チーム無限 レースエンジニアの特別講義 – 学生フォーミュラ 名城レーシングチーム体制発表会

チーム無限 と言えば、国内モータースポーツのスーパーフォーミュラ、スーパーGTで活躍するトップレーシングチーム。
そこで活躍する現役レースエンジニア「一瀬 俊浩」氏による特別講義が、学生フォーミュラに参加する名城レーシングチーム体制発表会の場で開かれた。

レーシングドライバー「野尻 智紀」選手の担当でも知られる一瀬 氏だが、実は名城大学 学生フォーミュラチームOBの顔も持っている。
今回、母校の後輩達から依頼があり、なんとか力になりたいと、チーム無限を運営する（株）M-TEC社内で協議。
将来を担う若者達の一助になるならと快諾し、実現する運びとなった。

今回の講義は、主に学生フォーミュラに取り組む学生が対象で、これから製作したマシンで走行テストや大会に挑む若者達のために、プロのレースエンジニアが行ってるセッティングやチームオペレーションの基礎知識、考え方をアカデミックな面まで掘り下げて解説。

その後、レースチームへの就職をテーマに、組織形態や各役職の役割、レースウィークでのエンジニアの一日、求められる能力などが説明されたが、こちらは合間に笑いが起きるなど、和やかな雰囲気で進められた。

会場となった幸田サーキットyrp桐山のミーティングルームには、名城レーシングチーム以外にも、多くの学生フォーミュラチームが聴講に訪れていた。

お話の現役学生は今まさに取り組んでいる事であり、誰もが真剣に眼差しで聞き入っていた。
メモや議事録を取る学生もちらほら見え、合間に行われた質疑応答でも熱が入るなど、雰囲気はまるで大学の講義のよう。
その真剣さに一瀬 氏も応えたいと、終了後の質問攻めにも快く応じていた。

参加者の声

• とても満足度が高く、非常に有意義な講演でした。
• この忙しい時期に、このような会を着実に遂行した名城大学さんのマネジメント力には感動しました。
• スポンサー活動のひとつとして、今回のような披露会は非常に刺激的で参考になりました。
• 車両運動の基礎、エンジニアの役目、セットアップ方法などの話では、これから走行テストやデザイン提出がある私達にとって、着目すべき新たな視点が見つけられました。
• 自分達の取り組み、考え方を改めて整理できました。

チーム無限 一瀬 俊浩 氏（スーパーフォーミュラ 16号車 チーフエンジニア / スーパーGT ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT パフォーマンスエンジニア）

— 本日はお疲れ様でした。
— 講義を終えての率直な感想を聞かせて下さい。

講義の合間、何人かの学生と質疑応答を行ったのですが、出てきた回答が自分が用意していた答えとぴったりで、とても驚きました。
自分が学生の頃、果たして同じ答えが出せただろうかと思いましたね。
今の学生達は学生フォーミュラに対し、自分が現役の頃よりも高いレベルで取り組んでいるように感じました。

— 学生達に対して期待したい事、目指してほしい事があれば聞かせて下さい。

社会人になるとがんじがらめになったりで、やりたい事もやり難くなったりします。
しかし、学生フォーミュラは自由度の高いレギュレーションの元で行われます。
せっかくの機会です。
枠に囚われず、自分のやりたい事を積極的にやってもらえたらと思います。
それで結果が付いてくれば良し。
そうでなくとも、それまでの過程から得た様々な学びを、自分自身の知見として今後に生かしてもらいたいですね。

【取材・文】
編者（REVOLT-IS）
【取材協力】
無限 MUGEN – （株）M-TEC
名城レーシングチーム
幸田サーキットyrp桐山
多賀稔晃（鈴鹿サーキット公式レースアナウンサー）