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チューニングパーツはセッティングしよう(エンジン編)

20170923_エンジン_セッティング

”愛車の性能を上げたい”
”愛車の真の性能を引き出したい”

自動車チューニングに手を出す方は、こう思っている方が多いのではないだろうか?

昨今、いわゆるポン付けパーツの普及により、昔に比べれば自動車チューニングがやりやすく、お手軽感が増したように思う。
イエローハットなどの自動車用品量販店でも、昔は専門チューニングショップの専売特許だったターボ装着やECUセッティングまで行うところが増えてきており、その傾向を強く感じてしまう。

とは言え、走っている距離や普段の扱い方、年式、純正パーツの質、元々施しているチューニングメニューなどなど、同じ名前の車でも、どうしても車本体の個体差が出てしまう。
そうなると、ある車専用のパーツを付けたからとはいえ、メーカーが言う性能が100%必ず出るとは限らないわけだ。

また、仮にポン付けパーツ装着だけで大幅な性能向上を果たせたとしても、実はまだ伸び代が多くあったり、反対に、それを付けた事で別のトラブルの引き金を引いてしまう可能性だってある。
簡単に1+1=2とはならない。
1+1=0.2かもしれないし、1+1=-1だってありえる。

様々な要素を考えると、やはり各々の車に合わせたセッティング作業は重要。
そこで今回はエンジンだけに絞り、2つのチューニングパーツ取り付け事例を紹介しながら、編者の考えを交えてセッティングの重要性を考えてみたいと思う。

こちらは日産スカイラインGT-R(BNR34)に積まれた RB26DETTエンジン。

このエンジン、実はスロットル系をシングルスロットルに変更している。
ちなみにノーマルだと、各気筒に一つずつの6連スロットルが備わっている。

詳しい理屈は専門書籍、専門サイトに委ねるとして、一般的に4連や6連などの多連スロットルは高回転を多用する方向け、シングルスロットルは低中速を多用する方向けのチューニングとされている。
今回のオーナーさんは街乗り重視で、誰でも扱いやすいようなエンジン特性を求めていたが、当時の6連スロットル仕様だと5番と6番の燃焼状態が良くなく、理想の特性になかなかならなかったらしい。

そこでショップの勧めもあり、シングルスロットル化に踏み切った。

当然パーツをそのまま付けただけでは効果は薄い。
スロットル変更によりエンジンへ送りこまれる空気の流入速度も密度も変わってくるため、それに合わせたセッティングを行う必要がある。
なによりエンジンの求める最低限の流入空気量と空気密度を確保しなければ、最悪エンジントラブルを誘発させてしまう。

一時的に空気をため込み、空気密度を高めてエンジンへ送りこめるようにする専用サージタンクへの交換、変化した空気量や密度に合わせた燃料噴射の調整、燃料補正はまず行っておくべき。可能ならエアフィルターインテークパイプ類も見直したほうがいいだろう。

そうして、シングルスロットル化を最大限に生かせるよう各部のバランスを見ながらセッティングしていった結果、街乗りや発進加速の多い場所でとても乗りやすくなったそうだ。なにより、身内の年配の方でも楽に乗れるようになった事が大きいとオーナーさんは語っている。
もちろん懸念となっていた5番と6番の燃焼状態も良好との事だ。

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こちらは日産フェアレディZ(Z33)に積まれたVQ35DEエンジン。
注目はコスワース製のエンジンヘッドだ。

ざっくり言うと、内部はエンジン側の口を小さくしたファンネル形状の空気吸入経路で構成されている。
ファンネル形状にする事のメリットは、入り口を大きく、出口側を小さくする事で空気密度と圧力を高め、空気の流速を早くできる事にある。

察しの言い方はお気づきだろうが、ターボスーパーチャージャーといったの過給機と同じような効果を狙ってる。
ただターボは排ガススーパーチャージャーは機械的に行っているのに対し、このチューニングは、あくまで自然の流れで行っている点にある。
当然、過給機のほうが効果は大きいが、今回の事例ではコスワース製エンジンヘッドの交換だけでOKとかなりシンプル。
今でこそ過給機の制御技術が向上しており、昔のような暴力的な加速はなりを潜めているが、滑らかで自然なパワー&トルク向上を目指すなら、やはり今回のようなチューニングがNAエンジンに合っていると思う。

そしてこのチューニングも、パーツ交換だけでは効果は薄い。
せっかく空気密度も流入速度もあがったのだから、それに見合った燃料の噴射調整、燃料補正は必須だ。
最適に行わないと、薄すぎるとエンジン破壊、濃すぎると燃え切らず、燃費の悪化に繋がる(このときマフラーから出るアフターファイアーはとても綺麗で絵になるのだが。。。)

また同時に、点火系も出来たら見直しておきたい。ノーマルより濃い混合気がエンジンシリンダー内に送りこまれた場合、ノーマルの点火タイミング、点火火花の強さが、どこまで対応してくれるか疑問に残る。
この車では、イグニッションプロジェクツ製の点火システムを導入して対応しているようだが、これのおかげで良いバランスが得られたとオーナーさんは語ってくれた。

以上、2つの事例を紹介してみた。
細かく書いては見たものの、結局は、チューニングパーツを付けるオーナーさんがどこまでの物を求めているかになってくる。
チューニングパーツを取り付けた状態だけで満足するのももちろん結構だ。
だが、せっかく安くない物を付けるのだ。
どうせなら、チューニングパーツを付けた事で広がった性能の伸び代を、各部のセッティングで存分に発揮させてみたくはないだろうか?

【取材―文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)

編者

REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。
サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。

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