極端な温度領域でも力を発揮する高耐熱リチウムイオンキャパシタ【BATTERY JAPAN[春]2024】
自動車部品メーカーの(株)ジェイテクトが発表した高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy」は、EVの動力システム開発に新たな刺激を与える事になりそうだ。
一般的なリチウムイオンキャパシタは、乾電池と比べて充放電が速く、コンデンサと比べて大容量であり、物理反応による充放電を行うため劣化しにくく長寿命、性能落ちが少ない、高い出力を出せる、発火しにくい、といった特徴がある。
そして今回ジェイテクトが開発した「Libuddy」は、これまでの製品をさらに進化、発展させたものとなっており、主に幅広い温度領域下での使用を可能とした点があげられる。
その範囲は下限で-40℃、上限で85℃となっており(※)、上限近い温度でも性能劣化は軽微で、下限でも大電流を安定供給するという。
※上限電圧を制限すれば、100℃でも動作可能
これらの効果により高温下で必要だった冷却システムも不要となるため、動力システムの小型化や重量の軽減、シンプル化による信頼性の向上、高いパッケージ自由度と、多くのメリットが期待できるという。
他にも、大電流による充放電を繰り返しても性能劣化は軽微で高寿命(※)、正極に活性炭を用いたため発火しにくいと高い安全性も備えている。
※100万回ほどの繰り返し試験を実施
製品ラインナップだが、キャパシタセルは500Fと1000Fの「電極片出しタイプ」と500F、1000F、1500F、2000Fの「電極両出しタイプ」があり、複数セルを4直列、8直列、16直列、30直列組み合わせて構成したモジュールも用意される。
また、このセルを使った電源システムもオーダー出来るという。
【取材・文】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力】
(株)ジェイテクト
第21回 SMART ENERGY WEEK【春】
会期:2024年2月28日(水)~3月1日(金)
会場:東京ビッグサイト
主催:RX Japan株式会社