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古いポルシェを扱える整備士を育てる

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旧車人気の高まる国内だが、それと同時に、修理に必要な純正部品やスキルを持つ専門ショップ、整備士の不足が問題になりつつある。
メーカー直系ディーラーや正規販売店に、修理やレストアを依頼するケースも増えているとか。
そこでポルシェ・ジャパン(株)では、旧車修理も対応できる自社整備士の育成に取り組んでいる。

写真はポルシェ 911カレラ (タイプ993)の1995年モデル。
社内では、これを教材車として使用。
先輩社員の指導の元、様々な箇所を弄りながら当時の車を学び、スキルの向上に励んでもらっているという。

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1995年モデルを示す仕様書の写し

例えば、空冷エンジンこそポルシェだと力説する方もいるほど、所謂クラシック・ポルシェのファン、愛好家は多い。
それだけにポルシェ・ジャパンでも、そうした方々もしっかりサポートしようと動き始めたようだ。

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取り外された水平対向エンジン

一般的なメーカー直系ディーラーの作業では、診断機を使っての点検や、不具合のある箇所の部品、Assy交換となるケースが多い。
そして、そこで携わる整備士も近年の車しか知見がなく、旧車ならではの故障、点検、整備事例がわからずお手上げ。
やむなく外部業者に委託するケースもあるという。

ただこの傾向も、中古車人気の高まりを受けてか、少しずつ変わりつつある。
国内メーカーの直系ディーラーでも、整備士教育の一環で旧車修理に取り組んだり、レストア事業を始めるところが出始めている。
まだ数は少なく、純正部品の不足や価格の高騰などで完璧な修理にまで至らない事もあるが、それでもファンにとっては朗報と言えるだろう。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS