次世代に向けたEVチンクエチェントを手掛ける博物館～ジャパンモビリティショー 2023

現在開催中のジャパンモビリティショー（旧東京モーターショー）2023。
チンクエチェントの愛称で知られるフィアット500。世界中にファンを持つ芸術作品、動くモダンアートとして評価の高いオールドモデルの保護、動体保存に取り組む博物館がある。

その名もチンクエチェント博物館。
これまで様々なオールドフィアット500を手掛けてきたが、今回のジャパンモビリティショーではEV仕様を持ち込んできた。

「GIOIA ev」と名付けられたこの車。
博物館が所有、販売する他のFIAT500同様、イタリア本国の工房でレストアと、EVへのコンバート作業が行われたという。
さらに博物館のお客さんであり、旧車を愛するカラーデザイナー「椿彩≒CHIYA」さんが内外装のカラーコーディネートを担当。
当時の雰囲気を大事にしつつ、個性を際立させたモデルに仕上げられている。

最高速度は85km/hで、航続距離は100km前後。
オートマ限定免許でも運転可能となっている。
ただ、スペースの関係もありエアコンは搭載されていない。
近所を走るシティーコミューターやイベント用とした割り切りが必要だろう。
とは言え、この車は普段の足としてではなくフィアット500を楽しんでいくための仕様なので、このスペックで必要充分と言える。

なによりしっかりレストアされている事、EVならではのスムーズな加速と手の内に入るコンパクトボディ、そしてオートマ限定でもOKとした事で、所有へのハードルも低くなっているように思う。
運転に自信のない方、古いイタリア車特有のトラブルがつらいと感じる方でも、これなら安心できるはず。
既に2台ほど販売されているそうなので、気になった方、購入を検討したい方はお話を聞いてみるのもいいだろう。

チンクエチェント博物館では、EVだけでなくフルレストアした当時仕様やオーナー様好みにカスタマイズする車両の製作、販売も手掛けている。

またブースのデモカーには、紫外線100%カット、赤外線99%カットという脅威の遮熱ウインドウフィルム「KOBOtect」と、独自の光触媒技術で車内環境を快適に保つ「フォトンフレッシュ」が施工されていた。
女性ファンも多いフィアット500なだけに、この2点の存在は無視できないはず。
それらの効果も、ぜひ会場で伺ってみてほしい。

ジャパンモビリティショー2023は、東京ビッグサイトで2023年10月26日(木)～11月5日(日)の期間で開催中。

【取材・文】
編者（REVOLT-IS）
【取材協力】
チンクエチェント博物館
一般社団法人 日本自動車工業会