様々なエンジンスワップ事例のある昨今だが、今回紹介する日産・スカイライン(ECR32)がちょっと面白い。
なんと元々搭載されているRB25DEエンジンから、シルビア・180SX系のSR20DETエンジンへスワップされている。
確かにSR20DETが積まれている。
なんとなくなイメージでは、パワーやトルク向上を求めてGT-R等のRB26DETTへのスワップを思い浮かべてしまうし、実際、HCR32型スカイラインへのスワップ事例もいくつかある。
なぜ4気筒ターボエンジンを選択したのだろう?
オーナーであり某チューニングショップメカニックのKさんによると、たまたま身近にあった4ドア32スカイラインとSR20DETを組み合わせて面白い遊び車が出来ないかと作り始めたという。
至ってシンプルな思い付きに見えるが、普段から技術スキルの向上を欠かさないKさんの事、自分なりの勉強、挑戦も兼ねていたのかもしれない。
少し話が脱線するが、エンジンスワップはもはや当たり前のチューニングとして広く認知されている。
例えばシルビアや180SXにRBエンジンや1JZ、2JZエンジンが積まれる事もあれば、スカイラインに2JZエンジン、ロードスターやAE86にロータリーエンジン、トヨタ86にV8エンジン、ホンダ・S2000に2JZエンジンが積まれるケースもある。
より理想の車へ目指すため、自由な発想の元で車作りがなされている。
今回のスカイラインオーナーKさんはタイムアタックからドリフトまでこなすベテランドライバーで、仕事柄様々な車の楽しみ方に接している。
スカイラインにSR20DETの組み合わせを思い立ったのも、そうした環境での経験と知識の積み重ねから来ているように思える。
エンジンの乗せ換えはそれ程難しくなかったようで、大きな問題もなくエンジンベイへ綺麗に収まったという。
だがそのままでは不満だったようで、SR20DETエンジン自体にも色々手が入れられている。
エンジンパーツ類はHKSで固められ2.2リッター化。
タービンはトラストのTD-05ベースでオリジナル加工。
アペックスのパワーFCで燃調系を制御する事で、パワーは400馬力以上を達成。
※1年後にLINK制御へ変更されている。
もちろん4気筒エンジンへの変更に合わせ、インタークーラーやラジエター、クラッチなどの駆動系も最適化がなされている。
一応街乗りも問題ないよう制作されているが、エアコンは必要ないと外している。
そしてフロント重量が軽くなった事による前後重量バランスの変化に合わせ、足回りセッティングの見直しも随時進められている。
Kさんはシンプルなチューニングですと謙遜されていたが、なかなかどうして、基本を押さえた潔いチューニングが散りばめられている。
簡単なインプレッションも伺ってみたが、4気筒エンジンになった事による軽量化が効いているようで、以前より軽快なハンドリングになったという。
エンジンも十分なパワーが出ているようで、お話を伺っていると車の楽しさが伝わってきた。
【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)
【取材協力】
Kさん