オートモビルカウンシル 2024 – ナローポルシェ911Sベースのオリジナルレーシングカーが誕生
オートモビルカウンシル 2024 取材記事
(株)MSERRNT が展開する PROMODET ✕ Segunda Casa ブースでは、耐久レースマシンとして独自に作りあげられた Shark Blue カラーのナローポルシェ911Sが展示されていた。
以前、別記事でも紹介したが、このマシンは Segunda Casa と、 ポルシェ専門店 PROMODET が運営する人気 Youtube チャンネル「ポルシェガレージ」の企画で製作されたもので、設計製作はレーシングカーコンストラクターのムーンクラフト、エンジンはPROMODET の職人 小峰氏という、カーマニアには溜まらない豪華布陣の元で誕生した。
以下リンク先の Youtube 動画で製作の様子が見れるので、まずはこちらをご覧頂きたい。
ナローポルシェがレーシングカーになるまで!~How a narrow Porsche becomes a racing car~
構想から約2年で完成したというこのマシン。
ベースとなった車体は、1973年式の911S。
ボディ製作では、まず純正シャーシを3次元レーザースキャンで計測。
そこで得たデータを元に、全てCAD上でデザイン作業が行われた。
今回は、フォーミュラカーで見られるプッシュロッドタイプのダブルウィッシュボーン、インボードサスペンションとするため、アームマウントポイントとロールケージを新規に設計。
他、ジオメトリーのチェックにキネマティクス・シミュレーション、ボディ強度を見るのにFEM解析といった手法を使うなど、市販車開発でも用いられる最新技術が惜しげもなく投入されている。
搭載されるエンジンは、3.6リッターの964エンジンをベースにチューニング。
排気量はボアアップで3.8リッター化。
PROMODETのスポーツカムと強化バルブスプリングが組まれ、モーテックで制御される。
そして、搭載方式はなんとミッドシップマウント。
これは、純正RRレイアウトの駆動系一式を前後逆転する事で実現させている。
その他、マシンに装着された各パーツ、採用された技術、形式を以下にまとめてみた。
- マシン車重は955kgで、前後重量配分はフロント40%、リアが60%。
- 随所にCFRP製部品を使用。
- 6速パドルシフト:ホリンジャー製シーケンシャルギアボックス
- プッシュロッドインボードダンパー:オーリンズ製
- レース用鍛造ブレーキキャリパー:AP製
- オリジナルジオメトリーのサスペンション
- ロールケージやフロントインパクトストラクチャーといった安全装備は、全てFIA準拠
- ECU、GCU:ECUMASTER製
- ステアリング、データロガー:AIM製
- 燃料給油:GT3用クイックチャージャー ( DRY BREAK )
- ミッドシップ化に合わせたオリジナルエキゾーストシステム
- センターロックホイール:BBS製
果たして、我々にどのような走りを見せてくれるのか?
とても興味を惹かれるが、イベント直前に完成したらしく、走行はこれからとの事。
まずは、2024年7月21日開催の Star field idlers Games モビリティリゾートもてぎ 夏の12時間耐久レースへの参戦を目指し、テスト走行を重ねていくようだ。
個人的には、現役GT3マシンと勝負してみては・・・?と思うがいかがだろう?
【取材・文】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力】
(株)MSERRNT
オートモビルカウンシル