インターコンチネンタルドリフティングカップ – 単走決勝
インターコンチネンタルドリフティングカップ 2017取材記事。
今回は初日LEG1での単走決勝の模様をお伝えする。
ヒュンダイ・ジェネシスクーペ、BMW M3など、日本のドリフト大会ではお目にかかる事が少ないマシンが軽快に単走(SOLO RUN)に挑んでいく。
その光景は、来場者にとても新鮮に映ったに違いない。
しかし、D1GPと比べていまいち迫力が劣っていたり、綺麗で単調なドリフトに終始するマシンが目立った。
もちろんお台場の荒れた路面に慣れていない面もあるだろうが、他国では独自基準で行われているドリフト大会もあり、そのほとんどはサーキットで競われていると聞く。
車両基準も日本で言うところのD1SLレベルがトップクラスを競っている所もあるようで、そうなるとD1GPのレベルを知っていないと同等の戦いは難しそうだ。
この日本と他国の違いは、後に開催される追走審査での遅延に繋がる事となる。
そんな中、やはり日本のトップドリフトドライバー達が鬱憤を晴らすような素晴らしい走りを見せてくれた。
TOYO TIRES GLION TRUST RACINGの川畑真人選手が、相棒の日産GT-Rで99.58点を叩き出し、1回目の走行で暫定トップに立つ。
唯一食い下がったライバルWANLI Fat Five Racingの斉藤太悟選手は99.50点で僅かに2位。
やはりこの2人による僅差な戦いになると思われた。
しかし2回目、斉藤太吾選手がきた。
今回の愛機であるHKSサポートの日産・GT-Rで寒気も感じる走りを披露。
ただ1人100点代の100.42点をゲット。
圧巻のLEG1単走優勝を達成した。
暫定トップだった川畑真人選手は2回目ではさらに攻めるも、ミスも重なり逆に得点を下げてしまい結果LEG1単走は2位。
初のドリフト世界大会で初代チャンピオンを得たい日本のTOYO TIREにとっても、悔しい結果となった。
LEG1単走3位はTeam MAXXOIL Racingのチャールズ・ウン(Charles NG)選手。
1回目は97.19と順位を落としたが、2回目は慣れてきたのか愛車の日産・180SXで迫力の増す走りを見せ、見事98.96点を獲得した。
車はタイから持ってきたばかりで練習走行もままならず、マシンもお台場の路面に合わずで苦戦していたようだが、セッティング変更が功を奏した事でそれも改善した様子。
チャールズ選手は、日本のスーパー耐久へも参戦経験があり日本をよく知っている。
またWTCCやフォーミュラドリフトへの参戦経験も豊富で、環境に対しての順応性が高そうだ。
さらに慣れてくると怖い存在になるかもしれない。
追走前。現FIA会長のジャン・トッド氏が来訪した。
前会長のマックス・モズレー氏の後を受け、2009年から本職に就いているトッド氏。
モータースポーツファンの中には、プジョーのラリーチームとSWCチーム、フェラーリF1の元チーム監督してお馴染みだろう。
プジョーを常勝チームへ引き上げ、ミハエル・シューマッハと共にフェラーリF1を勝てるチームへ立て直した手腕は、現在もFIA国際モータースポーツ連盟の場でいかんなく発揮されている。
当時はF1マレーシアGPが開催中で多忙だったはずだが、スケジュールを調整してわざわざ来訪した事からも、会長自身、新たなモータースポーツカテゴリー誕生へ高い関心を寄せていると言えるだろう。
追走前でスタンバイするマシン達。
談笑する選手もいたが、ほとんどの選手は緊張の面持ちだ。
世界ドリフトチャンピオンを本気で狙っていこうとする意気込みがひしひしと感じられる。
追走ではどのような戦いが繰り広げられるのだろうか?
今回はここまで。
次回は追走決着の模様をお送りする。
【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)
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FIAインターコンチネンタルドリフティングカップ(FIA Intercontinental Drifting Cup)事務局