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多くのカテゴリのマシンへも対応する安価なレース用エンジン

人とくるまのテクノロジー展2021取材の番外編。
出展予定だったものの、リアル展示会の中止に伴い取り止めた企業を特別にピックアップしていく。
今回は、JMIA(日本自動車レース工業会)の会員企業であるTRD(株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)から、”カスタマーモータースポーツユーザー向けに安価な競技用エンジンを提供する”事を目標に開発された、「TRD-8AR」エンジンを紹介する。
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TRD-8AR」エンジンは、これまでグループCやIMSA、JGTC(スーパーGTの前身)等に参加するマシンへ搭載され、様々なレースシーンで活躍してきた3S-GTEエンジンの後継にあたるモデル。
ベースとなったのは、S22#型クラウンやレクサスRCなどに積まれている「8AR-FTS」型の2リッター直列4気筒 直噴DOHCターボエンジン。
主に3S-GTEと排気量、ボアストロークが同じという理由で選択されたという。

その特徴としてあげられるのがその汎用性で、カテゴリーを選ばず、多種多様なマシンへの搭載が考慮されている。
TRD-8AR」には横置き、縦置き仕様が用意されており、そのためFF、FR、4WDと駆動方式を選ばず搭載できる。
さらにオイル潤滑方式もウェットサンプ、ドライサンプのいずれかを選択できるので、ドライサンプ禁止のカテゴリーへの参戦も可能となる。

開発に際しては、性能はそのままに開発コストをいかに圧縮するかが課題だったとの事。
開発コストの上昇は、そのまま販売価格の上昇に繋がる。
それではカスタマーに使ってもらえない。
これには、これまでのTRDの知見をフルに生かす事で取り組んだという。

インテークやエキゾーストパイプ、ドライサンプではオイルタンクなど車両制作側で用意するパーツもあるが、それだけで多くのマシンに対応できる。
エンジン自体も安価に抑えられているとあって、コストパフォーマンスはかなり高いようだ。

20210617_TRD_8AR_FTS_汎用レースエンジン_2リッター_直噴_ターボ_スープラ_GT
(C)トヨタカスタマイジング&ディベロップメント / JMIA
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【車名】トヨタ・スープラ
【カテゴリー】THAILAND SUPER SERIES GTC Class
【スペック】FR ドライサンプ
【最高出力】350ps 以上

20210617_TRD_8AR_FTS_汎用レースエンジン_2リッター_直噴_ターボ_クラウン_S耐
(C)トヨタカスタマイジング&ディベロップメント / JMIA / スーパー耐久機構(STO)
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【車名】トヨタ・クラウン
【カテゴリー】スーパー耐久 ST-3 クラス (STO公認エンジン)
【スペック】FR ウェットサンプ
【最高出力】350ps 以上

20210617_TRD_8AR_FTS_汎用レースエンジン_2リッター_直噴_ターボ_CH-R_ラリー
(C)トヨタカスタマイジング&ディベロップメント / JMIA
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【車名】トヨタ・CH-R
【カテゴリー】F2 Thailand Rally Championship Super 4WD Class
【スペック】4WD ウェットサンプ
【最高出力】272ps (33mmのリストリクター装着)

現在までに「TRD-8AR」を搭載したマシンが走った主なカテゴリーは、日本のスーパー耐久、タイのTHAILAND SUPER SERIESとF2 Thailand Rally Championshipの三つ。
どのカテゴリーでも優勝や表彰争いを繰り広げており、性能面でも安定した高いパフォーマンスを発揮している。
これなら、カスタマーも安心して使用できるのではないだろうか?

尚、エンジン購入費やエンジンメンテナンスにかかる費用、メンテナンスサポートやメンテナンスサイクルについてはカテゴリーによって異なるため、要問い合わせとなる。

【文】
編者(REVOLT-IS

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株式会社トヨタカスタマイジング&ディベロップメント
JMIA 日本自動車レース工業会

編者

REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。 サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。