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フォーミュラEで磨かれるダウの自動車向け最先端素材技術フォーミュラEで磨かれるダウの自動車向け最先端素材技術

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ダウがサポートするジャガーTCSレーシングのフォーミュラEマシン
EV開発など、カーボンニュートラルやSDGs(持続可能な開発目標)に向けた取り組みが世界的に加速する中、自動車をはじめ様々な製造業と連携するケミカル・素材メーカーでも、こうした取り組みを取り入れた製品開発に鎬を削っている。

その中の一つ、アメリカのミシガン州ミツドランドに本拠を置くダウでは、EVモータースポーツ最高峰のフォーミュラEへ参戦するジャガーTCSレーシングチームとオフィシャルパートナーシップを締結。
ダウが展開中のモビリティサイエンス(MobilityScienceTM)と呼ばれるプラットフォームを通し、各種製品や材料工学のノウハウをチームへ提供している。
ダウがサポートするジャガーTCSレーシングのフォーミュラEマシン
ダウがサポートするジャガーTCSレーシングのフォーミュラEマシン
ジャガーTCSレーシングとは、イギリスの高級車メーカー「ジャガー」が擁するレーシングチーム。
ジャガーでは、環境保護とサスティナビリティ(持続可能性)なモータースポーツを目指すフォーミュラEを次世代車両の技術開発やPRの場として捉えており、サスティナブルな新素材の採用やパワートレイン等の自社開発に取り組んでいる。
また自社EVの「i-PACE」によるサポートレースを開催するなど、フォーミュラEに対し積極的な関わりを見せている。
ジャガーTCSレーシングのフォーミュラEマシン各部に、ダウの技術が生かされている
ジャガーTCSレーシングのフォーミュラEマシン各部に、ダウの技術が生かされている

そんなジャガーTCSレーシングとダウがパートナーシップを結んだのは2020年のシーズン7開幕前。
これまで、以下のモビリティサイエンステクノロジーが盛り込まれている。

【電子制御ユニット(ECU)】
・シリコーン接着剤や放熱材料、コンフォーマルコーティングが用いて構築された車載コンピュータやコントロールモジュール。
【インバーター】
・シリコーン接着剤や放熱材料、コンフォーマルコーティングを用い、パワーエレクトロニクスの性能向上に貢献。
【シャーシ、アンダーボディ】
・金属塗装向けの水系アクリルポリマーを使い、耐腐食性向上に貢献。
【ファスナー、コネクター】
・機能性ポリオレフィンによるエンジニアリングポリマーの強靭性、耐久性の向上。
【ギアボックス、電気モーター】
・特殊潤滑剤や冷却材を用いてギアボックスの効率を上げている。
【バッテリー】
・シリコーンやポリウレタン製のギャップフィラーや封止材、シーラントを用い、高性能かつ安全性の高いバッテリーを構築。
【センサー】
・EMI(電磁波)対策として、導電性シリコーンを用いられている。

どれも量産EV車では欠かせない要素であり、フォーミュラEが市販車開発と密接にリンクしている事が窺える。
そんなダウについてもう少し掘り下げてみよう。

世界中に多くの支社や開発・製造拠点を抱えるダウだが、日本にもダウ日本グループが組織されており、ダウ・ケミカル日本株式会社ダウ・東レ株式会社の2社が、製品の研究開発と国内展開を推し進めている。

ダウのモビリティサイエンスプラットフォームが担う製品には「静粛性」、「E-モビリティ」、「自動運転」、「コネクティビティ」、「軽量化」、「快適性」、「安全性」という7つのテーマがあり、これらを達成するべく多種多様な製品が用意されている。
いくつか上げてみよう。

