SDV 対応メータークラスター でAPI標準化を目指す【人とくるまのテクノロジー展2024】
SDV 対応メータークラスターとは、(株)CRI・ミドルウェアが取り組む API 標準化に向けたデモ機で、自社開発のツールソフト「 CRI ADX Automotive 」と「 CRI Glassco 」で製作されたデザインデータを転送する事で、個性あふれるメーターコンテンツを展開できる。
人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA で好評を博していた本機だが、 NAGOYA 会場 では、新たな活用事例としてインフォメーションコンテンツを表示する変更が加えられていた。
このメータークラスター、いわゆるプラットフォームという位置づけであり、サードパーティーによる様々なコンテンツを展開するシステム構成となっている。
イメージとしてはメータークラスターがスマホで、コンテンツがアプリと思ってもらえたらいいだろう。
今回は位置情報を用いたデモが紹介されたが、もちろんそれだけでなく、車の状態や外気温、日時といったパラメータを活用する事で、その時々に合わせたコンテンツをクラスター上で表示、操作させる事も考えられる。
API 標準化により、車載 OS 問わず搭載が可能。
サードパーティーにはゲーム・ディベロッパーやWEB制作会社、コンテンツクリエイターといった異業種からの参入も期待できるだろう。
デザインや各種コンテンツも車やオーナーに合わせて選択させる事もできるため、 普及が進めば、外観は同じでも機能は別物という状況も生まれそうだ。
ところで、今年の5月に経済産業省が策定した「モビリティDX戦略」を見ると、2030年には全世界の日系SDVシェアを3割にする事を目標に掲げている。
国内自動車メーカーでもSDVへの施策を次々と発表しており、業界全体がその方向へシフトしつつあるが、これまでにない事でもあるため、それに合わせた開発フォーマットの構築や法整備が急がれる。
今回のメータークラスターで言えば、ドライバーの視線を集中させすぎると安全性に懸念があるが、自動運転中なら問題にならないため、その線引きをどうするかを決めなければならない。
その他、セキュリティ面やフェイルセーフ、ジェイルブレイク対策など検討事項は山積みだが、CRI・ミドルウェアでは早期のSDV普及を目指すべく、製品開発だけでなく法整備や環境作りでも貢献したいとしている。
【ニュースリリース】
CRI 、「 SDV 」の API 標準化に向けたミドルウェアを開発へ
【取材・文】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力】
(株)CRI・ミドルウェア
公益社団法人自動車技術会