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静岡大学 の挑戦 – 学生フォーミュラ2024レポート

20240929_静岡大学_学生フォーミュラ_愛知スカイエキスポ_01

静岡大学 浜松キャンパスを拠点に学生フォーミュラに参加する Shizuoka University Motors (以下、SUMと呼称)。
昨年はEVクラスへの移行後、初めて動的審査に進出。
残念ながらエンデュランスで途中リタイアしたものの、今後に向けて大きな一歩を踏み出す事が出来た。
新ステージの愛知スカイエキスポで初完走が期待されたが、今年は試練が待ち受けていた。
その様子をお伝えしていく。

洗練されたエアロスタイルと、昨年とはまた違った艶やかなカラーリングが目を引く今年のマシン「SE-124」。
ヘビー級だった昨年型を見直し、軽量化をコンセプトに運動性能の向上を目指して開発された。

マシン諸元を見ると、全高とホイールベースが100mm以上短くなっており、前後トレッドが100mm近く拡大しているのが目につく。
車重は前年モデルが282.7kg、今年は260kgと約20kgの軽量化を果たしたようだが、実は前年表記は謝りで、実際は300kg近くあったと言われている。

今年の数値が正確なら、およそ50kg近い軽量化を果たした事になる。
またリアヘビー傾向だった重量配分も、幾分フロント寄りに緩和されているようだ。

その他、細かいところではタイヤのリム幅も大きくなっており、コンパウンドも固めに変更。

一連のEVユニットは昨年と同様だが、昨年のトラブルの見直しを行いながら、SUM Tronic TCSなる新機軸を追加するなど新たな試みも見られる。

シェイクダウンは予定より遅れ、大会の2週間前に完了。
一抹の不安を残したが、その様子を見るかぎり速い旋回性能を発揮するなど、愛知スカイエキスポでの活躍が期待された。

では、今年のSUMを振り返ってみよう。

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作業中のメンバー
20240929_静岡大学_学生フォーミュラ_愛知スカイエキスポ_03
車検の様子

静的審査(※カッコは2023年の順位)

  • プレゼンテーション:24位(29位)
  • デザイン:27位(16位)
  • コスト:69位(58位)

静的総合:38位(30位)

動的審査(※カッコは2023年の順位)

  • アクセラレーション:-位(19位)
  • スキッドパッド:-位(23位)
  • オートクロス:-位(25位)
  • エンデュランス:-位(27位)
  • 効率:-位(4位)

動的総合:-位(23位)

総合:48位(21位)

残念ながら動的審査に進出できず、順位を大幅に落とす結果に。
これにはリーダーはじめメンバー全員、重い表情を浮かべていた。

何があったのか?
お話を伺ったところ、今年度に向けた動きだしが遅かった事、全体のスケジュール管理を上手く行えず遅延が発生してしまい、全ての作業が後手後手にまわった事をあげてくれた。

同チームは個々の技術やメンバー全員のモチベーションは高く、広報や対外折衝に向けた取り組みにも積極的で企業側からの評価も高い。
特に後者は、プレゼンテーションの評価にも繋がっているようだ。

そして昨年のマシンからも技術レベルが落ちたとは考えにくく、実際、機械車検は全て通過しており、4行程あるEV車検のうち、3つ目までは通過している。
しかし肝心の動力バッテリーでトラブルが発生。
充電が出来なくなっており最後の行程を通過できず、今回涙を飲む事となった。

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多くの課題を残したまま、既にチームは翌年に向けて動きだしている。
激化するEVクラスにおいて多くのチームが台頭しつつあるが、ここは一旦周囲は置いておき、まずは完走するマシンを制作する事が第一。
元々ポジティブな要素が多いチームなだけに、あとは目的をメンバー全体で共有する事、目的に向かってまとめていく事が重要になってくるように思う。

来年、リベンジを果たしてくれる事を期待したい。

【取材・文】
編者(REVOLT-IS
【取材協力】
公益社団法人 自動車技術会
Shizuoka University Motors