Search for:
  • Home/
  • イベント/
  • ブリヂストンのカスタマイズするタイヤ技術「ENLITEN」~ジャパンモビリティショー2023

ブリヂストンのカスタマイズするタイヤ技術「ENLITEN」~ジャパンモビリティショー2023

20231029_ブリヂストン_エンリトン_タイヤ_モデルベース開発_sdgs_ジャパンモビリティショー_01

現在開催中のジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)2023。
タイヤメーカーのブリヂストンブースでは、「究極のカスタマイズ」でお客様が想像しえない新たな価値を創造しようというタイヤ技術「ENLITEN(エンライトン)」が披露された。

これは今後多様化する車社会を見据えて生み出された技術で、その特徴として、タイヤ構造を3つのモジュールに分けて設計する点にある。

20231029_ブリヂストン_エンリトン_タイヤ_モデルベース開発_sdgs_ジャパンモビリティショー_02

ある新作タイヤを開発する際、これまではその都度一から設計、開発、試験を行っていたため、多くの時間やコスト、資材が費やされていたが、ENLITENでは、各既存モジュールの組み合わせを変えたり、必要なモジュールだけ新規に設計していく。

例えばトレッド面のモジュールだけ新しく設計して、ワイヤー構造といった他のモジュールは、従来のものを共用するといった手法が取れるようになる。

この手法、実はマツダに端を発するMBD(モデルベース開発)を参考にしたものであり、これにより時間とコスト、資材を大幅に削減できるだけでなく、これまでありえなかったタイヤ開発さえ可能となってくる。
少数なタイヤ、マニアックなタイヤを装備する自動車オーナーの要求にも応えやすくなるかもしれない。

資材価格の高騰やSDGsが叫ばれる昨今において、この技術は強い武器になりそうだ。
ぜひ市場価格にも良い影響を与えてほしい。

20231029_ブリヂストン_エンリトン_タイヤ_モデルベース開発_sdgs_ジャパンモビリティショー_03

ここで、ブリヂストンが推進するサスティナビリティ活動にも触れておきたい。

現在、新たな天然ゴム資源としてグアユール由来のものを使ったレースタイヤや、再生資源、再生可能資源を使ったタイヤの開発、普及に取り組んでいる。
前者はアメリカのインディーカーシリーズで既に使われており、後者は使用比率を50%としたEV用タイヤ「Turanza EV」が北米でリリースされている。

20231029_ブリヂストン_エンリトン_タイヤ_モデルベース開発_sdgs_ジャパンモビリティショー_05

グアユールは2030年を目途に一般タイヤへ採用できるよう、さらなる技術開発を進めるという。
また再生資源、再生可能資源の使用比率も少しずつ上げる考えのようだが、すぐに100%近くまで上げられるかと言えばとても難しいようで、なんらかのブレイクスルーが必要と考えられている。

20231029_ブリヂストン_エンリトン_タイヤ_モデルベース開発_sdgs_ジャパンモビリティショー_04

限りある地球資源に対して世界中の企業がその取り組みを加速させる中、ブリヂストンの今後の動きにもぜひ注目したい。

ジャパンモビリティショー2023は、東京ビッグサイトで2023年10月26日(木)~11月5日(日)の期間で開催中。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
株式会社ブリヂストン
一般社団法人 日本自動車工業会