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より最適化したレースカー用熱交換器開発と新型コロナ対策

20210616_JMIA_タマチ工業_熱交換器_アップライト_3Dプリンタ
(C) タマチ工業 / JMIA
商用利用、無断転載を禁じます

人とくるまのテクノロジー展2021取材の番外編。
出展予定だったものの、リアル展示会の中止に伴い取り止めた企業を特別にピックアップしていく。
今回は、JMIA(日本自動車レース工業会)の会員企業であるタマチ工業株式会社の「熱交換器」とその開発技術について紹介する。
※本記事中の情報、画像の商用利用、無断転載を禁じます。

タマチ工業は本社を東京に、静岡県富士宮市に製造工場を持つ部品製造メーカーで、自動車部品を筆頭に医療機器や積層製品、国産ロケットH2に使われる部品の製造開発を行っている。
また、古くから様々なモータースポーツに関わってきた企業でも知られており、これまでにアメリカのインディー全日本F3選手権(現、全日本スーパーフォーミュラライツ選手権)スーパーフォーミュラスーパーGTへ参戦するチームやドライバーをサポートしてきた。
近年ではFIA世界耐久選手権(WEC)へ参戦するTOYOTA GAZOO Racingチームに対してもサポートを行い、その勝利に貢献している。

今回の「熱交換器」開発は、そうしたモータースポーツに関わる事で培ってきた技術を生かしたもので、富士スピードウェイで開催されている「インタープロト」シリーズのマシン向けに、オイルの冷却能力向上を目的に開発が進められている。

20210616_JMIA_タマチ工業_随伴解析_熱交換器制作
(C) タマチ工業 / JMIA
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開発ではさらなる内燃機の燃焼エネルギー改善とユニットの油冷、水冷の向上を図るため、まず熱交換器の内部構造を、東京大学 長谷川研究室の協力を得て随伴解析。
それにより、これまでの方法では成しえなかった伝熱面の形状最適化プランを見出せるようになったという。
それらを設計データに盛り込み、タマチ工業で実績を持つ金属3Dプリンターで「熱交換器」を形にしていく。

将来的に、サーキット走行も楽しめる高級スポーツカー等への転用も視野にいれているというこの「熱交換器」。
さらに解析が進めば、クライアントが事前提示する目標値以上の性能を発揮させる事も可能となってくるかもしれない。

20210616_JMIA_タマチ工業_ウィルキャッチ_新型コロナ対策_独自発想パーティション
(C) タマチ工業 / JMIA
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ところでタマチ工業では、昨今の新型コロナ感染拡大を抑制するため、「ウィルキャッチ」という新型コロナウィルス対策に向けた独自発想のパーティション製品も開発している。
これはパーティション中央上部にDCファンを設けて飛沫を強制的に吸引し、排気までに2つの専用フィルターを通す事で段階的に空気を濾過していく仕組み。
料理の煙が換気扇へ吸い込まれる様を見て、この仕組みを思いついたという。

その効果はかなりのもののようで、一般メディアでの発表後に多くの反響があったようだ。
その際、少しでも世の中に貢献出来ればと、呼びかけを行ったレーシングドライバー”坪井翔”さんや城南信用金庫と一緒に、目黒区へ数台寄贈している。
もしかしたら今後、ワクチン接種会場などでこのパーティションを見る機会があるかもしれない。

【文 – 写真】
編者(REVOLT-IS

【オンライン取材協力 – 写真協力 – お問合せ】
タマチ工業株式会社
JMIA 日本自動車レース工業会