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ストリート正常進化 – 日産スカイラインGT-R(Revolfe S.A.)

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ドレスアップカーコンテストサーキットタイムアタックドリフト等では、オーナーさんの嗜好やそれぞれのカテゴリーに合わせ、まさに専用車のようにカスタマイズ、チューニングされた車が覇を競っている。
もちろんこういう楽しみ方は全然ありだし、逆にそうしないと勝負にならず、結局は目立てない。

だが、本来のその車が持つ在り方、良さをより引き出して進化させていく楽しみだってある。
特にスポーツカーとして生まれた車は、それを走らせる国の法規上、本来の性能を抑えこまれている事が多い。そして中古車として購入した場合では、新車状態と比べ当然性能は劣化している。

愛車の真の性能とは?それを引き出すとどのような世界が広がるのか?スポーツカーファンならば誰もが一度は考えたはずだ。

ここで一台の日産・スカイラインGT-Rを紹介したい。あくまでストリートカーの域を出ず、GT-R本来の性能を引き出し、ストリートスポーツカーとしてより高い次元へ熟成させた一台だ。

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オーナーは B-line RさんとTcoさんご夫婦。チューニングと日々のメンテナンスは、横浜のRevolfe S.A.が担当している。

元々は大きく重厚感のあるBNR34GT-Rだが、ミッドナイトパープルカラーに彩られたその車体からは、他のGT-Rにはない重厚感を感じる。まるでワンランク上の高級スポーツカーのよう。
完成度の高いチューニングカーは雰囲気が違う、独特のカッコ良さを主張してくると言うが、このGT-Rを見ていると、編者も思わず納得してしまう。

その雰囲気やカッコ良さとは、どうやったら出るものだろうか?

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スキがなくチューニングされたRB26DETTエンジン。パワーは500馬力ほどで、どこでも安定してその性能を発揮できるよう、補器類に至るまで入念に仕上げられている。

オーナーさんに教えて頂いた主なチューニングメニューをチェックしてみよう。

腰下:N1ブロック86パイ鍛造ピストン
ヘッド:ナプレックハイレスキット
カム:HKS 256
ダービン:HKS GT-SS
サージタンク:ハイパーチューン100パイシングルスロットル
インジェクター:サード800㏄
ラジエーター:サード3層
オイルクーラー:HKS
インタークーラー:トラスト2層
フュエルレギュレーター:サード
インテークパイプ:アブフラッグ製ワンオフ

RB26DETTを使ったチューニングエンジンだと、600馬力800馬力1000馬力クラスのものが存在するが、サーキット専用車だったり1発の速さ重視、よりお金をかけて各部を慎重に強化しないと壊れやすかったりするものが多い。

一般的に馬力が上がると、その馬力に見合った燃料や空気が取り込まれてるわけで、当然、純正状態からは考えられない負荷が各部に遅いかかってくる。例えば、200馬力向けでギリギリの耐久性で作られたエンジンブロック800馬力が上乗せされたら、壊れるのは時間の問題だろう。800馬力に合わせた耐久性を持つエンジンブロックへの交換が絶対となる。
とはいえ、エンジンを丸々社外パーつに交換となるととんでもないコスト高となる。なにより耐久力の高いパーツほど高価だったりする。

ミッションもそうだ。200馬力向けのミッションに800馬力の駆動をかけてしまうと、こちらもいつ壊れてもおかしくない状況に陥る。特にBNR34は海外のゲドラグ社が開発した6速ミッション。壊れたらかなりの修理費を覚悟しなければならない。

オーナーさんは普通の家庭を持つ一般社会人。そうポンポン壊れてはたまったものではないし、エンジンやミッションを全て作り変えるような金額も厳しいところ。ここで500馬力という数字の意味が出てくる。

