Search for:
  • Home/
  • イベント/
  • カーボンの有用性を生かした工具 – ツールジャパン2022

カーボンの有用性を生かした工具 – ツールジャパン2022

20221105_ツールジャパン_東神電気_カーボン_レンチ

DIY、プロ用工具などが集まる日本最大級の商談展示会「ツールジャパン2022」。
今回は、東神電気株式会社が開発した画期的なCFRTP製工具を紹介する。

元来、工具はスチールやチタン、アルミ合金を素材に製造されるが、ここへ来てカーボン素材による工具も注目を集め始めている。
それは、東神電気が架線金物の製造販売や電材商品の販売を行う会社である事にも理由があるようだ。

日常生活では当たり前に目にする電線や電車の架線。
そうしたインフラの設置、点検、修理では高電流による危険が付き纏うが、金属製工具だと接触した際に火花が出やすく、条件次第では火災や爆発の元にもなる。
短絡させて機器を壊したりする危険もあるだろう。

東神電気では、新たなチャレンジとして自社の知見と技術を生かしたCFRTP製工具「Hi-5」の「カルブラック」シリーズを開発。
※CFRTPとは「炭素繊維強化熱可塑性樹脂」の事で、炭素繊維と樹脂の複合材。

軽くて錆びず、接触した際の火花も出なくてキズがつきにくいと多くの特徴があり、架線、電材開発での知見を生かした製品と言える。
さらに工夫次第で水にも浮きやすくなるため、船舶や海沿いでの作業にも適している。

自動車整備の面でもメリットは多そうだ。
バッテリー交換での安全性も高まるし、短絡させてショートさせる心配もなくなるだろう。
電装部品の交換、取り外しや、EVの整備では特に活躍しそうだ。

現在までにモンキーレンチとダブルレンチセットが発売されているが、金属製と精度は遜色なく、従来の工具と変わらず使えるようだ。
強度も一般的な使い方では問題ないが、例えば、レンチをナットに挟み込んだままハンマーで叩いたり、パイプを通して力点を遠ざけるような使い方はやめてほしいとの事。
購入した際は注意しておきたい。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
東神電気株式会社