Search for:
  • Home/
  • イベント/
  • マーズ・ローバー 製作で世界一を目指す学生チーム – SPEXA 2024

マーズ・ローバー 製作で世界一を目指す学生チーム – SPEXA 2024

マーズ・ローバー とは日本語で火星探査車と呼ばれており、火星表面を走行しながら、地表の映像や気候、地面や大気の成分といった情報を収集し、地球へ送信する役目を持つ。

そんなマーズ・ローバー製作を課題とする、大学生対象のロボット工学コンテスト世界大会「University Rover Challenge (URC)」がアメリカのユタ州で開催されるが、そこへ日本の大学生チームが初めて参加する。

その名も ARES Project
慶応義塾大学、東北大学の学生有志達による合同チームで、その発足は2022年2月。
リーダーの”阿依 ダニシ”さん、”長岡 佳汰”さん、”永原 陵司”さんの指揮の元、車体の設計、製作を担当する「東北支部」、車体に装備するロボットアームの設計、製作を担当する「東京支部」とに分かれて活動している。

20240425_アレスプロジェクト_マーズ・ローバー_URC_SPEXA_01
宇宙ビジネスコミュニティを運営する「ABLab」ブースで展示。 チーム発足当初から支援を行っている。

今回のSPEXA 2024の出展ブースでは、4代目となるマーズ・ローバー「ARES 4」の展示や、現在実施中のクラウドファンディング、大会についてのPRを行っていた。

20240425_アレスプロジェクト_マーズ・ローバー_URC_SPEXA_02
学生達自身で設計・製作したマーズ・ローバー「ARES 4」
20240425_アレスプロジェクト_マーズ・ローバー_URC_SPEXA_03
足回りは、独自のロッカーボギーシステムを備える。
自動車用サスペンションとの違いを真っ先に考えたが、ローバーにおいては、ロッカーボギーシステムが主流のようだ。
20240425_アレスプロジェクト_マーズ・ローバー_URC_SPEXA_04
ロボットアームの基部。 モーターは、一般でも手に入るマブチモーターが使われている。 滑らかな動きをさせるため、減速機設計やミドルウェア開発も試行錯誤が重ねられた。

チーム発足当初はメンバーも予算も少なく、企業からの支援もごく僅か。
技術面をはじめ、遠隔地を繋ぐリモート会議やメンバー間のコミュニケーション、モチベーション維持など様々な問題に悩まされたというが、仲間達と協力しながら困難を乗り越え、活動し続けた結果、今やメンバー数は30名超。
多くの企業からの支援を受けるまでになっている。

20240425_アレスプロジェクト_マーズ・ローバー_URC_SPEXA_05
マーズローバーに装着されるタイヤ。
向かって左が古く、真ん中、右とバージョンアップ。
剛性と軽量化との最適解を求めて進化していった。

大会が行われるのは、今年の6月。
SPEXA 2024が終了したら、大会に向けた準備などに集中していくという。
目指すは総合優勝。
ユタ州の砂漠を躍動する「ARES 4」とメンバーの歓喜が見れるのを楽しみにしたい。

ところで宇宙産業が隆盛を見せつつある中、自動車業界からも、部品製造を営むいくつかの企業が参入している。
話題の小型月着陸実証機「SLIM」もそうした実績の一つであり、他にもトヨタとJAXAが共同開発する月面探査車「ルナ・クルーザー」や、ブリジストンが開発する探査車用のタイヤ開発があげられる。
そして今回のUniversity Rover Challenge (URC)大会には日産自動車がスポンサーを務めており、こうした動きを見ても、自動車業界の宇宙産業に対する注目度が高いように感じられた。

今後、宇宙産業への参入を考えるなら、即戦力となる人材の育成、獲得が急務となるはず。
そういう意味でも、ARES Projectで活躍する学生達は逸材であり、貴重な存在と言える。
ぜひ注目と、応援をお勧めしたい。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
ARES Project
ABLab
SPEXA
会期:2024年4月24日(水)~4月26日(金)
会場:東京ビッグサイト
主催:RX Japan株式会社