「静粛性」
製品名:塗布型制振材用アクリル樹脂(ACOUSTICRYL TM Emulsion)
・この樹脂は、塗布する事で制振性能の向上やスマートノイズ管理、さらに軽量化にも寄与してくれる。
他、カスタマイズやモデルチェンジにも柔軟に対応でき、VOC(揮発性有機化合物)やCO2(二酸化炭素)の低減といった環境保護の面でも効果が期待できる。

「E-モビリティ」
製品名:2液室温速硬化型接着剤
加熱オーブンを使用せず常温下での短時間硬化/接着が行えるもので、24時間以内で疑集破壊率100%という高い接着性を誇る。
インフラに左右されず各種金属や樹脂類にも使え、高温、高湿下でも良好な接着信頼性がありと、その用途は幅広い。
また製品は低分子シロキサンが低減されたものとなっており、その他、製造ラインからの温室効果ガス排出量を低減させたりと、環境にも配慮されている。
高放熱シリコーン材料
高放熱シリコーン材料

「自動運転」
製品名:高放熱シリコーン材料
電子基板とそれを収める部品との間に挟み込むもので、充填剤かつ電子基盤からの排熱という役割を果たしてくれる。
放熱シートでは困難だった狭い箇所や複雑な造形部分にも使う事ができ、放熱グリスを使う必要もなくなるため、クラックやポンプアウトに悩まされずに済む。
基盤との粘着性・密着性は良好で、硬化後は高い垂直保持性と信頼性を有するようになる。
EMIシールド材料
EMIシールド材料

「コネクティビティ」
製品名:導電性接着剤
各種電子機器に障害や悪影響を引き起こす電磁波を防ぐEMIシールド材料であり、ガスケットなど隙間を埋めたい箇所に用いる事で高いシールド性を発揮する。
柔軟性があり、幅広い周波数にも対応。
製品も湿気硬化型から加熱硬化型、高い接着強度が必要とされる箇所への対応品など、用途別に数種類取り揃えている。

「軽量化」
製品名:ポリオレフィンエラストマー(POE)
再生可能原料を使用して製造される素材で、特長として丈夫でありながら柔軟、強靭で扱いやすい事があげられる。
自動車の内装外装等に用いられるが、アイディア次第で様々な箇所での応用にも期待できる。
シリコーン合成皮革
シリコーン合成皮革
シリコーン合成皮革を使ったシートサンプル。 スッと軽く沈み込むような自然なフィット感で、触った感触含めとても心地よかった。
シリコーン合成皮革を使ったシートサンプル。
スッと軽く沈み込むような自然なフィット感で、触った感触含めとても心地よかった。

「快適性」
製品名:シリコーン合成皮革
他にはないプレミアムな触感を目指して開発された合成皮革で、製造では低環境負荷材料が用いられる。
耐摩耗性、耐UV性能、耐水性、難燃性、強度といった評価項目において、北米の自動車シート用合成皮革要求各種摩耗性試験やキセノンアーク投光による染色堅牢度試験などいった厳しい基準にもパスしており、汚れも簡単に拭き取れるなど自動車の内装材として申し分ない性能を持っている。

「安全性」
製品名:バッテリー延焼防止用シリコーン材料
高温となるEVバッテリーの延焼や熱伝播の防止に効果があり、バッテリーセル間を埋める断熱材として用いられる。
低粘度で室温硬化。
-40~200℃以上という幅広い温度領域下で使用でき、腐食リスクも低く、高温下での絶縁性も維持できる。
またバッテリーセルとの分離も容易で、単体での回収も可能となる。
シリコーンフォーム材料
シリコーンフォーム材料

現代の自動車開発は求められる技術水準が高く、また複雑化の一途を辿っている。
部品やケミカル、素材メーカーもさらに技術を磨き続けなければならないが、近年は環境保護という要素も加わってきた事で、その難しさは一段と上がっている。
それだけに、カーボンニュートラルやSDGsを強く意識しながらも、これまで以上に高い性能を持たせた製品を生み出したダウの技術力は驚くばかり。
その真価を、早く市場で体験してみたい。

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