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工学院大学八王子キャンパスの挑戦 - 学生フォーミュラ2022チームプレイバック工学院大学八王子キャンパスの挑戦 - 学生フォーミュラ2022チームプレイバック

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工学院大学KRTの学生フォーミュラマシン
3年ぶりなリアル開催が叶った”学生フォーミュラ”。
物作りを学ぶ学生達の”甲子園”とも言うべき本大会へ各チームどのように臨み、どのような結果が得られたか?
今回は工学院大学八王子キャンパスからエントリーの学生フォーミュラプロジェクト”KRT”をピックアップしてみた。

KRTとは”KOGAKUIN RACING TEAM”の略。
人数49名、
チーム代表の下に車両を統括するテクニカルディレクターを配置。
その下にエアロ班、パワートレイン班、シャシー班、足回り班という4つのセクションを設け、それぞれのセクションリーダーが班を統括するチーム構成となっている。
週一回のミーティングで各班の進捗や認識を確認しつつ、担当パートの制作を進めてきた。

こちらがKRTが製作した学生フォーミュラマシン。
フロントビュー
フロントビュー
特徴的なマフラー配置とインボードに搭載のダンパーが見える
特徴的なマフラー配置とインボードに搭載のダンパーが見える
リアサスペンションとタイヤ、アップライト周りなど
リアサスペンションとタイヤ、アップライト周りなど
フロントサスとサイドポンツーンのアップ
フロントサスとサイドポンツーンのアップ
コクピット
コクピット

エンジンはホンダバイクCBR600RR用PC40Eを搭載。
駆動系はチェーンドライブで、MRレイアウトによるパッケージとなっている。
両サイドにはサイドポンツーンがあり、その中にラジエターがセットされる。

リアサスペンションはインボード式。
ダンパー位置を中央に寄せつつも取付点の剛性が高められるよう、リアから見て逆ハの字気味な配置がなされている。
こうして見ると、一定の範囲内に全てのユニットが収まるように感じられるがそれもそのはず。
元々エアロデバイスの装着を前提とした設計であり、余計な突起物で気流の流れを阻害しないよう考えられている。

エキゾーストは一般的な前方排気ではなく後方排気。
マフラー出口を上に向ける”かち上げ”式となっている。
これは、両サイドへのラジエター配置でマフラーの居場所が無くなった事によるもの。
ただこのレイアウトは騒音試験での反響音を抑える効果が高いため、マフラー出口を地上から60cm以内とするレギュレーションの範囲内に収まるよう工夫されている。
さらにマスの集中化をなるべく阻害せぬよう、マフラーはカーボンとアルミで制作。
これにより1kgの軽量化が達成されている。

前述の通りエアロデバイスを装着する前提からか、多くのユニットを車両枠内に納めようという意図が感じられたKRTのマシン。
各部品やシャシーとのクリアランスもギリギリまで詰められている。
ただなんでも詰めればいいというものではなく、例えば、コクピット内のファイアーウォールがドライバーを圧迫しないようにや燃料タンクはフローティングを維持しなければならない等あるため、部品や組みつけに高い精度が要求される。
そのため、シャシー制作用の治具作成がなかなか大変だったと語ってくれた。

では大会結果を見てみよう。
事前に行われた書類提出、シェイクダウン証明提出、オンラインによる静的審査、動的審査では以下の結果となった。

ESA/ESO, SES, IAD, ESF, and FMEA:ペナルティ無し
デザイン審査:27位
プレゼンテーション審査:9位
コスト&製造審査:29位
シェイクダウン証明:承認
アクセラレーション:7位
スキッドパッド:4位
オートクロス:11位
エンデュランス:11位
燃費:8位
総合:7位

静的審査に波はあったものの動的審査で安定した結果を残した事で、過去最高の総合順位を得る事となった

まず静的審査について。
最初にコスト審査。
これまでペナルティをいかに無くすかを意識して取り組んできたが、今年は高得点をあげて総合順位をあげる方向へ意識を向け、メンバー全員で協力して取り組んできた。
何点かミスがあり点数が伸びきらなかったものの、メンバー全員の良い意識改革に繋がったのではと前向きに捉えている。

次にプレゼン審査。
チーム史上2番目に高い順位となったが、昨年が46位だっただけに大きな飛躍を果たしたと言える。
その要因として新しい取り組みを取り入れた事や練習時間の増加、発表方法などを工夫していった事をあげて頂いた。

最期にデザイン審査。
想定より伸び悩んだ結果となったようで、その原因として事前に定めた目標順位、目標点数に対し、その車両諸元でなぜそれが達成出来るのか?なぜその技術が必要なのか?といった説明をし切れなかった点をあげている。
物作りのプロなら当たり前に求められる要素なだけに、人材育成も目的の一つとなる学生フォーミュラでも相応に見られたようだ。
この点を強化するにあたり、来年はVプロセスの中間行程を特に意識して改善に取り組みたいと語ってくれた。

今度は動的審査について伺ってみた。
本取材はエンデュランス走行前のものだが、今年のチーム目標として最終日への出走を掲げていたのもあり概ね満足しているという。
ただスキッドパッド、アクセラレーションについてはマシン性能を引き出せたとは言えず、本来なら2位、1位を狙えたはずと悔やまれていた。

この時点でも過去最高順位。
翌日のエンデュランスでは完走を目標にチーム、ドライバーともしっかり仕事をしていきたいと意気込んでいたが、目標通り無事完走。
こちらも高い順位を記録した事で結果は総合7位。
これまでにない素晴らしいリザルトを残してくれた。

完成し切れなかった部分や制作中も多くの問題は出たものの、それらをまとめあげて過去最高順位へと上り詰めたKRT。
その奮闘のかいもあり、日本自動車工業会会長賞まで受賞した。
チームのモチベーションは高く、また問題に対する分析、改善の方向性も明確なようなので、来年は総合優勝争いに食い込んでくるかもしれない。

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