すばらしい好天に恵まれたニスモフェスティバル2017。
多くのモータースポーツ車両、チューニングカーやブースが居並ぶ中、ひと際目を引いたのが、今回紹介するレストア、パーツ再生産に向けたサービスである”ニスモヘリテージパーツプログラム”のブースだ。
ヘリテージとは日本語で遺産、受け継いだもの、代々継承していくものという意味。
プログラムの詳細については、以下を見て頂きたい。
NISMOヘリテージパーツプログラム
今回は第1段として BNR32 日産スカイラインGT-Rに絞ったパーツ供給となる。
親会社である日産自動車、関連の部品メーカー、パーツサプライヤーに協力を仰ぎ、既存の生産設備を使ってパーツ生産を行う。
名車R32スカイラインGT-Rとはいえ、生産終了してから既に20年以上経過している。
専用パーツを開発する設備、例えば金型など、とっくの昔に朽ちて廃棄されているものとばかり思っていたが、意外と今でも作れる設備があるようだ。
とはいえ、さすがに今と当時とは状況も環境も違うため、当時と同じ価格での提供。。。というわけにはいかないらしい。
気になるのがニスモヘリテージパーツプログラムの今後の展開。
一応プログラムでは、BCNR33、BNR34と拡充させていきたい意向のようだが、当然、日産車ファンとして気になるのが、GT-R以外の部品供給だろう。
フェアレディZ、シルビア、180SXなど、他にも日産には数多くの名車があるし、今でも若者を中心に熱狂的な支持を集めている。
それらに対してもやってもらえるのだろうか?
検討されているのか?
結論から言えば、答えはNOだ。
その理由として、ニスモヘリテージパーツプログラムをやれる環境も予算も人員も、非常に限られているからという。
特に世界戦略車であるフェアレディZに限っていえば、対象は世界規模となる。
そこへパーツ供給をやろうとなると、市販車を量産して送り出す規模と予算が必要となる。
現状では採算も全く取れないという。
スカイラインGT-Rをニスモヘリテージパーツプログラムの対象に選択したのもその点にある。
まず日本国内専用車である事。
日本国内だけであれば、なんとかなりそうな目途が立った事。
そして世代を問わず多くのファン、オーナーがいる事。
オリジナルコンディションで長く乗られている方が多い事。
そして要望が一番多かった事。
ちょっと残念な気持ちにもなったが、小規模とはいえ、ヨーロッパや諸外国では当たり前だった事が、日本国内でもようやく始められた事に喜びも感じている。
自動車先進国と言われてきた日本も、文化面でようやくスタートラインにつけたわけだ。
後は長く続けていくだけだが、全ては我々ユーザー次第。
メーカーの心を動かせるよう、常に要望をあげていきたいものだ。
【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)
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NISMO ヘリテージパーツプログラム