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長く楽しめるV8パワーのドリフトシルビア

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見た目のインパクトも絶大なV8エンジンが積まれたこちらの日産・シルビアS14。
コンセプトである”安くて壊れにくく長く乗れるドリ車”を目指し、そのパーツチョイスや細部の作り込みに至るまで考え抜いて制作されている。

オーナーはもじゃおさん
元々このシルビアにはターボ交換した350馬力のSR20DETエンジンが積まれていたそうで、通勤街乗りも兼ねたドリフト仕様として楽しんでいた。
当時はそれで充分と思っていたが、結婚を気に今後はどのようなスタイルでドリフトを続けていこうか悩んでいたところ、それなら”カッコいい車で無理せず長く楽しんでいこう”という結論に至り、自分の理想とするシルビアへリメイクする事に決めた。

では理想とするシルビアとは何か?
以前から2014年頃のアメリカのドリ車カスタムに興味を持っていたそうで、そこで見られた日本にはない発想やカスタマイズに強い憧れを抱いていたという。
これこそ自分の理想に違いない。
そう思い立ち、憧れのように見た目も走りもカッコいい車でいこうとイメージを固めていった。

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まるで地を這うようなワイド&ロースタイル。
ボンネットのバルジも、このシルビアが只者ではない事を感じさせる。
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走りを考えた車高、キャンバー角もバランスよくセッティングされている。
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まるでJTCCマシンのような足回り。
車高を落としつつも適切にサスペンションを働かせるべく、配置からマウント部まで入念に作りこまれている。
トラクションだけでなく乗り心地も良さそうだ。

まずドリフト大会には拘らず、壊れず楽しめるのが大前提。
安価で状態の良いパーツやエンジンの入手が難しくなりつつあったSR20DETに不安を感じていたため、安くて壊れにくく入手しやすいエンジンへスワップ出来ればと探したところ、たまたまアメリカのドリ車を見ていた時に1UZ-FEというV8 NAエンジンを積む事を思い立った。
セルシオやマジェスタに搭載されているこのエンジンを積む決め手となったのは、”タマ数は心配なく信頼性も抜群”、”パワーは280psながらトルクが41kg・mもあるので、それまでのターボ仕様と同じかそれ以上のパフォーマンスが発揮できる”、”NAなので、当然タービンブローのリスクからも解放される”、”V8搭載シルビアは数が少なく存在でも目立てる”といった理由から。

幸いアメリカでシルビア向けの1UZ-FEスワップキットが販売されていたので、思い切ってこれまで使っていたSR20DEエンジン一式を売却。
そこで得た資金でスワップキットとセルシオを購入し、エンジンスワップの準備を着々と進めていった。

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この1UZ-FEエンジンはセルシオ20後期型に積まれていたVVTI仕様。
トランスミッションは、シルビア純正の5速ミッションをそのまま積んでいる。

車体の制作期間は約1年半。
制作は、友人に紹介された板金屋のスケカワオートボディに依頼。
初期の構想段階から制作、後のメンテナンスまで親身に相談にのってくれたという。
そして自分でも出来る事をやらせてもらおうと、スケカワオートボディ代表の助川氏に場所を借りてお手伝いもした。
1UZ-FEを載せるのは助川さんも初めてだったので悩み事も多かったが、その都度仕様や制作について相談し合いながら作業を進めていった。

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ステアリングはディープコーンタイプ。
助手席側ダッシュボードには、埋め込まれたLINK ECUのユニットが見える。

そんなエンジンスワップをする上で一番難しかった点をあげてもらうと、真っ先に電装関係をあげてくれた。
当初は純正ECUの配線加工で対応させる予定だったが、当時実績ある方に作業をお願いしたものの思うようにいかず、不調のまま騙し騙し乗っていたという。
そこで思い切って別ショップへ作業を依頼。
LINK ECUに変えてセッティングを詰めたところ、ようやく調子良くなったそうだ。

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V8シルビアである事を象徴するロゴ。
オリジナルロゴを上手くアレンジしている。

こうして形になってきたV8シルビア。
エンジンやミッション、足回りなどまだやり足りないところもあるが、外装に関してはほぼ理想形で満足されている。
完成後の周りの反響を聞いてみたところ、実は内緒にしていた奥さんからは「あれ?SRってこんな形だった?」と呆れられたが「馬鹿だね~」と笑って許してくれたとか。
周りからも概ね好評のようで、奥さんと制作してくれた助川氏へとても感謝されていた。

さて、現在もV8シルビアがお世話になっているというスケカワオートボディ。
このS14シルビア制作に触発されたのか、なんと完成の1年後に助川氏はS13シルビアで同仕様を制作しており、あちこちのイベントやサーキットへ出没して楽しまれているそうだ。

型式は違えど同じV8シルビアの同志。
落ち着いたら助川氏のS13シルビアと一緒にサーキットを走りまわりたい。
最後にそんな夢をもじゃおさんは語ってくれた。
例えばV8シルビアのツインドリフトとか期待したいところだが。。。想像するととても痺れる光景が目に浮かんできた。
そんな日が来たら、ぜひ生で拝んでみたいと思う。

【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS

【取材協力 – オーナー】
もじゃおさん