以前から熱いラブコールを受けていたドリフトチーム”Crazy Japan”のサーキット走行会。ドリフト系の大会にはほとんど出てこないチームではあるが、AOK Racingや走職系男児といった強豪チームのメンバーが所属していたり、大問題児祭、千葉魂などでも実績を持っている。
そして、あの有数のカーメディア”オールザットロー”の主催とも交流を持っており、今回の走行会でも積極的なコラボレーションを果たしている。そんなチーム主催の走行会とはいかがなものか?丸1日密着させてもらった。
会場はお馴染み栃木の日光サーキット。梅雨入り当日の関東地方。一週間前まで雨予報で天候が心配されたが、某チームの晴れ男パワーは凄まじく、当日朝は奇跡的に雨はなし。完全ドライで走行開始が出来る見込みとなった。
若干遅れたサーキット開場もあってか、参加者は慌ただしくパドックへ雪崩れ込み車両準備を開始。参加車両は約60台。グリップクラスも含め、参加車両はバラエティに富んでいる。
そしてCrazy Japanスタッフは手際よく受付準備を行い、参加者へてきぱきとアナウンスで進行を促していく。
今回は室内でのドライバーズミーティング。割とサーキット初心者も多かったためか、旗の説明やその時の対応など、事細かな説明が行われた。ドリフトもリスクが高いスポーツ。誰も安全に走れるようにするためには、こういった対応はとても大事な事。プライベートな走行会でもしかりだ。
入念にタイヤのエア圧を調整している光景も。グリップとドリフトは走り方は違えど、思った通りの走り方をするためのセッティングは当然ある。特にタイヤは、エア圧1kg変わっただけでも大きく走りに影響を与えるほど。誰もが、持ち込んだタイヤのパフォーマンスを発揮できるエア圧に試行錯誤していた。
走行開始直前。緊張している者。ハイテンションな者。冷静な者と様々なドライバー模様が垣間見えるこの時。ギャラリーもどんな走りを見せてくれるのかドキドキだ。
こちらはグリップクラス。ドリフトが主だった走行会なので参加台数は少ないが、友人からの誘い、近日あるサーキットアタックの練習、日ごろのストレスの発散など、それぞれ思い思いの目的で日光サーキットを攻めていった。
こういったコンパクトなサーキットは、どちらかと言うとジムカーナ志向な走りが要求される。上手くまとめてタイムが安定して出せるようになれば、普段乗りの技術向上にも役立つだろう。
レガシィやアウトバックなど、あまりスポーツには縁のない車も多く参加していた今回の走行会。タイムだけでなく、自分の愛車が今の状態でどこまでやれるか?他の車とどう違いか?といった事を探れるのもサーキットの醍醐味。サーキットという不確定要素の少ない場所で、どの参加者も自分との闘い、自分の掲げた目標目指して元気よく走ってくれた。
いよいよドリフトクラスへ。今回は初心者、中級者、中上級者、クレイジーと4クラスが設定。初心者でも良い走りを見せるドライバーが多く、初っ端から見ごたえたっぷりなドリフトを見せてくれた。途中雨がぱらついたものの大事には至らず。本当によかった…
途中、クラッシュは途中でトラブルで立ち往生する車もチラホラあったが、慣れたものなのか、Crazy Japanのスタッフはこちらも手際よく対応していく。中にはトラブルの原因となった車に駆け寄り、修理や補修を手伝ったりアドバイスをする光景も見られた。
やはり走行会は熱くなるもの。ついテンションが上がりすぎて周りが見えなくなり、自分の限界以上の走りをしてクラッシュやコースアウトをしてしまう事も。編者も経験があるので気持ちはとてもよくわかる。
今回の走行会でもそういった光景がいくつか見られたが、そんな時もCrazy Japanスタッフは慌てず騒がず、冷静にコースアウト車両の対応を行っていた。チームワークは抜群だ。
走行合間のパドックにて。車のセッティング変更で忙しい中、カメラを向けたら笑顔でポーズを決めてくれた(笑)この後も無事にに楽しく走りきってほしい。
今回の走行会では、ドリフトが難しいと言われていたホンダ・S2000の姿も。他のドリ車に負けず劣らずな軽快でスピーディーなドリフトを見せてくれた。聞いたところCrazy Japanチームメンバーの元愛車であり、その頃に試行錯誤して出来上がった一台なのだとか。
車体作りでもかなりの拘りを見せてくれるというCrazy Japanの噂は、このホンダ・S2000を見ても思わず納得だ。
上級のクラスになるにつれスピードレンジも増し、激しい突っ込みとやばい角度とタイヤスモークの応酬が繰り広げられてくる。D1GPやFormula Driftなどとは違い、目の前でこうした激しい走りが拝めるのが一般の走行会の良いところ。ギャラリーは興奮とドキドキが収まらなかったに違いない。
ツインドリフト、4台ドリフト、6台ドリフトと、どんどんギャラリーパフォーマンスを見せてくれる彼ら。しかも毎ラップ、安定して集団ドリフトを決めてくるから驚きだ。
魅入る者、カメラを向ける者とギャラリーも様々だが、後から聞いたところだと、ドライバー側もテンションMAX、ノリノリで突っ込んでいったらしい。
ギャラリーとドライバーが一体となったエンターテイメントが繰り広げられるのもドリフトの魅力の一つ。皆、とても大満足な走行会だっただろうし、編者も久々に、とても痺れる走りを見せてもらった。
今回の主催であるドリフトチーム”Crazy Japan“の面々。ネット上ではおバカな発言も多い彼らだが、実際はとても礼儀正しく気遣いができ、走りに対してとてもひたむきに取り組んでいる。実際彼らの車両を見ても、D1SLなどの常勝マシンに見られるようなエンジンや足回りのセッティングがなされていたりと、正直とても驚嘆した。
ぜひ何らかのメジャー大会でその腕前を見せてもらいたいところではあったが、彼らは”楽しむドリフト”をとても重視しており、成績を追い求めるあまり、”楽しむ”という要素が欠けてくる事を敬遠しているそうだ。
個人的にはもったないなァとは思うものの、車の楽しみは人それぞれだ。こうした姿勢が、多くの仲間達と長くドリフトや車を楽しんでいく秘訣なのかもしれない。
彼ら彼女らの今後を、これからも応援していきたいと思う。
※全てはミラツのために
【取材 – 文 – 写真】
編者(REVOLT-IS)
【一部写真協力】
Yuco ( Crazy Japan )
【取材協力 – 問い合わせ先】
Crazy Japan
オールザットロー