BNR34と同じ第二世代のBNR32が生まれた時代、量産車べースで争われていた通称”グループA”レースが活況だった。BNR32はそこで勝つことを目的に、レギュレーションで許された改造で高い馬力とパフォーマンスが発揮できるよう、レースでの勝利を想定した量産車開発がなされてきた。当時のエンジン自主規制で量産車は280馬力となったものの、実際のRB26DETT600馬力は大丈夫なように設計されていたと聞く。その開発思想はBNR34まで受け継がれている。

そうなると600馬力も余裕なのではと思われがちだが、これはあくまでレースの話。極論を言えば、ことモータースポーツに関しては、耐久性はレースを走りきる距離だけで十分なのだ。レースを終えたらすぐにバラして整備、パーツ交換をすればいいわけだし。
しかしストリートカーではそうはいかない。オーナーさんによって使われ方はバラバラ、走り方も距離もバラバラ、それでいて頻繁にエンジンの分解整備や交換、オーバーホールなんてやっていられない。

純正のチューニング限界から少し余裕を持たせ、その前提でパワーを上げ、最低限必要な個所だけを強化していく。
パワー、ストリートカーとしての耐久性、チューニングコストを高い次元でバランスさせたのが、500馬力RB26DETT仕様の一つの回答と言えるだろう。

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500馬力を無駄なく路面に伝えるため、それに合わせた足回りもぬかりはない。
車高調はアブフラッグオリジナルのECS3、タイヤはミシュランPILOTスーパースポーツでサイズは前後とも265/35-18となっている。どのパーツも主にサーキットや最高速で高い実績を誇るRevolfe S.A. だけあって、拘りの車高調セッティングとタイヤ選択だ。

どんなに馬力があっても、それを路面に伝えるタイヤが空転していては宝の持ち腐れ。実際、もったいないなと思うチューニングカーも結構いる。例えエンジンがいじれなくても、適切な足回りやタイヤ選択をするだけでもかなり変わってくるのに。

もちろん止まるほうも忘れてはいない。こちらはイタリアフェロードがおごられている。車は急には止まれない。重量級のBNR34だけに、パワーが増せばますほど制動距離が伸びてしまう。280馬力級ブレーキではそう簡単に止められない。パワーや車体に見合ったブレーキ強化は絶対条件だ。

先日、某テストコースで一度横に乗せてもらった事があるが、踏むと最初から強烈な加速が延々と繰り返される。それでいて危うさや怖さはほとんど感じられず、安心して横に乗っていられる。乗り心地も意外と悪くない。これなら長く乗っていてもそんなに疲れないだろう。
今では壊れないチューニングストリートカー作りに定評のあるRevolfe S.A.ならではと言える。

長々とこのGT-Rの凄さ、良さを書いてきたが、もちろん一回でここまで仕上げたわけではない。オーナーさんはRevolfe S.A.とはとても長い付き合いで、常に担当者と打ち合わせを重ねながら段階的に仕上げ、ステップアップしてきたそうだ。
その過程の中では、もちろん細かいトラブルにもいくつか遭遇したそうだが、Revolfe S.A.側は真摯な態度でそれに向き合い、オーナーさんも良いGT-Rにしてもらおうと積極的に協力し、時に忌憚のない意見もぶつけてきたそうだ。

そうした経緯を経た事で次第にRevolfe S.A.とオーナーさんとの間に絆が生まれ、今では車全般の事は全てお任せするほどとか。たまに冗談は言うものの、Revolfe S.A.に車を任せて良かったといつもオーナーさんはおっしゃっている。

完成度の高くカッコ良いストリートチューニングカーとは?。それは、こうしたショップとオーナーさんとの絆から生まれてくるのではないだろうか?

【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)

【取材協力】
B-line R
Revolfe S.A.

編者

REVOLT-IS立ち上げの発起人。サーキット走行会や草レースなど経験が豊富で、スポーツ系チューニングやセッティングに強い関心がある。
サーキットやストリート、ドリフトなどの走りのイベントへ積極的に顔を出しながら、カメラを構えつつ様々な考察をする毎日。

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