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水素自動車 がキッチンカーとコラボ – Hydrogen to Xの取り組み

水素自動車 と言えば、トヨタのMIRAIやスーパー耐久レースを戦うレーシングカー、古いところではロータリーエンジンによる研究も話題を振り撒いてきた。
しかし、広く一般へ認知出来ているかと言えばまだ低いようで、少しでも高め、普及拡大に努めたいと、昨年、Hydrogen to X というNPO法人が立ち上がり、普及に向けて様々な活動を行っている。

その活動として、今回「汐留 春のビアフェスタ」へ出るキッチンカーの電力供給源に、トヨタMIRAIを持ち込むという情報をキャッチ。
その様子を見にいく事にした。

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「汐留 春のビアフェスタ」会場は、都内のイタリア街にある汐留西公園。
そこには多くの若者とキッチンカーが集まっており、思い思いの時間を過ごしていた。

その中の一台が Hydrogen to X がコラボしたキッチンカーで、運営するのはスマイルキッチンカーの(株)Treasure。
食を通じて人に笑顔を届けたいというスマイルキッチンカーが、Hydrogen to X の目的と思想に共感。
協力を申し出た事で今回のコラボが実現した。

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キッチンカー隣にはトヨタMIRAIが置かれており、そこからキッチンカーへ給電ケーブルが伸びている。

イベントは2日間の日程で、訪れたのは最終日の14時頃。
お話を聞いたところ、水素満タンで前日16時頃から給電を開始し、今もフル稼働で電力供給を続けているという。
人の多さに対応した調理を見るに、終了時には電力切れを起こすのでは?と思ってしまったが、話を聞いた時点では三分の一減った程度で、イベント終わりからそのまま運転して帰れるくらい、十分な電力が確保できるようだった。

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ちなみに、非常時給電システムとして見た MIRAI のカタログスペックでは、DC電源なら9kwもの電力を約23時間給電(※1)し、AC電源なら、100Vで消費電力合計が1500w以下の電気製品の同時使用が可能で、約4日間(※2)給電し続けるとなっている。
※1・・・DC出力3,000wで水素満充電の時。9,000w消費での給電では約9時間となる。
※2・・・水素満充電で、1日あたり10kWhとして試算。

カタログではピンとこなかったが、実際の使用状況を見ると、カタログ性能にも納得がいった。

キッチンカー前では、Hydrogen to X 共同代表の重政氏が来場者に積極的に声をかけ、水素の認知度や認識を聞いたり、MIRAIの紹介、水素のパフォーマンスと可能性について熱心に説明されていた。

重政氏は、横浜国立大学で「水素サプライチェーンを構築するデバイスにおける水素・電力変換効率に寄与する現象」の解明に貢献され、博士号を取得するなどの経歴を持たれており、水素技術者の一人として各種メディアにも登場、様々な情報発信と、普及を訴え続けている。

それだけに、さぞ専門的な説明をしているものと思いきや、図を示しつつ、日常生活に当てはめたわかりやすい説明をされていた。
説明を聞いた方からの声、意見も耳を傾けるなどされており、その姿勢にとても好感が持てた。

次はどんなアプローチを見せてくれるだろう?
Hydrogen to X の今後に注目したい。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
Hydrogen to X
(株)Treasure