーツ