防水ねじ アルファ® WP で電子部品の熱対策に貢献【人とくるまのテクノロジー展2024】
防水ねじ アルファ® WP は日東精工(株)ファスナー事業本部の製品で、熱対策により水冷化された各部から冷却水が漏れた場合、電子基板などへの浸入を防げるよう設計されている。
今回、人とくるまのテクノロジー展 2024 NAGOYA にて開発中のモデルが公開。
実際にねじを締めこんだ部品を水槽に沈めるなど、わかりやすいPRがなされていた。
防水ねじ自体、他社からも同様の製品が発売されているが、その多くはねじ部の座面にOリングを付加したものとなっている。
ただそれだけだと締結物との設置面が小さくなってしまい、締結物陥没や位置ズレが発生した際、Oリングが圧縮されず防水性能が落ちてしまう。
また自動化において、例えば運搬時やフィーダ内でのOリングのズレの発生や、シュートレールでは上手く流れないリスクも抱えていた。
防水ねじ アルファ® WP ではそうした課題を解決するべく、Oリングをねじ頭部の外周部に沿うよう配置し、座面下部に平座金と呼ばれる金属性のワッシャーを装着。
ちょうどOリング下面でワッシャーを銜えこむような形状となっている。
これにより締結物との設置面が大きくなり、陥没を抑え、高い軸力での締結を実現。
ザグリ加工の必要もなく、締結物との位置ズレによる影響も抑えられるため、安定した防水性能を発揮する。
さらに設置面が平座金となるため、シュートレールもスムーズに流れるようになる。
余談だが、締め付けトルクは従来のネジより僅かに高くなるレベルで、Oリングが適度に潰れる程度、数値にして1.1から1.3くらいとなるようだ。
また、ゴムと金属では劣化でも差異が発生するため商品寿命をどう決めているか気になったが、使ってもらえる工業製品に合わせて素材などカスタマイズする想定のため、その都度、決定されるという。
もちろん車だけでなく、浸水による被害を防ぎたい製品、屋外施設へ対応できるものもあるようなので、気になった方は日東精工(株)へ問い合わせを。
今のところ一般への単品販売は考えていないとの事だが、こちらも市場の需要やリクエスト次第といったところ。
自作PCや自作ラジコン、JCJCなどのオリジナルミニ四駆を作られてる個人ユーザーや、学生フォーミュラといった学生のものづくりサークルとか関心があるように思うが、いかがだろう?
【取材・文】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力】
日東精工(株)
公益社団法人自動車技術会