変速機開発とレタス栽培?ジヤトコの考える人財とSDGsへの取り組み【ニスモフェスティバル】
ようやく冬到来の富士スピードウェイで、今年も日産・ニスモファンの祭典「ニスモフェスティバル」が開催された。
今回は出展ブースの中から、自動車用の各種変速器を開発するジヤトコ株式会社の展示を紹介する。
ジヤトコは主に自動車に採用される部品を手掛けており、モータースポーツでは、スーパーGTに参戦するニスモの23号車を応援している事でも知られている。
ブース内には最先端のEV用CVT、パワートレインなどが多く展示されていたが、中でも異彩を放っていたのがレタスとハーブティー。
これらはジヤトコが雇用する障害者の方々が育てたもので、レタスは生産拠点のある富士第一地区内に設置されたジヤトコグリーンファーム内で、ハーブティーは神奈川県にある海老名農園で作られたという。
なぜ障害者が?なぜ自動車部品メーカーのジヤトコが野菜栽培を行っているのか?
ジヤトコでは働き方の多様性に対応した職場作りに取り組んでおり、性別や国籍、ライフスタイルに関係なく、今回取り上げる障害者の方でも職域に関わらず雇用を進めている。
その人が力を発揮しやすく、働きやすい職種、現場への人財配置を行っているそうで、今回のグリーンファームや農園での雇用もその一環によるもの。
そして、そうした方々が育てている野菜とハーブティーは、ジヤトコが取り組んでいる社会貢献活動の中で行っているもので、特に利益を得るような販売は行っておらず、こども食堂や生活困窮者などへの無償提供や、自社イベントでのノベルティやお土産品、自社食堂などへ使われるという。
この他、物作り技術者の育成にも力を入れており、学生フォーミュラやそれに参加する静岡大学SUMチームを積極支援。
今回のニスモフェスティバルでもメンバーを招いて本番車を展示させ、学生達に来場者へのPRを促していた。
珍しいレーシングカーなのと、希望者はコクピットに座れるとあってか開場直後からなかなかの賑わいで、その盛り上がりはジヤトコ担当者が時折フォローに入るほど。
学生達にとって良い機会になったようだ。
雇用の創出から人の支援、人材育成、柔軟な働き方が出来る環境作りと、まさに人財のSDGsを確立しつつあるジヤトコの取り組み。
一つの指標として、ぜひ注目頂きたい。