JTCC はフォーミュラカーのような乗り味 – プリメーラカミノ
今年もニスモフェスティバル2024では、過去の日産レーシングカーの運転席を体験できるエリアが設けられていたが、その中で個人的に目を惹いた一台がある。
それは JTCC のレーシングカー「日産・プリメーラカミノ(P11)」。
JTCC とは1994年から1998年まで開催されていた全日本ツーリングカー選手権で、このマシンは1997年に本山哲 選手が駆ったマシンと思われる。
当時、”喧嘩バトル”という言葉が似合う程の激しいレースが展開されていたが、果たしてドライバーはどのような環境で戦っていたのだろう?
良い機会なので編者も座ってみる事にした。
気になったのはやはり着座位置。
とても低く、4ドア車なのに車体の真ん中に座らされるようになっている。
センターピラーで顔が隠れがちになるため、人によっては見えなくなるかもしれない。
例えるならF3といったフォーミュラカーに近いポジションで、そこに4ドアセダンのボディが被さったような印象を受けた。
当然、そのような着座位置なので視界は最悪。
フォーミュラカーだとオープンコクピットだが、こちらはクローズド。
ボディに囲まれているうえ、視界のほとんどがダッシュボードという状況もあったように思う。
当たり前だが車両感覚を研ぎ澄ませておかないと、とてもじゃないがレースは出来ないだろう。
接触が多かったのも頷けるし、例えば市販車改造のツーリングカーレースしか経験のないドライバーだと、慣れるまでが大変だったのではないだろうか?
個人的に良い印象を持ったのが、ステアリングの直ぐ近くに設置されたシフトレバー。
今やレーシングカーなら当たり前に備わっているIパターンのシーケンシャルシフトだが、国内での導入が始まったのはJTCCが行われていた時代。
このマシンもホリンジャー製の6速が搭載されていた。
運転席に座ってそれを確認してみたが、頻繁なシフト操作が起こるモータースポーツはもちろん、トルクバンド、パワーバンドの狭いマニュアルのスポーツカーも、この位置でシフトチェンジできると気持ちよく走れるのではと感じた。
【取材・文】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力】
NISMO
日産モータースポーツ&カスタマイズ(株)