GR86/BRZのミッションは壊れやすいのか?
トヨタ86/スバルBRZが第2世代へフルモデルチェンジした2021年。
そのモデルであるGR86/BRZは、早くもサーキットでその姿を見られるようになっているが、そんな中、あるカーショップがツイートした5機のトランスミッションの写真が話題に。
全てブローしており、これから修理、組み直すという。
ツイートしたのは、ATRACT/Kというカーショップを営むKENYAさん。
モータースポーツカテゴリー「GR86/BRZ cup」に参戦する車両のメンテナンス、サポートもされている。
話題のトランスミッションはそのレースで使われたものだが、それを見た多くの方から「GR86のミッションは壊れやすいのか?」といった反響が寄せられた。
まず今回のブロー原因だが、結果から言うと、過酷なシフトチェンジの繰り返しでミッションが音を上げてしまったから。
KENYAさんの調査では、5機とも同じ部品に過剰な負荷がかかり続け、耐え切れず壊れてしまったと見られている。
過酷なシフトチェンジとはどのようなものか?
普段の街乗りでは、アクセルOFFからクラッチを切りシフトチェンジ、半クラッチ気味からクラッチを繋いでアクセルONするのが一般的。
しかしレースでは、特に上位陣だとアクセルONのままクラッチを切り(クラッチ蹴り)つつ強引にシフトチェンジ、と同時にクラッチをドカンと繋いでいく。
少しでもシフトチェンジによるロスを防ぐためだが、スプリントレースでは、こうしたやり方は日常的な様子。
ちなみに、レースで使われるトランスミッションは市販車と同一。
加工、変更などといった改造は認められていない。
実は先代トヨタ86/スバルBRZのワンメイクレースでも似た問題が発生しており、その経験が2代目に生かされるかと思いきや、市販車としての車両コストとレースでの使用条件、両方を満たす開発は難しいのかもしれない。
では、何か対策出来ないのか?
KENYAさんによれば、現状どのミッションオイルでも、油温管理をしっかりやっても壊れるリスクに変わらないだろうと見ている。
また、ドライバーによる微妙なシフトチェンジ違いがあっても、ライフサイクルが多少変化するくらいでは?との事だ。
対策部品が出るまで、なんとかやりくりしていくしかないようだ。
とはいえ、あくまでレースという特殊環境下でしか発生しえないトラブル。
反対に街乗りメインで、レース中のようなシフトチェンジさえしなければ、品質不良車でもない限り、短いサイクルで壊れる心配はなさそう。
KENYAさん自身、GR86/BRZはシフトフィールが良くなっており、金額にあった十分な車体スペックで、乗って楽しい車になっていると評価されている。
競技をしないオーナーさんなら安心して良さそうだ。