半導体冷却 を薄型チップが発生させる風で行う – CEATEC 2024
半導体冷却 は車、モビリティ開発でも重要課題となっている。
水冷、空冷と様々な製品、手法があるが、そこへアメリカ/台湾の電子機器メーカー「 Frore Systems 」は冷却チップで風を起こすという世界初の技術を開発してきた。
こちらがその冷却チップ「 AirJet 」。
会場ではちょうど、チップから生み出される風で風車を回すデモンストレーションが行われていた。
ご覧の通りコンパクトで薄型形状となっているが、どうやってこれだけの風量を生み出しているのだろう?
それは、チップに用いられるピエゾ素子(圧電素子)の特性と、扇子を仰いで風を起こす原理に秘密がある。
この素子は電気を流すと変形、振動する特性を持っており、一般ではスマホのバイブ機能や電動歯ブラシなどで使われている。
Frore Systems では、その振動による空気の圧力変動に着目。
その変動を利用して気流を生み出し、冷却に必要な風量を作り出してきた。
結果、消費電力と騒音レベルを大幅に抑えながら、5.25Wレベルの熱の除去を達成している。
今や半導体はPCやスマホ、カメラ、家電、車など様々な製品に使われており、それぞれに求められる要求性能も違ってくる。
そうした用途に対応するべく、現在までに4つの製品(AirJet® Mini、AirJet® Mini Slim、AirJet® PAK、AirJet® Mini Sport)と開発者向けキットがリリースされている。
それぞれ高い防塵性能を備えており、一部には防水性能まで付与されているものもある。
まずは一度、各仕様をチェック頂きたい。
【取材・文】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力】
高千穂交易株式会社
Frore Systems
CEATEC
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)