10
2月
2018

マツダ・ロードスターの焼き芋屋を体験する

20180210_ロードスター_mx5_ミアータ_焼き芋

日本の冬にかかせない光景といえば、軽トラでやってくる焼き芋屋をあげる人もいるのではないだろうか?

いーしやーきーいもー♪
そんな歌が流れてきたら近くに焼き芋屋が来た合図。

凍るような寒さの中、その焼き芋屋で買ってきた、アツアツホクホクのさつま芋を頬張るのが、なんともいえない美味しさがある。

と、これが一般的なイメージなのだが、今年の冬は何かが違っていた。

1か月くらい前から、鎌倉駅前と横浜みなとみらい界隈に、マツダ・ロードスターの焼き芋屋を見たという目撃情報を、SNSで頻繁に目にするようになった。
そして大人気で味も格別だという。

ロードスターで焼き芋??

大変気になっていたところ、横浜みなとみらいに来るという情報をキャッチしたので、取材を敢行すべく現地に飛んでみた。

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ロードスターの焼き芋屋、その名も”ロド芋”。
その正体を求めてやってきた横浜みなとみらい。
到着時間は20時。

17時~18時くらいからやり始めるとの事だったが、既に1~2時間経過。
さすがにこの時間なら余裕で買えるだろうとたかをくくっていたのだが、見事に裏切られた。
結構な列が出来ている。。。

噂には聞いていたが凄い。。。
そして周囲には、噂を聞きつけて駆け付けたであろう車好きオーナーさんとその愛車も目につく。

20180210_ロードスター_mx5_ミアータ_焼き芋_01

提灯も立てられ雰囲気も出てきた。
みなとみらいの都会的な夜景とのミスマッチ感が、なんとも言えない。

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ようやく買える順番が回ってきた。
ここまで1時間以上は待ったか。

どんなロードスターだろう?と覗き込むと、目の前にはトランク上に鎮座した…焼き窯?
覗き窓には火が見える。
かなり寒い夜だったので、この火力は別の意味でありがたい。
この上でさつま芋が焼き芋へ変身しているようだ。

遠目で眺めていると、一人一人のお客さんと会話を楽しみながら、じっくり丁寧に対応している様子。
また、注文のあった焼き芋の焼き加減を丹念に見て、気にいらなければもう少し焼いてみたりするなど、お客さんに上手い焼き芋を食べてもらおうとしているようだ。

普段は行列の嫌いな編者だが、今回は別。
焼き芋屋風景を見て和んだり、その場にいた方とトークに華を咲かせたりしながら、その時間、その空気そのものを楽しませてもらった。

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購入した焼き芋。
サツマイモは紅はるかを使っている。
各種サイズがあるようで、編者は一番真ん中のサイズを選んだ。
価格は500円。

寒さでかじかんだ手に染み渡る熱さ。
噂通りのアツアツホクホクでとても美味しかった。
撮影取材も兼ねてだったのでさっさと食べてしまったが、正直ゆっくりじっくり味わいたかったところ。

当時はあまりの人気で、閉店予定時刻の1時間前で既に完売。
私の順番ではかなり後方だったようだ。
並んでいたのに残念ながら買えなかった人もいたが、「仕方ないです(笑)」「また食べに来ます(笑)」「面白かったです(笑)」「ネタで並んでました(笑)」という声ばかり。
いいお客さんばかりだ。

何人かのお客に話しを聞いてみたが、リピーターもかなりいる様子でこういうノリも慣れている様子。

また、みなとみらいという人気スポットだったためか、仕事帰りのサラリーマンやOL、友人達や家族で遊びにきているグループもちょくちょく足を止め、スマホで写真を撮ったり、なんとか買えないものかと覗きこんだりしていた。
合間に焼き芋屋とお話をしながら、次回の事を尋ねる方も。

そんな合間をぬって焼き芋屋オーナーにお話しを伺う事ができた。
詳しく年齢は聞かなかったが、25歳前後の若い方のよう。
ノリがよく話しやすい方だった。

元々は趣味で何か飲食販売をしたかったらしく、オーナーの妹さんから”ロードスターで何かやったら面白いんじゃない?”という提案を受け、それは面白いと、複数の選択肢の中から比較的敷居の低かった焼き芋屋を選択したらしい。

肝心の焼き芋機はどうしたのか?
もちろんロードスター用なんて存在しないし、業務用はコストの面でもつらい。
かといって、家庭用の焼き芋機では多くのお客さんをさばききれない。

その解決が先の焼き窯のようなもの。

なんと薪ストーブを改造して作ったものらしい。
それを、トランク上に載せられるようにカスタマイズしたという。
特に車両本体には大きな改造はされておらず、薪ストーブ改の焼き芋機を外せば、簡単に普通のロードスターに戻せるそうだ。

そうして自身の努力と工夫、妹さんや多くの人の協力を受けて開店。

元々趣味でやってるだけで期間限定営業な事もあり、そんなにお客はこないだろうと思っていたそうだ。
予想通り当初は全く売れなかったそうだが、物珍しさもあってかSNSで口コミが広がり、客足が徐々に増えて知名度が上昇。
ついにはIT Mediaやヤフーニュースで取り上げられるまでになり、人気に火がつく事に。

オーナーにとっては嬉しい誤算だったようで、これは真剣に商売をやらねばと、オーナーは新たな悩みを抱えてしまったようだ(笑)

焼き芋自体、そこらのスーパーで安く買えるところもあるのは知っている。
正直、適正価格というものはよくわからない。

ただ、この焼き芋屋はただ売り歩くのではなく、焼き芋屋ロードスターを中心としたコミュニティを提供しているような気がしてならない。
オーナーの話しやすい人柄もあってか、ロードスターをネタにあちこちで会話が弾んでいた。
中には、知らない人同士でつい話しこんでいるところも。
ちょっとしたミーティング風景にも見えた。

田舎ではこのような事は日常なのだが、都会ではなかなかないだろう。
美味しい焼き芋にこうした時間を過ごす価値が加わるなら、十分すぎる値段じゃないかと思っている。

【取材 –文 – 写真】
編者(REVOLT-IS

【取材協力 – 問い合わせ先】
えるろこロド芋

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