イケヤフォーミュラのシームレストランスミッションを試す – 人とくるまのテクノロジー展2022
自動車部品の製造、開発を行う株式会社イケヤフォーミュラでは、数年前よりシングルクラッチ方式のシームレストランスミッションを開発。
他車のようなデュアルクラッチ方式でなくともシームレスなシフトチェンジを実現させている。
果たしてそのフィーリングはいかがなものか?
今回、イケヤフォーミュラのご厚意でそのトランスミッションを体験する事が出来た。
過去にはオリジナルマシンIF-02RDSやF1を意識したV10エンジンの開発、独自発想のシーケンシフターやパドルシフトを開発してきたイケヤフォーミュラ。
人とくるまのテクノロジー展2022でも、新たに開発したEV用の2速トランスミッションを展示。
その斬新な発想で、市場を刺激し続けている。
さて、今回体験するシームレストランスミッションは2013年頃から開発が進められているもの。
オリジナルスポーツカー「IF-02RDS」にも積まれていた事でも知られており、時代の要求に合わせ、今日まで熟成が続けられている。
ミッションの仕組みだが、ざっくり言えば上のギアへチェンジした直後は下のギアは放れず、上のギアが嚙み合ってから下のギアを機械的にフリーにする構造。
このフリーまでの過程をいかにスムーズに行うかがポイントとなってくる。
イケヤフォーミュラではシングルクラッチで実現するため、まず独自開発したドグクラッチをギア間に配置。
電動アクチュエーターによるクラッチ制御で、ギアの噛み合いをコントロールしている。
これにより、シフトフリー時に起こるトルク切れのないスムーズなシフトチェンジを実現した。
※詳しい技術解説はこちらを参照
では走行開始。
発進する際はAT車同様にPからDポジションへ移動。
その際、一定のボタン操作によりクラッチ調整のキャリブレーションが開始される。
これは試作車独自の機構との事で、量産車では車に合わせて調整するためオミットされるという。
シフトチェンジ、直後に伝わる適度なダイレクト感と一定のテンポで次々とシフトアップされる。
回転数が落ちたりといったトルク切れは感じられず、レスポンスも3ペダルMT車では考えられない程速く安定している。
シフトアップ時にコッ、コッ、コッと軽いショックが感じられるが不快ではなく、マニュアル車をシフトチェンジする感覚で逆に気持ちが良い。
これまでATやCVTばかり乗り継いできた方だと違和感を感じるかもしれないが、MT車乗りなら恐らくシームレストランスミッションを要望するはず。
叶うなら、最新のAT搭載スポーツカーと、シームレストランスミッションへ載せ替えた同じスポーツカーを乗り比べをやってみてはと思うが、いかがだろう?
【取材・文】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力】
株式会社イケヤフォーミュラ