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ターボとハイブリッドな電動スーパーチャージャー – HKSプレミアムデイ2018

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チューニングパーツメーカー”HKS”が主催する走りのチューニングカーイベント”HKSプレミアムデイ”

サーキットコースでは、オーナーさんの愛車や各ショップ自慢のデモカーがタイムアタックを繰り広げる中、ピットビル2階の多目的スペースでは、HKS自慢の製品が数多く展示されていた。

車高調、エキゾーストパーツ、電装系、過給機とじっくり眺めていく中、ある製品に目が留まった

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その名も電動スーパーチャージャー。
その名から示す通り電気モーターでコンプレッサーを回し、エンジンへ圧縮した空気送り込むというものだ。
EVなど電化が激しい昨今だが、ついにチューニングパーツまでその波がくるとは。

今回展示されていた電動スーパーチャージャーは後付けを前提としたもので、アシスト専用という触れ込み。
通常のターボと併用するのが前提であり、ターボが苦手とする低回転域での出力アップを狙ったものだそうだ。
ターボと併用したツインチャージャーか、シーケンシャルツインターボと同じ考えだろう。

後付けスーパーチャージャーを電化するメリットは?そしてデメリットはないのか?
取材で伺った話を元に、色々考察してみたいと思う。

まずエンジンに頼らず独自の力でコンプレッサーを回せるため、エンジンのパワーロスを抑える事ができる。
考え方としては、エアコンを付けたときのパワーロスを嫌うのと同じか。

通常のスーパーチャージャーは、高回転になればなるほどエンジン本体のパワーロスが大きくなるのが欠点。
ターボを併用すればパワーロスを補うことは出来るが、それでも効率を考えたらロスは少ないに越したことはない。

また過給機自体が独立しているので、通常のスーパーチャージャーほど複雑な機構を持つ必要がないのもいい。
システムによっては、ターボと同じような取付スキルを持つ方でも装着が出来るかもしれない。

そして自然な空気や排気の流れを使う必要がないため、理論上、モーターの回転数を任意に変更させる事だってできるはず。
例えば、運転席に装着した手動のコントローラーで回転数を制御すれば、パワーやレスポンスの制御も思いのままになるんじゃないか?
いわゆるブーストコントローラー的なイメージだが、電気モーターの特性上、ターボ以上のダイレクト感やレスポンスが味わえそうだ。

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万能なように思えた電動スーパーチャージャーだが、電気ならではのデメリットも存在する。

電動スーパーチャージャーは、高回転域を多用する際はかなりの消費電力が発生するため、それに合わせた電力を供給しなければならない。
そうなると発電機の大型化か、別でバッテリーを装着する必要がある。
それだとシステム自体が大型、複雑化してしまい、重量やコストもかさんでしまう。

電動スーパーチャージャー装着を前提として設計された新車なら問題はないだろうが、後付けチューニングパーツとしては、このデメリットは痛い。

それもあってかHKSのシステムは、あくまでターボとの併用を前提とした電動スーパーチャージャーとしたのだろう。
ターボのコンプレッサーを回す力と吸気の力で発電機を回し、それで得られた電力で電動スーパーチャージャーを駆動させるようにしたのだ。
こうする事でバッテリーを搭載する必要がなくなり、低回転での発電量に合わせた発電機にする事で、システムも小型化できた。

ターボの良い面を生かしつつ、従来のスーパーチャージャー以上の高効率なパワー&レスポンスを組み合わせたのがHKSのシステムというわけだ。

残念ながらまだ、後付け電動スーパーチャージャー単体で過給を行うまでにはいかないようだ。
またターボのコンプレッサーを発電に使う以上、むやみにターボを変えると発電量が変化するため、電動スーパーチャージャーを動かす発電量が足りなくなる可能性もありえる。
その都度、発電能力、発電制御を、車や使用するターボ個々に合わせてカスタマイズする必要がある。
そうしないと突然のパワーダウンでトルクの谷が出来てしまい、スムーズさが欠けて扱いずらくなるだろう。

チューニングという面で言えば、より自由度が高く、トラブルも少なく、取り付け難易度が低いものが強く求められる。
今後の技術開発に期待したいところだ。

世界的に見ると、エンジン出力の効率化を求め、新車開発に電動ターボ、電動スーパーチャージャーの採用の動きが広がりつつある。
あのトヨタも電動スーパーチャージャーの特許を取得するほどで、熱い注目を浴びているのは間違いない。
今後の開発、技術の進化次第では、近い将来、チューニングパーツとしての電動過給機も一般的になるかもしれない。

【取材 –文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)

【取材協力 – 問い合わせ先】
HKS

編者
REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。 サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。
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