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日産京都自動車大学校の挑戦 – 学生フォーミュラ2022チームプレイバック

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3年ぶりなリアル開催が叶った”学生フォーミュラ”。
物作りを学ぶ学生達の”甲子園”とも言うべき本大会へ各チームどのように臨み、どのような結果が得られたか?
今回は日産京都自動車大学校からエントリーの学生フォーミュラチーム”Natck-F”をピックアップしてみた。

2019年大会からEVでの挑戦を続けているNatck-F。
メンバーは17名。
チームリーダーの下にフレーム班、電装班、ブレーキ班、シート・カウル班、サスペンション班、機械車検班、電気車検班と専門の部署を置くチーム構成となっている。

多くは専門パートの設計、製作を行うが、ユニークなのが車検担当を置いている点。
これは車検を問題なく進める事を目的に設置されたもので、例えば制作サイドで疑問が発生した際に自己解決できるよう、問い合わせに対して回答を提示する役割を持たせている。
そのためメンバーはレギュレーションの読み込みと深い理解が求められたようで、相応の苦労があった様子。

また広報面でも渉外担当をされた方など、各班と企業との仲介役としても奮闘。
ビジネスメールの書き方から企業に合わせた応対にまで取り組まれたようで、良い学びの場になったようだ。

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モーターとインバーターは、日産の初代リーフ用のユニットが搭載されている。

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サイドカウルが高すぎて乗り降りしづらく、急遽修正が入った事もあったとか。

こちらが制作されたマシン。

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アキュムレータコンテナ。

アキュムレーターを収めるコンテナはアルミ製で、各パネルを高強度接着剤を使ったボンディングで結合。
さらに結合部をやすり等で足付けし、強度をあげるためL字のアングル材を当てて形作っている。
こうしたコンテナは溶接で作られる事が多いが、今回の手法だと熱によるひずみを抑えられ、コンテナ形状を維持できるメリットがある。

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ユニバーサル基板。
先輩から受け継いだものを基本とし、追加箇所を新規に設計、製作した。

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ペダル下フロアは、アクリル板を加工して設置している。
これは車検をスムーズに進行させるアイディアの一つで、ステアリングシャフトやアーム、ペダル類の取り付け状況、ネジの状態などを一目で確認できるよう工夫されている。
点検時にも役立ちそうだ。

そしてペダル類はチルトン製。
ブレーキ系ではブレーキテストの際、リアヘビーでブレーキが効いてないという指摘があったため、マスターシリンダーに手を入れる事でなんとかロックするまでに出来たという。

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パワーユニットや基板周辺も、アクリル板を活用する事で内部の確認をしやすくしている。

では大会結果を見てみよう。
事前に行われた書類提出、シェイクダウン証明提出、オンラインによる静的審査、動的審査では以下の結果となった。

ESA/ESO, SES, IAD, ESF, and FMEA:SES ペナルティ無し
デザイン審査:37位
プレゼンテーション審査:52位
コスト&製造審査:37位
シェイクダウン証明:承認
動的審査;未計測
燃費:未計測
総合:44位

静的審査では、書類提出まで順調に行えてペナルティはなかったものの、コスト審査などで足りない箇所を多く指摘されたという。

動的審査ではシェイクダウン証明、機械車検通過まで進んだものの、電気車検で、アクセルとブレーキの同時踏みテストでマシンが動いてしまうトラブルが発生。
現地では信号線の断線、プログラムの問題、コンピュータトラブルといったあらゆる可能性を探ったものの、車検終了時間になりタイムオーバー。
残念ながら走る事が出来なかった。

静的審査、動的審査とも厳しい結果にはなったが、年々順位をあげてきており、チームとしてもポジティブに捉えている様子。
なによりスポーツマンシップ、マネージメント、安全等の評価が高いチームに送られるスポーツマンシップ賞を得ている事からも、Natck-Fはチーム力を評価されるまでになっている。

そして来年に向け、後輩に生かしてもらうべく問題点と分析結果をしっかりまとめて引き継ぎし、来年こそマシンを走れる状態にして動的審査に進んでもらいたいと語ってくれた。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
学生フォーミュラチーム”Natck-F”
自動車技術会