バイク用キャブレター等のパーツメーカー、バイクレースをサポートするメーカーとして認知度の高い株式会社ミクニ。
実際、ここ東京モーターショーのブースではバイク中心の製品が展示されていたが、色々眺めていくと自動車用のキャブレターや写真の6連スロットルキットが目についた。
これはチューニングパーツなのかと、担当の方に用途についてお話しを伺ってみた。
ミクニはバイク部品だけでなく、自動車部品から福祉機器、航空宇宙産業にまで手掛ける老舗の部品メーカー。
国内外の大手自動車メーカー、バイクメーカーとも長年の付き合いがあるだけに、自動車用のキャブレターや6連スロットルキットがあっても何ら不思議ではない。
そうなると別の疑問が浮上してくる。
昨今のスロットル系メカは、スポーツ車でもその多くがシングルスロットルを採用していると聞く。
主にコンピュータの発達により、4連スロットルや6連スロットル、いわゆる多連スロットルにしなくても、同様のフィーリング以上のものがコンピュータセッティング一つで得られるようになってきている。
機構も複雑で重量がかさみ、各気筒毎の面倒な機械的調整も必要となってくる多連スロットルに比べれば、シングルスロットルのメリットには納得せざるえない。
そんな状況下で、あえて多連スロットルも推すミクニに真意は何なのか?
担当者は単純な理由を提示してくれた。
”それを求める方がいたから作っています。”
今回のはあくまでモータースポーツ向け部品の参考出品なのだが、多連スロットルのニーズはまだまだあるという。
であれば、
”バイクのイメージが強いウチでも、車向けにこういった良い製品を作っていますよ”
というPRをしていきながら認知度を高め、選択肢にいれて頂きたいと考えたらしい。
確かに、チューニングカーファンの中には多連スロットルの支持層は多い。
特に年配の車好きにとっては、多連スロットル+キャブなどは至高のアイテムであり、旧車、ノスタルジックカーを修理、レストアして乗られている方からすれば、新品パーツなど喉から手が出るほど欲しいだろう。
また、しっかりメンテナンス、調整された多連スロットルはとても素晴らしいフィーリングとレスポンスをドライバーに与えてくれるし、それはシングルスロットルではとても味わえないものなんだとか。
ミクニではニーズがある限り作り続けていくそうで、こういった部品で要望があればどんどん寄せてほしいそうだ。
新車品質の多連スロットルを渇望されている方は、ぜひ選択肢にいれてみて欲しい。
最後に、多連スロットルチューンのオーナーさんとメーカー担当者が口を揃えて言っていたことを記しておく。
”見た目がカッコいいでしょ?”。
それを付けているだけで他とは違ったエンジンのように見えて、誇らしい気分になれるのだとか。
とてもわかりやすい回答で、編者も思わずニヤッとしてしまった。
【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)
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株式会社ミクニ